SS暫定まとめwiki~みんなでSSを作ろうぜ~バキスレ 【ブルーグラード外伝・氷雨タソのバウケン】 41-1


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聖戦を幾世代か遡る。白夜に、透き通る肌の純正東洋人を鎧姿の一団が取り囲んでいる。
「先月勃発した南方のおおいくさ(クリミア戦争)は知っているよな。簡潔に言う。くにとりしよう」
氷雨は、呆れた、それと同時に、眼前の吉GUYをやりすごす事にとりかかった。なぜなら・・・・・・
戦場で避けられないものとなる弾幕は、音速を超える速度で飛来する銃弾により構成される。
第一その威力は、聖衣を装備していても、当たり所によっては即氏もありうる。顔面なんか最悪だ。
そして、氷雨は正式にはキグナスのセイントではない。女性だからなれないんじゃなく、実力に難があるのだ。
西アジアは地形も気候も、凍土とは異なるから、どんな不覚をとるかわからない。
何より、サンクチュアリは弱い組織ではない。少なくとも、ブルーグラードが分派した頃の規模ではない。
技だって、進歩していないわけではない。強者が斃れて途絶えた技や心も有るが、それ以上に琢磨されている。
神々との戦いを経ている点が、ブルーグラードと全く違う。
「地上を制覇しよう、ヒサメ。俺らは無敵だ」。氷雨は、イワンが何を根拠にアホなことを言ってるのか探ろうとした。
このフィンラントに来ているからには、火薬の存在ぐらいは知っているだろう。
ヒサメも、チャドル着でインド半島からここまで海路や陸路でやって来た身だから、国際情勢等に明るいわけではない。
でも、イワンの時事知識が標準以下なのはわかる。「戦争知ってる」?

意外なことだが、イワンは自称音速2の「凍気」を漫然と氷雨に打ち付けた。
胸やお腹を両腕で抱え込んで、顔をゆがめる。
「打って出るしか・・・文明の味を、知ってしまった。俺だけじゃない」。
「ブルーグラードに帰りましょう。ね」。さりげなく、イワンと一緒に暮らすのだと告っている氷雨。
しかしイワンは、伝統技『ブルーインパルス』の一撃のもとに氷雨を熨すと、彼女を自分で肩に抱えて
帰路に就いた。チャドルの破損具合から、氷雨はやはり味方にしておくべきだと、イワンは判断した。
常人なら、凍傷や打撲だけでなく、普通の木綿の服もボロボロになるというダメージを受けて
すっぱだかになるはずだからだ。氷雨の実力は正規のブロンズセイントのそれである。
イワンもまた、人の身で氷らされた水こそが、進化した水だと信じる氷点下領域の徒である。
だからか、氷雨を味方にすることが、サンクチュアリに対抗したり神に近い力を得て地上に覇を唱える
足がかりになると思い違いをしているのだ。現実を知ったら、イワンはブルーグラードにひきこもる。
しかし、そのときは氷雨がえらいめにあうだろう。歩くイワンの肩は氷った湖面のように安定している。
肩だけではない。体の根幹が、安定しているのだ。氷雨にはわかる、一流の戦士の証。
氷点下というのは、列強の科学が説くほど単純ではない。絶対零度を人為的に造り出せたらそこが氷の極界、という
ものではない。氷雨の師は比喩じゃなしに光速で動くし、絶対零度はそのタイムスパンで無から熾される。
そして、完成した物体は自然界の氷とは異なる。氷雨は勿論イワンもその領域には程遠い。
そこがイワンにはなぜわからないのか・・・。氷雨は、だんだんと逃亡よりイワンの更生が主目的になりつつあった。
南方でゲリラ戦でもやらかす気だろうが、無闇に強さをふりまわすことの危険を知らないのだ。
だから、氷雨は手近な雑兵にたずねる。「ブルーグラードに何か有ったの?」「?」
・・・・・・雑兵に、ロシア語が通じない。ブルーグラードの言葉しか使えないのだ。
あんな、方言か少数部族の言葉かわからんような言語の世界で、こいつらは暮らしているのだ。

氷雨は、肩をよじっている。長時間の拘束で関節が悲鳴をあげはじめているのだ。
しかも、チャドルも腰布も汚物で汚してしまっている。それが冷えたらきしょくわるいし軽く地獄・・・。
自然、鎖を凍結で脆くして脱しようとする。その気配で、イワンは急遽、氷雨への面会を早めた。
「なにしてるんだお前!」「離れろ!」雑兵を思い遣ってるイワンを意外そうに見直す氷雨。それも束の間・・・
「ひッ」無防備な体をイワンの正面に晒して、びびる氷雨。頑丈そうではないウエストに、バフッと蹴りが入る。
そして氷雨の肩を外すべく冷えた鎖を掴み・・・氷雨の目的を知る。氷雨の乳房は、踏むほど大きな乳房でもない。
イワンは見張りを4名増員し、氷雨との面会を終えた。雑兵が氷雨を「ウンコ女」と呼称するが、言葉には聞こえない。
なんかヤケみたいな気分になって、「表に出ろ」「ねぇ土人ってば」と言ってみる。言葉には聞こえない。


「ブルーグラードがモスクワの手に堕ちているのに、サンクチュアリが自助せよという。お前も、にげるな」。
氷雨が気温と睡眠時の体温を考えて、どうやって雑兵衆に擦り寄ろうか悩んでいる中、イワンが来た。
今度こそ、氷雨の方が手の届く範囲の現実に追いつき、決意した。「聖地奪還、ん。いつ?」
しかしイワンは、それを始めとする贋情報で氷雨と戯れた。