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「涼宮ハルヒの正義 47-2」(2007/04/03 (火) 00:30:48) の最新版変更点
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――――――――――涼宮ハルヒの正義・2――――――――――
怪人探しという、今時の幼稚園児でも好んで行わないであろう情事を始めてから数十分後。
当たり前だが怪人なんてものは欠片すら見当たらない。
「ったく、どうすればいいのやら・・・。」
俺は『帰りたい気持ち』を脳内に溜め込みながら、憂鬱な表情で再度学校内を歩き始める。
「流石に・・・、帰るわけにはいかないんだよな・・・。」
まあ、こんな遊戯はさっさと放棄して家路に着くのが正常な判断であるが、SOS団のメンバー・・・。
いや、俺の場合はそうは行かない。
なぜなら、ここで怪人が見つからなかったらハルヒの機嫌が大変な事になるからだ。
これが普通の女の機嫌ならばいくら悪くなっても構いやしないのだが・・・。
何故かこの涼宮ハルヒという人物は、自分自身の思い通りに世界を構築する事が可能らしい。
そのため精神状態が地まで堕ちるものならば、この世が消滅―――何てこともありえるらしいのだ。
ある種ノストラダムス並の与太話である。
当然、俺はこういった与太話は信じないほうの人間だったのだが・・・・。
・・・・実際、色んな目に会ったし。
最近じゃあ、何だか俺の行動がハルヒの機嫌に大きく関わってきているとも言われたし。
逃げるにも逃げられん状況なのだ。
だから俺は仕方なく怪人探しなんかもしてる。
―――居るはず無いのに・・・。
「おっ!少年!何か憂鬱な顔をしているにょろね。」
その声が聞こえたのは、俺が再度美術室を調べようとした瞬間だった。
「あっ、鶴屋さん。どうも。」
俺の目の前に現れたのは、大きく出ている額が可愛らしい鶴屋さん。
彼女は一応SOS団の名誉顧問で、上級生の朝比奈さんと同じクラスの人だ。
しかし、あいかわらず『にょろ』の意味が分からない。
ま、どうでもいいことだが。
「それにしても・・・、めがっさ良い所に現れてくれたね~。」
そう言って、鶴屋さんは心底嬉しそうな顔で俺の肩を乱暴に叩く。
一体、何の用なのだろうか?
「は、はあ・・・。そうですか。そういえば、鶴屋さんって美術部員でしたっけ?」
「いーや、何でそんなことを聞くん?」
「いえ、放課後に美術室周辺にいるのは普通美術部員ぐらいですし・・・。」
「ははっ!だったら、キョンくんも美術部員だね。」
全くそのとおりである。俺は何を聞いてんだか。
これでは好きな娘と必死に会話を続けようとしているチェリーボーイじゃないか。
いや、別に鶴屋さんが嫌いという訳ではないが・・・。
「っと。そうそう、キョンくん。今暇にょろ~?
・・・って、聞くまでも無いか。SOS団そっちのけでここに居るんだし。」
「あっ、いや、暇ではないんですよ。えーと、その・・・、実は・・・。」
俺は一瞬、自分の置かれている状況について話そうか躊躇する。
「んっ、何か用でもあるん?」
しかし俺の力では、これ以上事が進む事もないだろう。
それに鶴屋さんにはSOS団のイベントで何回も助力してもらっているし。
そうだな、うん。何か突破口が見つかるかもしれない。
「はい、実は涼宮の暴走で・・・。」
俺は半ば神頼みのような気持ちで、なるべく小声で鶴屋さんに事情を話すことにした。
・・・何だか、少し気持ちが楽になったのは気のせいだろうか?
―――で、その神頼みの結果な訳だが・・・。
「いや~、めがっさ似合ってる!私の見立てどおりだ!うん!
丁度うちのクラスの演劇部員の子が、次のお芝居にやる怪人役を探していてね~。
正にグットタイミングって奴さ!この着ぐるみを貸す代わりに、今度のお芝居は出るんだにょろ!」
どうやら神というのは相当俺のことが嫌いらしい。
「さて・・・、君の名前だが・・・。」
「ふぐ!ふぐ!(俺は!俺は!)」
いや、無い物は創ってしまえば良いという考えは否定しないが・・・・。
「怪人キョン吉にょろ!!」
「ふぐふぐ~~!!(神なんて信じないぞ~~!!)」
はあ・・・、やれやれ・・・。
――――――――――涼宮ハルヒの正義・3――――――――――
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