「七クロ 54-3」(2008/02/11 (月) 01:17:04) の最新版変更点
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「ク、クソ、隊長達がやられちまったぞ!」
「ど、どうするよ?」
「どうするって言われても……」
「お、お前ら、あ、慌てるんじゃねえ!数的にはまだこちらが優位なのを忘れるな!」
「そうだ、敵はまだたったの五人じゃねえか。ビビることはねえ!」
「……いや、五人じゃないぜ。六人だ」
「何だと!?……ゴフッ」
「グフッ」「ゲフッ」「ガフッ」
「やれやれ、と……あれ、北斗達も来てたのか。やっぱ皆、同じような事、
考えてんだな」
「前田君!」
「前田じゃねえか!」
「おいおい、そんなに吃驚するなよ。助けに来るのはダチとして当然だ。
照れくせえぜ」
「いたの?」
「いたのか?」
「……相変わらずの扱いだな。お前らさ、それって俺用の挨拶か何かなのか?」
「凄い……砂漠で気付かれずに敵の背後まで忍び寄るなんて……この人、まるで
忍者ね」
「いや、別に隠れていたわけじゃないんだが……」
「フフフ、流石、前田君。伊達に忍者の末裔をやっていないね」
「やっぱり忍者だったの!」
「はい、彼は日ごろから忍としての鍛錬を惜しまず、影の薄さでは我が校で随一。
日頃、教室で彼の存在を気にするものが一人もいないほどです」
「……神山、変な設定を作り上げて楽しむのは止めてくれないか」
「ほら、見て下さい。ツッコんでいるそばから、もう存在が希薄に……」
「なるわけねえだろが!いるよ、ここに!」
「前田、天国から俺達を見守っていてくれよ……」
「影が薄いって、勢い余って死んでんじゃねえか!最早、忍者、関係ないだろ!」
「く、くそ、こいつら次から次へと……」
「わあ、助けてくれー!!」
「またか!今度は一体、何だ!」
「あ、怪しい、とにかく怪しい奴が……!!」
「怪しい奴!?」
「わあ、こっちに来た!」
「て、手を上げろ!」
「…………」
「あれ、言う通りに手を上げたぞ?見かけによらず、素直な奴だな」
「こいつも奴らの仲間なのか?」
「……いや、とても日本人には見えんが。というより、何処の国の人にも見えん」
「おい、そこの不逞外国人。なんか喋ってみろ」
「…………」
「わあ、離せこいつ!」
「と、突然暴れ出したぞ!助けてくれー!」
「……どうやらフレディーも来ているみたいだね」
「なんか大分ご立腹の様子だが」
「うむ、よくは分からんが、奴なりに傷ついたのだろう」
「気にしていたのか……しかし、これで皆揃ったのかな?」
ピピッガガッ
「!?」
「俺を忘れてもらっちゃ…ガガ…困るぜ」
「メ、メカ沢!」
「君まで来てくれたのか!しかし、大丈夫?調子が悪かったようだけど」
「ああ、義を見てせざるは勇なきなり…ガガと言うじゃジャねえか。
ちょっと調子が悪いからといって…ピガ、寝込んでばかりも…ピガガいられねえぜ」
「平気か?まだ大分悪そうに見えるぞ」
「へ、心配するな。ただ、ちょっと咳がな……ピガピガ」
「……少しも咳に聞こえないんだが、無理はするなよ」
「おう、面目ねえな。どうやら性質の悪い風邪にかかっちまったみたいだ。
そう言えば、細菌性の風邪は長引くらしいんだけど、ひょっとしてそれなのかな?」
「いや、絶対、ウイルスでしょ。君の場合それ以外はあり得ないよ」
「おお、神山、詳しいな。だったら、一安心……ガピーーーー」
「あ、システムがダウンした」
「何しに来たんだこいつ」
「さあ?」
「ああ、もう仕方が無えな。直してやるとするか……オラ!」
「あ、林田、蹴っちゃ駄目だ!!」
「え?」
ひゅるるるる……どっかーん!!
「ウギャー!!」
「ああ、だから止めろといったのに……」
「な、なんだこいつ、突然ミサイル発射したぞ」
「いやな、さっきも直そうとしたら今みたいにミサイルを発射したんだよ」
「……さっきの爆発はそれが原因だったのか」
「あのさ、君達、蹴りを入れる前に他に何かなかったの?」
「家の冷蔵庫はそれで直ったぞ……しかし、こいつ、本当に一体何なんだ?
コンセプトがさっぱり掴めん」
「そんなの、知らないよ。でも、今のミサイルで敵は全滅したみたいだね。
凄まじい破壊力だ」
「……う~む、よくぞ今の今までアメリカ軍に発見されなかったものだ」
「まさか、それが目的でクロマティー高校に紛れ込んでいたんじゃないよな?」
「その件についてはあまり深く考え無い方が……。まあ、とにかくこれで仲間が
揃ったってことだよ。大量破壊兵器なクラスメートも加わったことだし、なんとか
希望は見えてきたかな」
「おう!!それじゃあ、早速、敵の本拠地に乗り込むとしようぜ!」
「先手必勝ってやつだな。へへへ、この面子ならどんなのが相手でも
鼻クソ混じりでぶっ潰せるぜ!」
「林田君、それ言うなら『鼻唄』でしょ。変なもの混ぜないでよ……おっと、
でも、その前に。ねえ、君」
「え、何、私?」
「うん。君にちょっと頼みたい事があるんだ」
「それはいいけど……ただ、私だけ蚊帳の外ってのは止めてよね。そんなこと
言ったら、股間に凄いものを叩き込むわよ」
「……よく分からないけど、そんな物騒なこと止めようよ」
「で、頼みごとっていうのは?」
「他でもない。僕らの主君になってくれないだろうか?」
「え、主君!?」
「うん」
「『うん』って、そ、そんな気軽に言わないでよ」
「だって、君しか適役がいないもの」
「まさか!主君なんて大役、私に務まるわけがないじゃない。
股間に拳を叩き込むだけしか出来ないただの女の子に」
「いや、ただの女の子はそんなことしないと思うのだけど……」
「それに私は帯を取って女子をクルクルと回したりなんてしたくはないわ。
ましてや、敵方の頭蓋骨を杯にお酒なんて……駄目、あまりにもハードルが
高すぎる!」
「あのね、無駄に難易度上げないで。誰もそんなこと望んじゃいないんだから。
君にはいわゆるお殿様をやってもらえればそれでいいんだよ」
「どホモ様?それこそ無理よ。小姓相手のホモを女の子の私がどう営めと?
どホモな上に様まで付いてるってどんだけよ!」
「君の頭の方こそ、どんだけだよ。まあ、あながち間違っている訳でもないんだけど、
そういうのは殿様の趣味でやっているんであって、別に義務じゃないから」
「あ、そうなの?」
「……心なしか、がっかりしてない?」
「う、ううん。しかし、私に主君なんて出来るのかしら?」
「問題無い。お前が今までとってきた行動は俺から見ても主君にふさわしいもの
だったぞ」
「そ、そんな、私はただオアシスを守りたいだけで……」
「その気持ちこそが大事なんだ。主君、すなわちキング・オブ・サムライの魂とは
そういうものさ」
「お兄ちゃん……」
「まあ、無理にとは言わんが、俺らの願いを聞いてくれねえかな?サムライなのに
仕える相手がいないんじゃ格好つかねえよ」
「……うん、分かった。こんな私だけど、皆がそう言うなら主君をやらせてもらうわ!」
「そう、良かった。じゃあ、早速で悪いんだけど、初仕事をしてもらおうかな」
「初仕事?」
「簡単だよ、君の一番強い気持ちを言ってもらうだけでいいんだ。僕らがそれを
全力で叶えるから」
「一番…強い…気持ち・・…」
「ほら、遠慮するなよ」
「グスン……ありがとう。私、お兄ちゃん達に会えて本当に良かった……」
「さあ、お殿様が泣いてばかりいちゃ始まらないぜ」
「そうだよ。我ら七人のサムライにどうかご命令を!」
「……皆、お願い。オアシスを……私達のオアシスを守って!!」
「御意!!」
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