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「ジョジョの奇妙な冒険第4部―平穏な生活は砕かせない― 52-5」(2008/02/10 (日) 22:27:24) の最新版変更点
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ドドドドドドドドドドドドドドドド……
うるさい……只の耳鳴りだ………落ち着くんだ吉良吉影…。
一瞬『キラークイーン』を解除し……スタンドの周りの髪の毛から抜け出す。
そして出来るだけ素早く……再び発現させて私本体の髪の毛を……。
この女のスタンドは素早いが……『シアーハートアタック』で反応を遅らせれば希望はある…。
髪の毛数本なら入られても窒息はしない…小さい裂傷なら入れられるかもしれないが…。
「アナタは今、『シアーハートアタック』で攻撃しようとしている。」
…………………ハッタリだ。
「アナタが次に言うセリフは『おいおい、この状況で僕に何が出来るっていうんだい』よ。」
「おいおい、この状況で僕に………ッ!」
…………………嘘だ。
「戦った者の精神を受け継ぐ……ジョースターさんや露伴さん。
康一君……………彼の死を無駄にしない為。
そして康一君が何の為に死んだのか理解する為。
……アナタを殺すの。」
…………………このクソ女…何を!?
「以前の私だったら……彼を失った喪失感や怒りの為だけにアナタを殺したわ。
でも、今は違う……アナタは………私が彼の志(こころざし)を受け継ぐための試練。
さぁ、『シアーハートアタック』で攻撃してきなさい…アナタに味方する『運命』を打ち破るわ。」
落ち着け……落ち着くんだ吉良吉影!
心拍が上昇してるのが自分でも分かる…精神安定剤が切れたのか!?
違う……時間的にまだ効き目は残っている筈だ…追い詰められているッ!
完全に精神的に追い詰められた今…身体が安定剤なんて誤魔化しを無視しているッ!?
「どうしたの…腕だけで許して欲しいとでもいう気?
違うわね……『シアーハートアタック』を髪で受け止められることを心配している。
とてもパワフルなスタンドらしいけど……康一君は正面から止められたと言っていたわ」
……どうすればいい、どうすれば…。
「彼のスタンドって能力はスゴいけど…パワーはからっきし……。
『シアーハートアタック』が凄いのはキャタピラの巻き込む力と爆発だけ…違う?」
どうすればいいどうすればいい……どうすればいいんだ。
果てしない絶望に陥り、無意識に彼は爪を噛もうと動く筈のない腕をブルブルと震わせた。
無意識にしようとしていることが出来ない、そのもどかしさから歯をガチガチと鳴らした。
無論、これも無意識の出来事。だが吉良吉影は気付いてはいない…彼の頭の中は……。
どうしたらいい どうしようもない でもあきらめない
しあわせになるんだ どうしたらいい どうしようもない でもあきらめない
おちつきたい くちでガチガチとおとがうるさい どうしようもない でもあきらめない
諦めない諦めない諦めない諦めない諦めない諦めない諦めない諦めない諦めない諦めない諦めない諦めない
「……誰も」
口をゆっくりと開き始めた殺人鬼、彼の表情はいつもと変わらない。
平凡な会社員の顔、オールバックなのは少し派手かもしれないが極々真面目な男にしか見えない。
よくホラー表現に機械的に淡々と喋る…そんな表現が使われる。
今の彼は正にそれだったが、そんなに怖いものだろうか?
機械の音声を聞けばわかるが結構、間が抜けているしホラーの語り部は平静としているだけで声に強弱はつける。
眼の前の男から噴き出す、ドス黒い瘴気のような威圧感は語りからきているのではない。
『漆黒』、本物の『黒』、太陽は彼を照らしていたが彼の『瞳』には一片の輝きも届きはしなかった。
「誰も……生まれて持った『性』を押さえることなど………出来ない。
食欲、性欲、七つの大罪なんてあるが……人間は生きてるだけで罪人ってことだ…。
聖人って奴もどうせオナニーとかするんだろう……頭の中だけで済ませるのかな……。
聖なる河、ガンジーってのがエジプトあるらしいが…そこの信者はこっそり垂れ流してんじゃあないか?」
ドドドドドドドドド……
……聞こえる…あの音が…………。
だが、そんなの関係ないね………。
私は…勝って見せるぞ……争いは嫌いだが…。
勝つ。勝つ。勝つ。勝つ。
そして……幸せで、平穏で、退屈で、幸福で、誰一人として敵の居ない世界を築き上げる…。
「君はどうだい?由花子さん……だったかな…大方、今は亡き康一君で…。
フフ……その…女性に対して下品なんだが………『処理』とかしてるのかい?」
「やろっ…」
「テメェ―――――――――――――――――――ッッッ!」
玉美は横から聞こえた叫び声に恐怖し、一瞬ではあったが考えるのを停止した。
震える体に無理をさせ、隣を振り返ると再び思考を停止させた。
恐ろしかった、これが『本当に怒る』ということなのだろう。
なまじ中途半端な憎悪や悪意なんかではない、真の怒り。
少年時代に悪事を働き、親からビンタを受けることは多くの者が経験するだろう。
その時、例え痛みが大したことがなくとも、『怖い』と思ったのなら、
それは、きっと『本当に怒っていた』のだろう。
「許さないわ……ゲスなこと抜かしやがッてぇぇぇぇぇ!
その薄ら汚ねぇ――――チンボコ引っこ抜いてェェェ!
そっから内臓をかき混ぜつつ骨をへし折りながらテメェーの頭ぶち抜いてぇ!
腐った脳ミソをグチャグチャのミンチにしてやるぁぁぁ!!」
「この時だ……確かに私はシアーハートを使いたかった。
だが髪の毛で止められてしまう……今もそれは変わらない……。
君……気づいていたかな………無意識なのかな………私からの攻撃に備えてか…。
髪の毛の3分の1はガード用に取っておいたんじゃあないのかい?
今の君……『攻撃』されたら…すごく危ない状況に居るんだよ………。」
「……ハッ!?」
気付くと、彼女の胸元がへこんでいた。
彼女からは見えなかったが吉影には見えていた。
窪みの中心部には、猫の肉級のような痕がついていたのを。
そして後方へ吹き飛びながら吉良へと目を戻した彼女が見たのは、
髪の毛の呪縛を振り払い、自由になった『キラークイーン』
そして、その腹部から覗き込む、『草』の様な、『猫』の様な不思議な物体。
「……私も思いつかなかったよ。
『ストレイ・キャット』の空気弾をそのまま使うなんてね…。
一撃必殺の空気爆弾としてしか見てなかった……反省したよ。
そのまま撃てば『猫草』に全てを任せて撃てる…。
私の『意思』よりコイツの『野生の勘』って奴の方が当てになることもある……か。」
『ストレイ・キャット』は死んだ猫の発言させたスタンド能力。
草と同化し復活を遂げ、そして『空気』を操る能力を得た。
このスタンドの成長性を植物と同様に高いと睨んだ吉良だが、その通りであった。
「やはり…………『味方』だった……。
運命は…何処でも…何時でも……この吉良吉影の……。
最も信頼できる『味方』だァ――――――――――――ッ!!」
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