SS暫定まとめwiki~みんなでSSを作ろうぜ~バキスレ 「演劇をしよう!!」(中編) (5)


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 なぜ香美と倉庫に閉じ込められたのか? いまとなっては剛太自身よく分からない。確か演劇部員の1人に何かの小道具
をとってくるよう頼まれた? ………………無責任なようだが剛太はただ斗貴子のいろんな姿を見るため仮入部した。活動
じたいにさほど興味はない。よって詳細など知らない。


(あの冴えねー女率いる劇団との勝負に負けたら先輩がパピヨンの格好する……? イイかも。他の部員にゃ悪いけど)


 頼まれごとをした時だって斗貴子──総角と秋水に熱烈な視線を送る秋戸西菜(クライマックス)にゲンナリしていた──
の横顔に見惚れていた。

 このときキャプテンブラボーこと防人が何やら耳元がごにゃごにゃいってる気がしたがよく聞いていなかった。

 間違いの始まりはそこだった。

 そして「倉庫ね倉庫、ハイハイ」といったはいいが何を探せばいいか分からぬコトに気づき踵を返そうとしたら……栴檀2
人がやってきた。で、愚にもつかない丁丁発止を経て目当てのブツを貴信が抱えあげた頃、入口の方で音がした。

 ガラガラ。ガチャリ。剛太は血相を変えた。
 …………最近秋水とそれなりの友誼あるせいか例の早坂家、「外は危ないから出ちゃダメよ?」が真先によぎった。

 施錠、倉庫は外から閉められた。どこかの迂闊な、しかしお節介な生徒がやらかしたのだろう。5cmほどはある鉄の扉を
何度も強くたたき大声でよばうが反応はない。倉庫が校舎裏、冷たく湿った日陰の中にあるのを思い出した剛太はすかさ
ずケータイを出す。不運。充電切れだった。(扉破るか? でも戦士が壊すっつーのもなあ。そもそもモーターギアにそんな
パワーあるか? ねェだろ……) 豊かな髪をくしゃりと撫でながら脱出法を考える剛太にさらなる不運を見舞ったのは他に
誰あろう、香美である。

「いやあああああ! 暗いの、暗いのダメええええええええええええええ!!」

 絹を裂くような、とはまったく良く言ったものだ。頭を抱えまったく惑乱なご様子のネコ少女、振り絞るような叫びをあげる。
ふだん気だるげな瞳が深刻の限界ギリギリまで見開かれすきとおる雫さえ舞い散った。

『ちょ、落ち着くんだ香美、僕がいる!! 僕がついているし中村氏だってそこに…………!!』
「ふにゃああ! なんかあしなぞった!! こわい!! だめだめだめ!! ももももーでる! でる!!!」

 まったく不便な体だと同情したのは、扉めがけ突進する彼女を貴信がムリに止めようとしたせいだ。あわれ複数の指揮系
統を有するその体は、「突っ込む」「止まる」を同時にこなそうとしたせいで、大きくバランスを崩した。しかもホムンクルスの
高出力、人間がこけるというより250ccのバイクが中央分離帯を爆砕するような加速が生まれた。そしてそのまま香美は
両手をばたつかせながら……壁へ。大地を揺るがす衝突音の中ホコリが舞い散り剛太は大きくせき込んだ。

(ん? でもあれだけ勢いよくぶつかりゃ壁に穴ぐらい開くんじゃ)

 開かなかった。どういう訳か壁は無傷……。

(あ? 何でだよ! ホムンクルスの突進浴びてなんで無傷なんだよこの壁!! シルバースキンじゃあるm──…)

 ……。剛太の背中に冷たい汗が流れたのは「シルバースキン」、その言葉に防人衛を思い出したからだ。出立直前かれは
確かに何やらごにゃごにゃいっていた。去来。いまさらのように蘇る言葉。


「あー。倉庫に行くなら気をつけた方がいい。外から鍵かけられると少々マズい」

「あそこはL・X・Eの襲撃の際、あちこち調整体に壊されていてな。まあ要するに」

「修理しがてら強化しておいた。たぶんフェイタルアトラクションでも壊せないぞ」

「まぁでも火事のとき逃げやすいよう窓だけはただのガラスにしておいたし」

「ケータイもあるし大丈夫だ なぜ香美と倉庫に閉じ込められたのか? いまとなっては剛太自身よく分からない。確か演劇部員の1人に何かの小道具
をとってくるよう頼まれた? ………………無責任なようだが剛太はただ斗貴子のいろんな姿を見るため仮入部した。活動
じたいにさほど興味はない。よって詳細など知らない。


(あの冴えねー女率いる劇団との勝負に負けたら先輩がパピヨンの格好する……? イイかも。他の部員にゃ悪いけど)


 頼まれごとをした時だって斗貴子──総角と秋水に熱烈な視線を送る秋戸西菜(クライマックス)にゲンナリしていた──
の横顔に見惚れていた。

 このときキャプテンブラボーこと防人が何やら耳元がごにゃごにゃいってる気がしたがよく聞いていなかった。

 間違いの始まりはそこだった。

 そして「倉庫ね倉庫、ハイハイ」といったはいいが何を探せばいいか分からぬコトに気づき踵を返そうとしたら……栴檀2
人がやってきた。で、愚にもつかない丁丁発止を経て目当てのブツを貴信が抱えあげた頃、入口の方で音がした。

 ガラガラ。ガチャリ。剛太は血相を変えた。
 …………最近秋水とそれなりの友誼あるせいか例の早坂家、「外は危ないから出ちゃダメよ?」が真先によぎった。

 施錠、倉庫は外から閉められた。どこかの迂闊な、しかしお節介な生徒がやらかしたのだろう。5cmほどはある鉄の扉を
何度も強くたたき大声でよばうが反応はない。倉庫が校舎裏、冷たく湿った日陰の中にあるのを思い出した剛太はすかさ
ずケータイを出す。不運。充電切れだった。(扉破るか? でも戦士が壊すっつーのもなあ。そもそもモーターギアにそんな
パワーあるか? ねェだろ……) 豊かな髪をくしゃりと撫でながら脱出法を考える剛太にさらなる不運を見舞ったのは他に
誰あろう、香美である。

「いやあああああ! 暗いの、暗いのダメええええええええええええええ!!」

 絹を裂くような、とはまったく良く言ったものだ。頭を抱えまったく惑乱なご様子のネコ少女、振り絞るような叫びをあげる。
ふだん気だるげな瞳が深刻の限界ギリギリまで見開かれすきとおる雫さえ舞い散った。

『ちょ、落ち着くんだ香美、僕がいる!! 僕がついているし中村氏だってそこに…………!!』
「ふにゃああ! なんかあしなぞった!! こわい!! だめだめだめ!! ももももーでる! でる!!!」

 まったく不便な体だと同情したのは、扉めがけ突進する彼女を貴信がムリに止めようとしたせいだ。あわれ複数の指揮系
統を有するその体は、「突っ込む」「止まる」を同時にこなそうとしたせいで、大きくバランスを崩した。しかもホムンクルスの
高出力、人間がこけるというより250ccのバイクが中央分離帯を爆砕するような加速が生まれた。そしてそのまま香美は
両手をばたつかせながら……壁へ。大地を揺るがす衝突音の中ホコリが舞い散り剛太は大きくせき込んだ。

(ん? でもあれだけ勢いよくぶつかりゃ壁に穴ぐらい開くんじゃ)

 開かなかった。どういう訳か壁は無傷……。

(あ? 何でだよ! ホムンクルスの突進浴びてなんで無傷なんだよこの壁!! シルバースキンじゃあるm──…)

 ……。剛太の背中に冷たい汗が流れたのは「シルバースキン」、その言葉に防人衛を思い出したからだ。出立直前かれは
確かに何やらごにゃごにゃいっていた。去来。いまさらのように蘇る言葉。


「あー。倉庫に行くなら気をつけた方がいい。外から鍵かけられると少々マズい」

「あそこはL・X・Eの襲撃の際、あちこち調整体に壊されていてな。まあ要するに」

「修理しがてら強化しておいた。たぶんフェイタルアトラクションでも壊せないぞ」

「まぁでも火事のとき逃げやすいよう窓だけはただのガラスにしておいたし」

「ケータイもあるし大丈夫だろうが念のため、な」


(言ってたぁ……)




 剛太は力なく崩れ落ちる。斗貴子に見惚れていたのはまったく致命的。

 趣味:日曜大工の防人衛の辣腕は向い来る香美を弾き飛ばした。そして後頭部の貴信から意識を奪う。ピンボールのよう
に反対側へ命中したかれは顔面に何tもの衝撃を浴び、喪神。

「ご主人?」

 とはもうもうと立ち込める芥子色の煙の中、ビョコリと座りなおした香美の弁。後頭部に手を当てじつとするコト二呼吸、
ふだんの機敏さがウソのようにそうぅっと左右を見渡した。広がる闇、窓こそあるが総て総て厚ぼったいベニヤで外から
塞がれている。まだ昼ながら真暗なのはそのせいだ。

「…………!」

 か細い息をつきながらそれでも香美が叫ぶのをやめたのは、剛太が、部屋中央にブラ下がるランプに手を伸ばすのを
見たからだ。野性つよき少女といえどそれが照明道具なのは分かるらしく、こわばった表情に一縷の期待が灯った。

「ん? なんだコレ壊れてんのか? 点かねーぞ」
「わあああああ!! 垂れ目ーーーーーーーー!! 垂れ目ええええええええええええええええええええ!!!」

 香美は剛太に飛びついた。か細い肢体ながらいかついアメフト選手のようなタックルだった。おかげで壁にしこたま頭を
ブツけた剛太が、眼球を上めがけグルリと気絶の動きを取りながらなお貴信の二の舞を踏まずに踏んだのは、馬乗りの香
美が

「ダメなのあたし暗いところダメなの、傍にいて傍にいて傍にいて。ご主人気絶しちゃったしあんたしか頼れんお願いお願い!」

 甘い声と涙と鼻水とを飛ばしながらひっきりなしに肩をゆすってきたからだ。

 吹っ飛ばされた余波で剛太は床にあおむけだった。香美は彼の腰をまたぐ姿勢だった。

 銀成学園へ転入して以降学生服をまとっていた彼女だが、この時は従来の軽装。白い二の腕がこぼれおちんばかりの
白いタンクトップ。縁が破れ色褪せたデニムの短パン。そこからブラ下がる鎖のアクセがじゃりじゃりなるたび剛太の眼前
で巨大な白い谷間が迫力ある律動を見せる。同年代の少女──例えばまひろなど──なら恥ずかしげに頬染め秘匿す
べき大きなふくらみは、しかし元来ネコの香美はまるで無頓着。
 日焼けを免れているらしく、服の形に白く染まる鎖骨から中は闇で浮かび上がるほど生白い。それが汗でぬめつき怪しげ
な輝きを放っている。

 斗貴子にしか興味がないとはいえ断種去勢を施されている剛太ではない。想い人とはダンチな早坂桜花の質量を背中
に押し付けられ赤面したのはいつだったか。あのぬくもり。弾力。柔らかさ。それらがどれほど呆気なく平素標榜する片意
地を粉砕するか!! 色香は魔力なのだ。人生を貫く大失敗あるいは不可抗力を呼ぶ化け物なのだ。
 しばし剛太が揺れ動く巨大な乳房に目を奪われたといって斗貴子への不貞になろうか。 いやない。むしろ野生美と貴信
へのコンパチーブルゆえ下着なき双丘が、拍動のすえタンクトップとの挟間に突発的に覗かせた桃色の特異点から、意
思の力で強引に視線を剥がしただけでも豪傑、万雷の喝采を浴び褒められるべき偉業ではないか。


(見てねェ! オレは何も、何m……ひゃっ!!)


 攻勢は止まらない。剛太の頬を生暖かくもザラついた湿気が通り過ぎたのは香美の舌が掠めたからだ。

「だまっとったら余計怖いの……! お願いじゃん、毛づくろいするからなんかいう、話す……」

 いつしかネコ少女はその体をびっとりと剛太につけている。一層身近に迫るぬくもり弾力柔らかさにさしもの剛太も真赤
となる。誕生以来これほど肉薄した女性はいない。さきほど懸命に忘却せんとした光景がいまは薄布一枚向こうで艶めか
しく息づいている。胸板の上でつぶれる膨らみの重さ、何もかも消し飛ばしそうだ。

(いや何でいま舐めた!?)
 突っ込む気力など根底から奪う甘ったるい雰囲気が満ちていく。倉庫の中へ、満ちていく…………。

 香美はもはや切なげに眉根を寄せ泣きそうな表情。しかも震えながら口を開け、恐る恐る剛太の頬を舐める。じゃれつく
というほのぼのしたものではない。あえらかに息を吐き、すぼめた舌を下から上へぐぐぅと這わす。名前通り香しい唾液が
なめくじのように跡を引く。この頃になると当然ながら跳ねのけようとする剛太だが相手は岩のごとく動かない。相手が動物
型ホムンクルス、人間を超越した膂力の持ち主なのだとつくづく痛感する間にも香美の体は艶めかしくくねる。舐めるたび
とろけそうな肢体が剛太に擦れて刺激をもたらす。上半身だけでも大概だが跨ぐ都合上腰もまたビトリと剛太のそこへつき
それが男性的な生理作用を痛いほど惹起する。

 目の前にはしとやかな涙顔。普段とはまるで違う、不安に慄く香美の顔。桃色の霞を瞳に宿し鐶よりも儚げに震える表情
はふだんがふだんだけに余計心を直撃する。

(コイツ、こんなカオもすんのか…………)

 愕然とする剛太だがしかし慌てて首を振る。すると鼻の穴を香美の舌がかすめ史上最大級の疼痛が心臓を直撃した。耳
たぶまでも真赤にしながら抗議というか提案を放てたのはやはり斗貴子への思慕あらばこそだ。

「つ!! つーか暗いのイヤなど窓壊せばいいだろ!! あれただのガラス! 目張りしてある板だってホムンクルスなら
カンタンだろ!! 壊せば明るくなるし外出られる!! それでいいだろ!!」
「……や、やだ!!」
「なんで!?」
「だだだだってガッコーのもん壊すなんてダメじゃん! ご主人そーいってたし、それにそれにそれに怖いからって壊しちゃ
まどとかいたとか可哀想じゃん!! なんも悪さしとらんのにジャマっつって壊したら……」

 香美は涙ぐんだ。

「カワイソ、でしょーが………………」


 どうにかどくよう説得できたのは2分後。どいてもらえたのはそこからさらに6分後……。