SS暫定まとめwiki~みんなでSSを作ろうぜ~バキスレ 仮面奈良ダー カブト第零話


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第零話 誕生仮面奈良ダー

カナキーヲロックシテ AYB JYB  トタイプスル ソレガコノSSノ メッセージ
この物語は一人の少年が巨大な力を手に入れるところから始まった。

「う・・・くうう、く、くる」
彼は体の奥からみなぎり、溢れ出そうとしている力に必死に耐えている。
ここで耐え切らなければこれまでの彼の仕事は全て無駄になってしまう。
その作業は一流の料理人が最後に振る一握りの塩、一振りの刀に命を迸らせる刀鍛治の焼き入れの作業にも似る。
臨界まで耐えに耐えた後の仕上げの瞬間にこそ意味があるのだ。
その瞬間にこそ神は宿る。
かつてファウスト博士も恍惚の時をさしていったではないか「時よとまれ、お前は美しい」と。
少年はその瞬間のために待っているのだ。
己の時を止め、さらに天へと通じる扉を開くために。

だがしかし後少しというところで、彼は絶望に包まれた。
(な、ない・・・ティッシュがねぇ)
いつもなら、数多くの経験によって練り上げられた構造理論に基づく、最適のポジションに置いてあるはずのティッシュがないのだ。

「ち、ちくしょう、耐えろ、耐えるんだ、マイサン」
部屋の中にはゴミこそあれ、受け止めさせるに足るものは見当たらない。
ティッシュとはそれほど高貴で、優雅で、完成された存在なのだ。
(お、俺の子供たちを絨毯なんかにくれてやる訳にはいかん、塩田に捧げる大事なチルドレンなんだ)
しかし、部屋の中には何もないのだ。
キッチンペーパー、シャツ、雑巾なども存在するがそれらにくれてやるわけにはいかない。
こんにゃく、カップラーメン、アーモンドの袋なども置いてあるがそれらではやはり不満がある。
「く、ここまでか、天は我を見捨てたもうたかーーーーー!」
(もはや自刃もやむなし。塩田・・・さ、最後に口で受け止めてもらいたかった)

そういって自らの口で受け止めることを覚悟した瞬間である。
苦悶に叫ぶ少年の視界に飛び込んでくるものがあった。
それはベッドの端に顔をのぞかせていた。
まるで、取り付く相手を待ち受けるかのように。
それは赤い三角のボディ、黒く鋭い目をしていた。
(こいつなら・・・こいつならきっと何とかしてくれる・・・)

手にしたそれは暴君ハ○ネロであった。
(否、ただのハバ○ロにあらず・・・)
それは既に夏季限定大型とんがりコーン型なのだ。 (作者注:そんなものは存在しません)
一年前に発売されたそれは、大きすぎると不評のためすぐに販売中止になっていた。
考案者たちがその考案のために削ったであろう命(およそ煙草一本分)はいかほどのものであったろうか。
少年は"それ"に運命を賭けることにした。

硬くて熱い
ティッシュという柔らかな素材に慣れ親しんだ者にとって、この物体は・・・

「おおおおおおおおお、おめでとう谷良子ーーーー」

みなぎる力はかつて制御したいかなる力をも上回った。
炎の力をその身に受け入れ、彼は表に飛び出していた。
その力で、いつしか彼は充血し赤い体に変身を遂げていた。
どこぞの一向に海賊行為を行わない海賊やわかめ野郎と似たような要領だ。

「キャスト・オフ(脱皮)」
着衣がバラバラに吹きとび、己のクロスを表面に晒す。
身に着けているのは漆黒のパンティー、そして前ホックブラジャーである。
通りを行く人々に見せ付けているのだ。
「これがぁぁぁぁ俺のゴオールドクロスだーーー」
羞恥心という名の鎧を脱ぎ捨てることで身軽になった、彼の新たな戦闘形態である。
Change Beetle !
ピンと彼のカブトに力が彼に宿る。

今、立ち上がり敏感さを増したサインホーン@股間が犯罪を感知した。
少年は走り出す。

一人の中年男が幼女に手を伸ばしていた。
でっぷりと太り、顔全体が脂ぎっている。
かけている瓶底眼鏡が曇るほどだ。
「いやだ、助けて、行きたくない、誰か助けて」
少女の叫びに応えるものは誰一人としていない。
中年男はがっしと幼女の手を掴み、ゆっくりと撫で回した。
「ひぐ、う、いやぁ、らめぇ」
「さあ、一緒に来るんだ、おとなしく言うことを聞きなさい!」
すわや幼女の危機。

そのときである、中年男の目に走りこんでくる何かの姿が飛び込んできた。
同時に自分の腕に嫌な感触を覚えた。
十字に切った髪らしき物体が腕に刺さっていた。
その何かは走りながら、息を嬉しそうに荒らげながら呟く。
「奈良カッター」
その口元は卑猥に歪んでいる。そう、2部後半の夜神月の計画通り顔にも似た表情だ。

目の前に突如現れた存在に、中年男は面食らった。
赤黒く怒張した体に、十字に禿げた髪。
身に纏う漆黒の女性下着と白い靴下。
「お、お前は・・・」

少年、奈良重雄はゆっくりと両手を上に上げていく。
本能が教えてくれる、今ひとつの力。
「クロック・アップ」
両手を頭の上で交差させ、腰で大きく円を描き、最後に前に一突きする。
そのとき、周囲の人間の時間がほぼ停止した。
人は見てはならないものをみてしまったとき、一時的に思考停止に陥ることがある。
彼が行ったのはこれであった。


奈良重雄は漆黒のゴールドクロスをその身に纏う戦士である。
彼はそれまで桜井美保の下着を纏った自分は完全体であると信じて疑わなかった。
ゴールドセイントの証たる光速の動きには遥か及ばないにも関わらず・・・である。
だが炎の力を受け入れた彼は今、光速に肉薄していた。
およそ光速の10000000分の1という猛スピードである。
周囲の時間がゆっくりと流れるのを感じた。
舞い落ちる桜の花びらはとまって見え、(路上駐車してある)自動車に落書きをすることも、彼を見て時の止まった小学生の耳に息を吹きこむのすら容易い。
時間(周囲の人間の思考)をゆがめるほどのパワー。

(みなぎる、コ、コスモを感じる・・・!)
思わず歌いだしてしまう。
「だ~きしめた~こーこころのこすも~ つたえ~ああた~はるかなぎんが~」
何も問題はない、時間は止まっているのだ。


動きの止まった中年男性に彼はゆっくりと肉薄していき。
そっと抱きしめ、耳元でささやく。
「痴漢は犯罪ですよ」
そして耳に息を吹き込んだ。
ゆっくりと、中年男性は地に倒れこむ。
奈良はそれを支えながら。
「安心したまえ、ゆっくりと、優しくフォールしてあげよう」
やさしく、聖母のように抱きかかえながら、ゆっくりと気を失った男性の体を俯せに横たえる。

「クロック・オゥヴァ(そしてときは動き出す)」

電子音声風につぶやくと我に帰った彼は、彼は幼女の近くにいた。
「見たかなお嬢ちゃん、悪いおじさんは退治したよ」
天使のように無垢なつもりの笑顔で少女に話しかける。
「ところでこの俺の真・完全体どう思う?」
腰までの背しかない幼女にグングンとカブトゼクターが近づく。
少女の顔は恐怖に歪み、少年(26歳)の顔はサディストの笑みを浮かべる。
じりじりとにじり寄る恐怖に耐え兼ねた少女は泣きだしてしまった。
「おとうさーん」
(ちっ親子だったか・・・どうする・・・ここは)
目の前の奈良への恐怖に泣きながら父親の中年男性の屍に走りよろうとする彼女の耳にそっと息を吹き込んだ。
「大丈夫みねうちだ、今度はお父さんを困らせるんじゃないよ、お兄さんと約束だ」
そういいながら少女の手をさすりながら取り上げ、
「はい、指きりげんまん嘘ついたら○○○の~ます、指切った」
まるでダウンロード直後の才賀勝@からくりサーカスのような笑顔で場をごまかすと、(社会的に)人間離れした動きで走りさった。
「くそ」
ガァンとごみバケツがひっくり返る。
「ええい、人の善意には御褒美にほっぺたにちゅうくらいくれるのが人の道じゃろ、仁義じゃろ」
迷惑をかけただけにもかかわらずぶんぶんと腰を振りながら家に戻る。
近所の目への恐怖はアドレナリンとエンドルフィンと途中で買った牛乳のトリプトファンが化学反応を起こしてスパークしたため消えている。
「ええい、むかつく餓鬼じゃ、社会常識なめんなや」
げしげしとマキバオーのぬいぐるみに八つ当たりをはじめたが、ふと思いあたることがあった。
彼は時間を止めたのだ。
彼は決めた、この力は正義のために使おうと。
「そして俺は新世界の神になる」

眼鏡という名の仮面の下に本当の心を隠しつつ、彼の厳しい戦いが始まった。

「俺が仮面奈良ダーだ」
この物語は、奈良重雄とそのライバルたちの熱く、壮絶な戦いの物語である。