ボブルの塔地下の戦いもついに大詰めを迎えている。
「もう貴様が逆転できる可能性はない。」
ジャミ目掛けて槍を突きつけるラーハルト、勝敗は誰の目にも明らかだった。
一方傷だらけのジャミ、呪文や息も通じず彼は倒されざるを得ない状況に追い込まれ発狂する。
「ゲマ様ー!!!!」
これが彼の最期の言葉だった。オリハルコンを斬り裂くハーケンディストールの前にはジャミと言えど耐える事は出来ない。
ラーハルトは二つに分かれた死体に背を向け歩き出す。
「ぐはぁ……」
エスタークの一撃により左腕を斬り飛ばされるゴンズ、切り口からは夥しい量の血が流れる。
「後悔しろ、最早お前に生き残る術はない。」
後退するゴンズ、追い詰めるエスターク、やけになりゴンズは右腕に持つ斧を振り回す。しかし、当たらない。
対照的にエスタークは攻撃を仕掛けない。その事がゴンズにとってより恐怖を与えていた。
『無理だ!!勝てない!!!』
今更ながらにゴンズはエスタークを襲った事に後悔する。しかし時既に遅し。もう彼は逃げる事は出来ない。
「くそーー!!!!!こうなったら、逃げるしかね……」
背を向けようとした瞬間立ち止まる。ゴンズにもプライドがないわけではない。
彼にもゲマの部下として闘い続けてきた歴戦の戦士、その誇りが(逃走)の二文字を(闘争)に変え、エスタークに向かい特攻する。
そんな彼の誇りも、眼の前にいる男はねじ伏せる。まるで草を摘む様に容易く。
一気に近づいたゴンズの心臓を貫く。雄叫びを上げる事も無くゴンズは逝った。
「ダイは無事だろうか、急がなければ。」
エスタークは先程感じた気配の元へ走り出す。
「もう貴様が逆転できる可能性はない。」
ジャミ目掛けて槍を突きつけるラーハルト、勝敗は誰の目にも明らかだった。
一方傷だらけのジャミ、呪文や息も通じず彼は倒されざるを得ない状況に追い込まれ発狂する。
「ゲマ様ー!!!!」
これが彼の最期の言葉だった。オリハルコンを斬り裂くハーケンディストールの前にはジャミと言えど耐える事は出来ない。
ラーハルトは二つに分かれた死体に背を向け歩き出す。
「ぐはぁ……」
エスタークの一撃により左腕を斬り飛ばされるゴンズ、切り口からは夥しい量の血が流れる。
「後悔しろ、最早お前に生き残る術はない。」
後退するゴンズ、追い詰めるエスターク、やけになりゴンズは右腕に持つ斧を振り回す。しかし、当たらない。
対照的にエスタークは攻撃を仕掛けない。その事がゴンズにとってより恐怖を与えていた。
『無理だ!!勝てない!!!』
今更ながらにゴンズはエスタークを襲った事に後悔する。しかし時既に遅し。もう彼は逃げる事は出来ない。
「くそーー!!!!!こうなったら、逃げるしかね……」
背を向けようとした瞬間立ち止まる。ゴンズにもプライドがないわけではない。
彼にもゲマの部下として闘い続けてきた歴戦の戦士、その誇りが(逃走)の二文字を(闘争)に変え、エスタークに向かい特攻する。
そんな彼の誇りも、眼の前にいる男はねじ伏せる。まるで草を摘む様に容易く。
一気に近づいたゴンズの心臓を貫く。雄叫びを上げる事も無くゴンズは逝った。
「ダイは無事だろうか、急がなければ。」
エスタークは先程感じた気配の元へ走り出す。
ダイとバーン、ダイが斬りかかりバーンが受け止める状況が続く。
その均衡もやがては崩れ始め、バーンがダイを追い詰めていく。その状況をバーンは不審に思っていた。
「何故変身しない?まさか変身せずとも余に勝てると抜かすのか?」
そう、ダイはかつて大魔宮での戦いや一度目のエスタークとの闘いで見せた竜魔人に近い姿にならずに戦っていた。
「ダイ、一体どうしたんだ!」
ポップがダイに叫ぶ、しかしダイが変身しない理由はポップやマァムにあった。
今までダイは本意ではないが世界を守る為と割り切り、双竜紋を一つにさせてきた。それは周りに仲間がいなかったからという事もあるだろう。
しかし今ダイは仲間に見守られた中で宿敵大魔王バーンと闘っている。
このままでは勝てないとダイは知りつつ、仲間が見ている前で(魔獣)の姿になりたくなかった。
『例えどんな姿だろうがダイはダイだ。』
大魔宮でのポップの言葉が脳裏に浮かぶ。一度は皆の前で変身を決意した。それでも大切な友の前で凶悪な姿を晒したくない。
勇者とはいえ若干十二歳。彼は友に恐怖を与える存在になりはしないかと危惧していた。ダイの中で変身をして世界を守るか、醜い姿を晒さないで闘うかというジレンマに苛まれていた。
「ふん、何に気を取られているのか分からないが攻撃に手応えが感じられない、余を楽しませる事が出来なければ、死ぬだけだ。」
見切りをつけた大魔王バーンはダイ目掛けてカラミティエンドを振り下ろす。
「や、やめろー!!!!」
ポップはダイの前に立ちメラゾーマをバーンに当てる。バーンにダメージはない。
マァムも閃華裂光拳でバーンを殴り付ける。
「ぬるい、大魔宮で闘った時はこんなものではなかったはずだ!!」
バーンが想定していた闘いと大きく違うこの現状、バーンにとってはとても不愉快な状況だろう。
『駄目だ、俺が変身しないで皆が傷つくなんて、我慢出来ない!!』
ダイは両手の紋章を輝かせる。
「まさか、竜魔人になるのか?」
バーンが身構える。かつて圧倒的な力の差を見せつけられ、自分も勝利の為に全てを捨てさせられたダイの本気。
それでも後退しないのは大魔王のプライドが許さない。
「ならば余も全身全霊を以て闘おうではないか!!」
大魔王バーン最強の技、天地魔闘の構えにポップとマァムは戦慄を覚える。
その時ダイの頭上で嘲笑っている魔族の存在を感知したのはバーンだけだった。
「ふん、この塔にいるのはミルドラースだと思っていたがな、四千年の間動きを見せなかったお前が現れるとはな、ゾーマよ。」
バーンの眼の先には、青い体、黒い頭の部分に第三の眼が付き、二本の角が頭の両側に付く。
「バ、バーンにそっくりじゃねえか!!!」
それがポップの最初の意見だった。
その大きなマントと衣の着こなし方がどことなく老人姿のバーンを思い浮かべる。
「どうした、今から殺し合うのではないのか?どちらかが、華々しく散る瞬間を見たかったが。」
どことなく冷たい声、その声にマァムは身震いした。
「高見の見物とはいい御身分だなゾーマ。お前の様な大魔王が勇者の頭上にいて無視できると思うか?相変わらず空気の読めない男だな。」
大魔王、その言葉にダイはオーディンが言っていた事を思い出す。
「もしかして、お前がこの世界を破滅させようとするものなのか?」
「世界を破滅というのは知らないが天界を滅ぼそうとは思っている。」
天界を滅ぼすという言葉を悪びれも無く語るゾーマ、スケールの大きさがバーンとよく似ている。
「神々は末永く生き続けている。私にはそれが我慢できない。生あるものは死ぬ一瞬がとても美しい。
神々がこれからも醜く生き続けようとするならば裁きを下す事が我が勤め。
生にしがみつき、太陽を独占している神々は滅びなければならない。」
余りにも思考の似通っている二人、しかしそれだけに仲がいいという事はない。
ゾーマはダイを見やる。
「そんなに睨まんでもいい。この地上を破壊する気はない。ただ、勇者とそこの男の闘いを見たかっただけだ。」
小馬鹿にしたような態度でバーンはゾーマを見る。
「千年前からお前とは折が合わないがな。今回の決闘を邪魔した事は余も笑って許せる範囲を超えている。
「宿敵の死に様を見物しに来ただけだがな…貴様には千年前に付けられた胸の傷の借りがあるからな。」
「ならばお前がかかって来い。」
大魔王二人が闘気を放出する中ダイが二人の仲を割って入る。
「どっちにしたってお前達がこれからやる事は解ってるんだ。地上の爆破や天界の滅亡…
そんなこと、絶対にさせない!!!」
ダイの両腕の紋章が光る。二つの紋章が一つに……
直後ダイの顔面にメラゾーマが叩き込まれる。
「小僧、大魔王ゾーマを相手にするという事がどういう事か教えてやろうか。」
「くっ。」
「ハハハハ、感情的になりやすいのも相変わらずか。個人的にはお前に手を出さないでもらいたいがな。」
バーンはゾーマを見て嘲笑っていた。
「不愉快だな、帰らせてもらおう。小僧、また会おう。」
ゾーマはそのまま消えていった。
その均衡もやがては崩れ始め、バーンがダイを追い詰めていく。その状況をバーンは不審に思っていた。
「何故変身しない?まさか変身せずとも余に勝てると抜かすのか?」
そう、ダイはかつて大魔宮での戦いや一度目のエスタークとの闘いで見せた竜魔人に近い姿にならずに戦っていた。
「ダイ、一体どうしたんだ!」
ポップがダイに叫ぶ、しかしダイが変身しない理由はポップやマァムにあった。
今までダイは本意ではないが世界を守る為と割り切り、双竜紋を一つにさせてきた。それは周りに仲間がいなかったからという事もあるだろう。
しかし今ダイは仲間に見守られた中で宿敵大魔王バーンと闘っている。
このままでは勝てないとダイは知りつつ、仲間が見ている前で(魔獣)の姿になりたくなかった。
『例えどんな姿だろうがダイはダイだ。』
大魔宮でのポップの言葉が脳裏に浮かぶ。一度は皆の前で変身を決意した。それでも大切な友の前で凶悪な姿を晒したくない。
勇者とはいえ若干十二歳。彼は友に恐怖を与える存在になりはしないかと危惧していた。ダイの中で変身をして世界を守るか、醜い姿を晒さないで闘うかというジレンマに苛まれていた。
「ふん、何に気を取られているのか分からないが攻撃に手応えが感じられない、余を楽しませる事が出来なければ、死ぬだけだ。」
見切りをつけた大魔王バーンはダイ目掛けてカラミティエンドを振り下ろす。
「や、やめろー!!!!」
ポップはダイの前に立ちメラゾーマをバーンに当てる。バーンにダメージはない。
マァムも閃華裂光拳でバーンを殴り付ける。
「ぬるい、大魔宮で闘った時はこんなものではなかったはずだ!!」
バーンが想定していた闘いと大きく違うこの現状、バーンにとってはとても不愉快な状況だろう。
『駄目だ、俺が変身しないで皆が傷つくなんて、我慢出来ない!!』
ダイは両手の紋章を輝かせる。
「まさか、竜魔人になるのか?」
バーンが身構える。かつて圧倒的な力の差を見せつけられ、自分も勝利の為に全てを捨てさせられたダイの本気。
それでも後退しないのは大魔王のプライドが許さない。
「ならば余も全身全霊を以て闘おうではないか!!」
大魔王バーン最強の技、天地魔闘の構えにポップとマァムは戦慄を覚える。
その時ダイの頭上で嘲笑っている魔族の存在を感知したのはバーンだけだった。
「ふん、この塔にいるのはミルドラースだと思っていたがな、四千年の間動きを見せなかったお前が現れるとはな、ゾーマよ。」
バーンの眼の先には、青い体、黒い頭の部分に第三の眼が付き、二本の角が頭の両側に付く。
「バ、バーンにそっくりじゃねえか!!!」
それがポップの最初の意見だった。
その大きなマントと衣の着こなし方がどことなく老人姿のバーンを思い浮かべる。
「どうした、今から殺し合うのではないのか?どちらかが、華々しく散る瞬間を見たかったが。」
どことなく冷たい声、その声にマァムは身震いした。
「高見の見物とはいい御身分だなゾーマ。お前の様な大魔王が勇者の頭上にいて無視できると思うか?相変わらず空気の読めない男だな。」
大魔王、その言葉にダイはオーディンが言っていた事を思い出す。
「もしかして、お前がこの世界を破滅させようとするものなのか?」
「世界を破滅というのは知らないが天界を滅ぼそうとは思っている。」
天界を滅ぼすという言葉を悪びれも無く語るゾーマ、スケールの大きさがバーンとよく似ている。
「神々は末永く生き続けている。私にはそれが我慢できない。生あるものは死ぬ一瞬がとても美しい。
神々がこれからも醜く生き続けようとするならば裁きを下す事が我が勤め。
生にしがみつき、太陽を独占している神々は滅びなければならない。」
余りにも思考の似通っている二人、しかしそれだけに仲がいいという事はない。
ゾーマはダイを見やる。
「そんなに睨まんでもいい。この地上を破壊する気はない。ただ、勇者とそこの男の闘いを見たかっただけだ。」
小馬鹿にしたような態度でバーンはゾーマを見る。
「千年前からお前とは折が合わないがな。今回の決闘を邪魔した事は余も笑って許せる範囲を超えている。
「宿敵の死に様を見物しに来ただけだがな…貴様には千年前に付けられた胸の傷の借りがあるからな。」
「ならばお前がかかって来い。」
大魔王二人が闘気を放出する中ダイが二人の仲を割って入る。
「どっちにしたってお前達がこれからやる事は解ってるんだ。地上の爆破や天界の滅亡…
そんなこと、絶対にさせない!!!」
ダイの両腕の紋章が光る。二つの紋章が一つに……
直後ダイの顔面にメラゾーマが叩き込まれる。
「小僧、大魔王ゾーマを相手にするという事がどういう事か教えてやろうか。」
「くっ。」
「ハハハハ、感情的になりやすいのも相変わらずか。個人的にはお前に手を出さないでもらいたいがな。」
バーンはゾーマを見て嘲笑っていた。
「不愉快だな、帰らせてもらおう。小僧、また会おう。」
ゾーマはそのまま消えていった。