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江田島はのび太の対面だった。上家はアカギ、下家はドラえもんで、麻雀の強い
二人に挟まれているのでとても居心地が悪い。正面ののび太がたまらなくバカなの
も余計にイライラする。でも配牌がよかったので全部許しちゃう。
「これがワシの実力じゃー!」
4巡目江田島、三筒ツモ。
二二二六七(23456789)中
「これがワシの捨て牌じゃー!」
江田島、打中。ドラは二萬なので、リーチをかけてイッツーがつけばハネ満まで
いく。ドラえもんが八索を切って、のび太のツモ番が回ってきた。
「おりゃ!」
4巡目のび太、二萬ツモ。
二三四(12378)134ニンジン トウモロコシ グリーンピース
三色になりそうでならない。一索を残しているあたりが優柔不断ののび太らしい。
右端の3牌はのび太の好物のミックスベジタブルだ。
「ドラミちゃーん! どれ切ったらいーのー!」
「のび太さん、三色とミックスベジタブル、どっちが好き?」
「もちろんミックスベジタブルさ!」
「それじゃあ三色の牌はいらないから切っちゃいまショー!」
「はーい! これとこれ!」
のび太、打二萬と三萬。また1牌足りなくなったがトウモロコシを1個足して元に
戻った。
「ククク……」
5巡目アカギ、南ツモ切り。そして次の江田島、一筒ツモ。
二二二六七(123456789)
「おどれら全員死にさらせー!」
のび太が二萬を切っていて、アカギは南をツモ切った。江田島、打二萬でリーチ。
「ロン」
三四五五(234)223344
「タンピン三色イーペードラ1。18,000点」
アカギ、江田島の二萬をロン。つまりのび太の二萬を見逃して江田島を狙い撃ち
したのだが、それは江田島にとって予想の範囲内であった。
「クルクルチェーンジ!」
江田島は床を蹴って飛び上がった。のび太もつられて飛び上がって、空中でクル
クルと回りながら交差した。部屋の隅でエロ雑誌を読んでいた烈海王がそれを見て、
目をキラキラさせて立ち上がった。烈海王は中国武術の達人で、中国の武術大会で
のび太と知り合った。のび太がなぜ中国にいたかというと、どこでもドアで密入国
したからだ。
「あれれー! ボクの点棒が少なくなっちゃったー!
江田島はのび太の席、のび太は江田島の席に着地した。のび太は何が起こったの
かまったく分かっておらず、メガネを前後に激しく動かしながら点箱を見ている。
江田島がクルクルチェンジと叫んでジャンプすると、指名された相手も自分の意志
とは関係なくジャンプして、江田島と位置が入れ替わってしまうという恐ろしい必
殺技である。満員電車で席に座りたい時によく使う。
「わははははー! ワシの点棒はほれこのとーり!」
江田島は豪快に笑いながら点箱を開けた。点箱の中身は山盛りのミックスベジタ
ブルだった。江田島は静かに点箱を閉めた。
「トリプルクルクルチェーンジ!」
そしてもう一度ジャンプした。今度はのび太とドラえもんと烈海王がジャンプし
て、四人が十字に交差した。
「破ー!」
はじめに烈が卓の上に着地した。鍛え抜かれた烈の立ち姿を電灯の光が照らし、
それは古代のブロンズ像のように美しかった。
「貴様は全然関係ないんじゃー!」
「どぱるでゅー!」
江田島のローリングソバットで烈海王は銀河まで吹っ飛んだ。江田島はドラえも
んの席、ドラえもんはのび太の席、のび太は江田島の席に着地した。今の席順はア
カギ、のび太、江田島、ドラえもんということになる。江田島にとってはアカギか
ら離れて点棒も復活して、文句なしのチェンジだった。
「どうじゃ貴様ら! ワシのクルクルチェンジに不可能はないんじゃ!」
江田島は大得意の顔でアカギをビッと指さして叫んだ。隣で烈も同じような顔で
アカギをビッと指さしている。いつの間にか戻ってきていた。
「いくらワシが振り込んでも、クルクルチェンジでぜーんぶチャラじゃ! 貴様ら
の勝ち目は万に一つもないんじゃ!」
「どうしてアカギさんとはクルクルチェンジしないのさ」
「こいつはノリが悪いからイヤじゃ」
「ククク……」
「じゃあアカギさん以外が全員とんだらどーすんの?」
「別の卓から新しい点棒を持ってくるわい」
「ふーん。点棒ってそんなにいっぱいあるんだねー」
無敵のクルクルチェンジ、ノリの悪いアカギ、そしていやに静かなドラえもん。
江田島店長、大フィーバーの予感!
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