鬼塚は水道に茶葉を入れていた事が教頭にばれて、職員室に呼ばれていた。
「いいじゃないっすか~、生徒だって喜んでるんですよ?」
「鬼塚君!!!!そんな事言っても済まされないんですよ!!あ~我が校の品格が……」
そんな二人の間に冬月が仲立ちすることが多々ある。
「止めてください!もう。」
職員室での騒ぎもここまで来ると毎日の日課だと言っても過言ではない。
「失礼しま~す。」
ノックをして扉を開いたのは阿久津である。阿久津は獲物を視る肉食獣の様な眼で冬月を見つめる。
「どうしたの?阿久津君。」
「すみません、ちょっと教室まで来てくれませんか?」
冬月は阿久津につられるままに教室へと向かった……はずだった。
所が3-4組の教室には阿久津しか入ってこなかった。
「じゃ、俺はもう帰るからよ。」
「へ、お、おいちょっと。」
菊池の呼びかけにも応じず、阿久津は鞄を右手に持ち教室を出る。
阿久津は校門の裏側に止めてあるバイクの傍らに横たわっている冬月を視ながら微笑む。
「ククク、先週の日曜に必要な情報は全部集めてんだ。今日がアイツの命日よ!!」
後ろに気絶した冬月を乗せて阿久津は校門を出て行く。その様子を生徒達が見ていた。
「おい、アイツなにする気だよ!!」
「分からない、だが…放ってく訳にもいかないだろう。」
菊池、村井、藤吉、草野の三人が急いで教室を出る。廊下でそれを見かけた鬼塚が四人を追いかける。
「おい、お前等!!何やってんだ!!」
四人は鬼塚に状況を説明する。冬月が拉致された等という話を聞けば鬼塚が黙っているはずがない。
鬼塚は、阿久津を探しに校門を出た。
一方阿久津は冬月を連れてマンションの一室の前で立ち止まる。
「ククク、ハハハハハハ!!!」
阿久津が笑いながらインターホンを押すと、現在生徒に暴力を振るった事で停職中の勅使川原優が返答した。
「どちら……」
「俺ですよ、勅使川原先生、阿久津です。」
名前を聞いた瞬間、勅使川原は身が凍りついた様に動かなかった。
「開けて下さいよ、先生。じゃねーとアンタの好きな冬月って新任教師、耳辺り切れちゃうよ♡」
「な、なんだとぉ!!!」
勅使川原は包丁を持ってドアを開ける。そこには頬にカッターを突き付けられながら気絶している冬月と笑っている阿久津がいた。
「き、貴様~~!!!!!」
包丁を阿久津に突きつけ、突進するが阿久津に足を蹴られる。
「この前道歩いてたらこの女の名前をずっと呼んでたからな、人質ぐらいにはなるだろう。」
阿久津は冬月を手から離し、勅使川原を殴り続ける。
「アンタ、一年前に何したか、覚えてるよな、なあ、勅使川原家の落ちこぼれ君よぉ。」
殴られた左目を抑えながら勅使川原は部屋の中へ逃げる。
しかし阿久津はそれでも中に入り、勅使川原を追い詰めてきた。
「く、こ、このやろー!!!!俺は東大出のエリートだぞ!!!貴様みたいな低俗な不良とは、ちがぶふぇ!!」
無表情で阿久津は勅使川原を蹴り続ける。殺しても可笑しくない勢いである。
一方ようやっと目が覚めた冬月はいきなり知らない家の玄関の開いている部屋を目の当たりにすれば、誰でも驚くだろう。
そして偶然そのマンションの下から鬼塚は冬月を見つけた。
「冬月ちゃ~ん!!!」
「鬼塚君!!」
急いで鬼塚は階段を駆け上がる。それと同時に全裸の勅使川原が玄関を飛び出してくる。
「キャ~~~~!!!!!!」
全裸の男が目の前に近づき、思わず絶叫する冬月。勅使川原は呆然としていた。
追うようにして阿久津が勅使川原の首を掴む。そこに、鬼塚も到着する。
「な、なんじゃこりゃあ!!!」
鬼塚は阿久津の方を向く。
「テメエ、こりゃ一体どういう事なんだよ!!」
鬼の形相で阿久津を睨む。
すると阿久津はライターの火を灯しながら、鬼塚を見る。
「死刑執行♡」
全裸の勅使川原が瞬く間に火を纏う。
「ハハハハ、せめて最後ぐらい華やかに散ったらいいんじゃねえのか!?落ちこぼれ君。」
「あがああああああああああ!!!!!!」
「いやああああああ!!!!!」
冬月が叫ぶ。火の勢いはどんどん早まり全身に回りそうである。
と、鬼塚が毛布を急いで勅使川原に被せながら火の勢いを殺していく。
処置が間に合い、何とか半身火傷ですんだが、阿久津は気に入らないと言わんばかりに勅使川原を睨む。
「邪魔しやがったな?鬼塚……」
「自分が何してっか分かってんのか!?」
すると阿久津は鬼塚を殴った。
「上等だよ、コラア!!!!」
マンションでいきなり殴り合いを始める二人。最早女性が割って入れるような状況ではない。
どこから持ってきたのかバールで鬼塚の頭を叩く阿久津。当たり所が悪ければ死んでもおかしくない一撃である。
鬼塚も阿久津の下半身を思い切り蹴る、蹴る、蹴る。
教師と生徒の喧嘩は殺し合いの要素を含んできた。
「ドタマかち割ってやんよ鬼塚ァ!!!」
「テメエエエエ!!!!」
阿久津が鬼塚を蹴ると鬼塚は阿久津の顔面を壁にぶち当てる。全くの互角である。
阿久津は服を脱ぎ捨てて鬼塚を殴る。その時冬月は阿久津の背中を見た。
「な、何これ……」
冬月の眼に映った阿久津の背中は、一面に、一切光が無いような、漆黒の天使が描かれた刺青だった。
「死んじまえやああ!!!」
二人は共に顔面を殴り合い、共に倒れた。
「鬼塚先生!!」
冬月は急いで鬼塚に近寄る。傍らで阿久津が立ちあがる。
「くっ次だ、次やった時が、テメエの最後だって伝えとけや!」
そう言い残し、阿久津は去って行った。
「いいじゃないっすか~、生徒だって喜んでるんですよ?」
「鬼塚君!!!!そんな事言っても済まされないんですよ!!あ~我が校の品格が……」
そんな二人の間に冬月が仲立ちすることが多々ある。
「止めてください!もう。」
職員室での騒ぎもここまで来ると毎日の日課だと言っても過言ではない。
「失礼しま~す。」
ノックをして扉を開いたのは阿久津である。阿久津は獲物を視る肉食獣の様な眼で冬月を見つめる。
「どうしたの?阿久津君。」
「すみません、ちょっと教室まで来てくれませんか?」
冬月は阿久津につられるままに教室へと向かった……はずだった。
所が3-4組の教室には阿久津しか入ってこなかった。
「じゃ、俺はもう帰るからよ。」
「へ、お、おいちょっと。」
菊池の呼びかけにも応じず、阿久津は鞄を右手に持ち教室を出る。
阿久津は校門の裏側に止めてあるバイクの傍らに横たわっている冬月を視ながら微笑む。
「ククク、先週の日曜に必要な情報は全部集めてんだ。今日がアイツの命日よ!!」
後ろに気絶した冬月を乗せて阿久津は校門を出て行く。その様子を生徒達が見ていた。
「おい、アイツなにする気だよ!!」
「分からない、だが…放ってく訳にもいかないだろう。」
菊池、村井、藤吉、草野の三人が急いで教室を出る。廊下でそれを見かけた鬼塚が四人を追いかける。
「おい、お前等!!何やってんだ!!」
四人は鬼塚に状況を説明する。冬月が拉致された等という話を聞けば鬼塚が黙っているはずがない。
鬼塚は、阿久津を探しに校門を出た。
一方阿久津は冬月を連れてマンションの一室の前で立ち止まる。
「ククク、ハハハハハハ!!!」
阿久津が笑いながらインターホンを押すと、現在生徒に暴力を振るった事で停職中の勅使川原優が返答した。
「どちら……」
「俺ですよ、勅使川原先生、阿久津です。」
名前を聞いた瞬間、勅使川原は身が凍りついた様に動かなかった。
「開けて下さいよ、先生。じゃねーとアンタの好きな冬月って新任教師、耳辺り切れちゃうよ♡」
「な、なんだとぉ!!!」
勅使川原は包丁を持ってドアを開ける。そこには頬にカッターを突き付けられながら気絶している冬月と笑っている阿久津がいた。
「き、貴様~~!!!!!」
包丁を阿久津に突きつけ、突進するが阿久津に足を蹴られる。
「この前道歩いてたらこの女の名前をずっと呼んでたからな、人質ぐらいにはなるだろう。」
阿久津は冬月を手から離し、勅使川原を殴り続ける。
「アンタ、一年前に何したか、覚えてるよな、なあ、勅使川原家の落ちこぼれ君よぉ。」
殴られた左目を抑えながら勅使川原は部屋の中へ逃げる。
しかし阿久津はそれでも中に入り、勅使川原を追い詰めてきた。
「く、こ、このやろー!!!!俺は東大出のエリートだぞ!!!貴様みたいな低俗な不良とは、ちがぶふぇ!!」
無表情で阿久津は勅使川原を蹴り続ける。殺しても可笑しくない勢いである。
一方ようやっと目が覚めた冬月はいきなり知らない家の玄関の開いている部屋を目の当たりにすれば、誰でも驚くだろう。
そして偶然そのマンションの下から鬼塚は冬月を見つけた。
「冬月ちゃ~ん!!!」
「鬼塚君!!」
急いで鬼塚は階段を駆け上がる。それと同時に全裸の勅使川原が玄関を飛び出してくる。
「キャ~~~~!!!!!!」
全裸の男が目の前に近づき、思わず絶叫する冬月。勅使川原は呆然としていた。
追うようにして阿久津が勅使川原の首を掴む。そこに、鬼塚も到着する。
「な、なんじゃこりゃあ!!!」
鬼塚は阿久津の方を向く。
「テメエ、こりゃ一体どういう事なんだよ!!」
鬼の形相で阿久津を睨む。
すると阿久津はライターの火を灯しながら、鬼塚を見る。
「死刑執行♡」
全裸の勅使川原が瞬く間に火を纏う。
「ハハハハ、せめて最後ぐらい華やかに散ったらいいんじゃねえのか!?落ちこぼれ君。」
「あがああああああああああ!!!!!!」
「いやああああああ!!!!!」
冬月が叫ぶ。火の勢いはどんどん早まり全身に回りそうである。
と、鬼塚が毛布を急いで勅使川原に被せながら火の勢いを殺していく。
処置が間に合い、何とか半身火傷ですんだが、阿久津は気に入らないと言わんばかりに勅使川原を睨む。
「邪魔しやがったな?鬼塚……」
「自分が何してっか分かってんのか!?」
すると阿久津は鬼塚を殴った。
「上等だよ、コラア!!!!」
マンションでいきなり殴り合いを始める二人。最早女性が割って入れるような状況ではない。
どこから持ってきたのかバールで鬼塚の頭を叩く阿久津。当たり所が悪ければ死んでもおかしくない一撃である。
鬼塚も阿久津の下半身を思い切り蹴る、蹴る、蹴る。
教師と生徒の喧嘩は殺し合いの要素を含んできた。
「ドタマかち割ってやんよ鬼塚ァ!!!」
「テメエエエエ!!!!」
阿久津が鬼塚を蹴ると鬼塚は阿久津の顔面を壁にぶち当てる。全くの互角である。
阿久津は服を脱ぎ捨てて鬼塚を殴る。その時冬月は阿久津の背中を見た。
「な、何これ……」
冬月の眼に映った阿久津の背中は、一面に、一切光が無いような、漆黒の天使が描かれた刺青だった。
「死んじまえやああ!!!」
二人は共に顔面を殴り合い、共に倒れた。
「鬼塚先生!!」
冬月は急いで鬼塚に近寄る。傍らで阿久津が立ちあがる。
「くっ次だ、次やった時が、テメエの最後だって伝えとけや!」
そう言い残し、阿久津は去って行った。