翌日は学食を食べたあと早退し すぐに事務所までやって来て残りの時間をおやつの確保に使った
そのせいで荷物を持つゴダイさんが苦労するのは分かるけど…泊まりの旅行でおやつ無しなんて考えられない
「この量はねえだろ探偵…俺を殺す気かよ」
ゴダイさんは駅まで続く道の途中で 前を歩く私たちに言った その目には恨みがこもっている
お菓子で一杯になった4つと旅行の着替えなどが入った1つ合計5つのリュックを持たされているゴダイさんのもっともな抗議は 心なしかいつもよりおとなしい
ネウロはそんなゴダイさんに向けて何事か言っているようだけどあの口が耳まで裂けている顔から察するに良からぬ事なのは間違いない
抑えなきゃとは思ったんだけど…ゴダイさんごめんなさい
そのせいで荷物を持つゴダイさんが苦労するのは分かるけど…泊まりの旅行でおやつ無しなんて考えられない
「この量はねえだろ探偵…俺を殺す気かよ」
ゴダイさんは駅まで続く道の途中で 前を歩く私たちに言った その目には恨みがこもっている
お菓子で一杯になった4つと旅行の着替えなどが入った1つ合計5つのリュックを持たされているゴダイさんのもっともな抗議は 心なしかいつもよりおとなしい
ネウロはそんなゴダイさんに向けて何事か言っているようだけどあの口が耳まで裂けている顔から察するに良からぬ事なのは間違いない
抑えなきゃとは思ったんだけど…ゴダイさんごめんなさい
そのとき私はポケットに入れていた携帯を取り出すと文字入力画面を開いた 携帯のストラップになっているあかねちゃんが落ち着き無く動くからだ
「どうしたのあかねちゃん?」
彼女は出てくるなり激しく動きながら時折ネウロのポケットの辺りを指し示している
それに気がついたネウロは私に小さな袋を渡して言った
「おお そうだったな ヤコ急いでこれを身に付けろ」
ネウロが渡してきた袋は近くの雑貨屋の名前が印刷されている 恐る恐るそれを開けると出てきたのは髪止めだった
桃をあしらったデザインはとても美味しそうで思わず口に入れたくなるほど…じゃなくて思わず着けてしまいたくなるような可愛さだ
だがくれた相手の事を考えるとうかつに身に着けるのは危険だと経験が言っている
「アンタがこんなもんくれるなんて不気味すぎて怖いんだけど…明日隕石とか降って来たりしないよね?」
髪止めとネウロを見比べる私に ネウロは何を勘違いしてか見当違いな話をはじめた
「隕石のかけらというのは売れば高い 物によっては同じ確率の宝くじ一等にも引けをとらん
もし落ちてくれば事務所の修理費を払ったとしても おつりが来るだろう だが…一攫千金を狙うつもりならもう少し確率の高い物を選んだらどうだ」
隕石についてのムダ知識は増えたけど 今私が知りたいのはそこじゃない
見かねたあかねちゃんが携帯の画面に文字を打ち込んで説明してくれた
「どうしたのあかねちゃん?」
彼女は出てくるなり激しく動きながら時折ネウロのポケットの辺りを指し示している
それに気がついたネウロは私に小さな袋を渡して言った
「おお そうだったな ヤコ急いでこれを身に付けろ」
ネウロが渡してきた袋は近くの雑貨屋の名前が印刷されている 恐る恐るそれを開けると出てきたのは髪止めだった
桃をあしらったデザインはとても美味しそうで思わず口に入れたくなるほど…じゃなくて思わず着けてしまいたくなるような可愛さだ
だがくれた相手の事を考えるとうかつに身に着けるのは危険だと経験が言っている
「アンタがこんなもんくれるなんて不気味すぎて怖いんだけど…明日隕石とか降って来たりしないよね?」
髪止めとネウロを見比べる私に ネウロは何を勘違いしてか見当違いな話をはじめた
「隕石のかけらというのは売れば高い 物によっては同じ確率の宝くじ一等にも引けをとらん
もし落ちてくれば事務所の修理費を払ったとしても おつりが来るだろう だが…一攫千金を狙うつもりならもう少し確率の高い物を選んだらどうだ」
隕石についてのムダ知識は増えたけど 今私が知りたいのはそこじゃない
見かねたあかねちゃんが携帯の画面に文字を打ち込んで説明してくれた
-オフ会の目印に桃のデザインの小物を身に付けて行くの 顔も知らない人達との待ち合わせだから-
なるほど 確かにみんなが同じ物を身に付けていれば分かり易いし
それが美味しそうな食べ物なら目ざとく見つけられる自信がある…って私だけか
「なんで桃なの?」
「サーバーの名前に由来しているらしい 他に{栗}と長期プレイ用の{柿}がある」
ネウロが話に割って入ってきた もう一つの袋から出したであろう 桃のネクタイピンがいつの間にやら 首に巻いてあるストールに収まっている
どうやら話してる間に着けたらしい 私はあかねちゃん付きの携帯をポケットにしまいながら言った
「ふーん 桃栗三年柿八年…だっけ?」
私は髪止めに仕掛けがないか警戒しつつ 駅前の店のガラスに映った自分を見ながら髪止めを付ける
ピンク色でけっこう大きいそれはきっと遠目からでも目立つだろうなぁ…なんて思っていると後ろから見知らぬ人の声がした
「あの…もしかして桃栗人狼オフ会の参加者ですか?」
振り向くと声を掛けてきたのは人懐っこそうな若い女性だった 短く整えられた髪に品のいい帽子が乗り 桃の装飾が顔をのぞかせている
連れであろう桃のブローチを着けた長髪の少女が離れたところから伏し目がちに こちらの様子をうかがっていた
「そうですよ」
笑顔で答えた私に彼女は嬉しそうに手を動かしてこたえた
「ああやっぱり!旅は道連れって言いますし良かったら一緒にいきましょうよ!」
なんでこの人はこんなに喜んでるのかと観察してみると その視線はネウロの方に向いている…まあ見た目は良いからね
「私のハンネはくらら この子はあきらです」
彼女は連れに手招きすると私たちに紹介したが 彼女はお辞儀をするとさっさと後ろに隠れてしまった
その一瞬左手首に黒いリストバンドをつけているのが目に入る
「この人はドラム缶先生で 僕は助手です そしてあちらでへばっているのが先生の荷物持ちです」
無駄な労力かけすぎだろ!
嫌がらせとしか思えないハンネに私は心の中でツッコミを入れるしかなかった
それが美味しそうな食べ物なら目ざとく見つけられる自信がある…って私だけか
「なんで桃なの?」
「サーバーの名前に由来しているらしい 他に{栗}と長期プレイ用の{柿}がある」
ネウロが話に割って入ってきた もう一つの袋から出したであろう 桃のネクタイピンがいつの間にやら 首に巻いてあるストールに収まっている
どうやら話してる間に着けたらしい 私はあかねちゃん付きの携帯をポケットにしまいながら言った
「ふーん 桃栗三年柿八年…だっけ?」
私は髪止めに仕掛けがないか警戒しつつ 駅前の店のガラスに映った自分を見ながら髪止めを付ける
ピンク色でけっこう大きいそれはきっと遠目からでも目立つだろうなぁ…なんて思っていると後ろから見知らぬ人の声がした
「あの…もしかして桃栗人狼オフ会の参加者ですか?」
振り向くと声を掛けてきたのは人懐っこそうな若い女性だった 短く整えられた髪に品のいい帽子が乗り 桃の装飾が顔をのぞかせている
連れであろう桃のブローチを着けた長髪の少女が離れたところから伏し目がちに こちらの様子をうかがっていた
「そうですよ」
笑顔で答えた私に彼女は嬉しそうに手を動かしてこたえた
「ああやっぱり!旅は道連れって言いますし良かったら一緒にいきましょうよ!」
なんでこの人はこんなに喜んでるのかと観察してみると その視線はネウロの方に向いている…まあ見た目は良いからね
「私のハンネはくらら この子はあきらです」
彼女は連れに手招きすると私たちに紹介したが 彼女はお辞儀をするとさっさと後ろに隠れてしまった
その一瞬左手首に黒いリストバンドをつけているのが目に入る
「この人はドラム缶先生で 僕は助手です そしてあちらでへばっているのが先生の荷物持ちです」
無駄な労力かけすぎだろ!
嫌がらせとしか思えないハンネに私は心の中でツッコミを入れるしかなかった