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「ジョジョの奇妙な冒険第4部―平穏な生活は砕かせない― 52-4」(2008/02/10 (日) 22:26:21) の最新版変更点
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まただ……モンゴルの騎馬民族が私のすぐ横で戦争真っ最中、とでもいうような耳に残るこのざわめき…。
極度の緊張から生まれるのか…あるいは恐怖から生まれる幻聴か……。
いずれにしても、この耳鳴りはしばらく止まないということは確かだ……。
ドドドドドド……
ゴゴゴゴゴゴ……
眼の前に立ち尽くし、私を睨みつける小柄な20代男性……。
頬に十字傷があるが、イマイチ貫禄のようなものは感じられない。
よく見れば大量の冷汗まで…見せかけだけの気の弱い男のようだ。
だが、その眼から感じられる怒りは本物だった。
この男……スタンド使いだとすれば………。
「そういえば…自己紹介がまだ……よね?私は山岸由花子。」
山岸…そうだ、康一のガールフレンド……調べはついていた…。
何故忘れていたんだ……雰囲気が違って見えたからか?
『シンデレラ』に続けて女のスタンド使いは無いという私の思い込みか?
失敗だった…自分から地雷を踏みに行ったようなものだったのか…。
「俺様はよぉ…オメェーに殺された康一殿の一の舎弟、小林玉美だ!
今から……この名前を冥途まで持ってくか、一生脅えて過ごすか選ばせてやる…。」
そういって腹部に一発だけ蹴りを入れると、スタンドに襲われるのが怖いのかすぐ由花子の後ろへと距離を置いた。
クッ…対して痛くはないが、『ジャン・フランコ・フィレ』のスーツが……。
川尻の安月給で買うには少し値が張るというのに…。
この男……いや、『心を読む』『頭で考えていることを読む』スタンドという可能性もある……。
余り深く考えすぎるな……今は精神安定剤の効果に期待するしかない…。
「それじゃあ……アナタ、川尻浩作の奥さんを本当に愛している?」
川尻しのぶ…!まさか……いや、考えられないことでは無かったが…。
精神に動揺が走るのが分かる……だが、同時に体に変化がないことも分かった。
脈拍は正常……汗も察して大量に噴き出てはいない…。
問題は……この男がどこまで私の『嘘』を見抜けるか、だ…。
この状態、機械ならば見抜くことは出来ないだろう。
だが、相手はスタンド使い…心や精神に関連することも見抜くかも知れない……。
尋問とは相手の動揺を誘う為、強制的にイエスかノーのどちらかで答えさせる筈……。
質問に条件を出さないということは…好き勝手に言っていいということだ…。
余程の自信があるのだろう……だが、相手はあの小僧…康一にベタ惚れ……。
愛を否定すればこの場で八つ裂きにされてしまう…言うしかない……ッ!
「あ……愛している…彼女と自分自身さえ良ければ……どうでもいいって程…」
どうだ?通るのか…この『嘘』は……!
少し驚いたような顔をする二人、もしや…。
「本当なのね……素晴らしいわ、愛のない人間は生きるに値しない…よく分かってるわね。」
「嘘だろ……こいつ…殺人鬼の癖に愛だとぉ?」
通ったぞ…!
私は賭けに勝った!
後の質問もこの調子で切り抜けられるッ!
「これなら信用してもいいかも知れないわね…じゃあアナタのスタンド能力を教えて。」
フーッ……心を落ちつけろ吉影…こいつのスタンド、確実に見抜くわけではない…。
嘘はつき通すことが可能だッ!精神安定剤の効果が切れる前に尋問を終わらせるッ!
「こ…康一君に聞いてないのか?『キラークイーン』、左手から爆弾を発射する……他に取り柄なんかない…。」
この女の反応を見る限りでは『第一の爆弾』はバレちゃあいないッ!
これで左手を警戒してグルグル巻きにするなり、縛り付けるなりするだろう。
右手への警戒は薄れる…その時がチャンス……。
だが…何故この女、溜息なんか……?
「………残念ね、やっぱり信用出来ないわ。」
………何故だ……?
何を言っているんだ…この女?
私にどこか一ヶ所でも、『不自然』な所があるか?
「テメーに掛けた『錠』がよ……浮き出て来たぜ…!」
胸元へと視線を送る、少し汚されたお気に入りのスーツ。
ちょっとした洒落っ気を出す為のドクロのネクタイ、シアーハートアタックに似ているのも気に入っている。
いつもと変わらない、自分自身の姿に…『不自然』な物体が引っ付いていた。
それが目に入った瞬間、あの音が聞こえ始めた………。
ドドドドドドドドドドドドド…
「なんだ…これは…南京錠……か…?」
何故…私の体に……こんな物が…いつの間にッ!?
「アナタのスタンド能力なんてお見通しだったのよ…川尻になる前に一度だけ、
康一君に能力を使うところを承太郎さんに見られていたんだから……。
深読みなんかしないで、普通に考えればよかったのに…私って正直な女なのよ?」
ブ……ブラフ……なにが正直だ……このクソ女にしてやられた……。
スタンドに気づいていない素振りで、私を試していたのか…。
「結構…間抜けなのね、私の髪に触ろうとピクピクしてる指は可愛かったんだけど……。
危ないから…もう引っ込めさせてもらうわね……。」
馬鹿な……悪夢としか思えない………。
この吉良吉影がミスを犯すなんて…。
お……終わりなのか…終わってしまうのか…ッ?
「でも……今のに引っ掛かったってことは、やっぱり愛しているのね。」
…こいつ……そういえば何故…?
私はしのぶを愛していると嘘をついた筈…。
「俺のスタンド、ザ・ロックは……『罪悪感』を持った相手に取りつく。
嘘をつくとき、そいつは必ず罪悪感を抱くもんだ……自分に嘘をついていることにもなるからな。
しかし…なんて小せぇ錠だ……人一倍、そういったもんを感じねー辺りはやはり殺人鬼だな…。」
嘘をつく時に罪悪感…私に錠がつかなかったのは……。
いや、今はそんなことはどうでもいい………。
この錠前……大きさは罪悪感の大きさで決まるのか…となると重量も…。
まずい……今は通販の鉛のリストバンド程度にも感じないが…これを小さいとすれば危険だ……。
肉弾戦になれば有利なのは私だが……その優位さえも封じられてしまうッ…!
しかも、こいつには康一の時の様に射程距離があるかどうか…。
「残念だわ……本当に…愛を持った殺人鬼なんて、少しロマンチックだったのに……。」
どうする……殺されてしまうぞ……こうなれば一か八かに賭けるしか…!
間に合うか分からんが……第一にガードだ…守るのは脳でも身体でもなく……口…。
シアーハートアタックに視線を集中させ…キラークイーンで自分自身を守るッ!
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