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第一話
最悪の冬休みの始まり
のび太達がシルク・ド・フリークを見た7月から五ヵ月後の12月
冬の東京都練馬区ススキが原
この街は現在日本一治安の悪い所なのかも知れない。
朝、散歩をする老人もいなければ夕方に外で遊ぶ子供もいない
小学生から高校生まで集団で警察同伴の登下校が規則になった
事の始まりは7月の終わり頃
小学四年生の男子生徒の行方不明から始まった
必死の捜索にもかかわらずその男子児童は発見されなかった
そしてその頃から年齢性別、交友関係など共通事項は無くススキが原の住人合計42名が行方不明になった
10月の中旬頃
最初の行方不明者だった小学生が深夜に倒れている所を保護された
検査の結果全くの健康体、目立った外傷も無く精神状態も安定していたので数日で退院
数日して男子児童に警察が事情聴取が行われる予定だったが
男子児童はなぜか生の肉を食べたがり、外にぬけだしては肉屋の生肉を見つめるようになった
その後男子児童は精神病院に入院したが数日後病院を脱走し行方不明になる。
数日後、今度は同じく行方不明中だった男子中学生が夜の道を怯えているように歩いているところを保護された。
その中学生は入院中「血」もしくは「悪魔」その二つしか発言せず
そのまま数日が立ったある日、倒産され潰れた会社の廃ビルの場所を事情聴取のために訪れた刑事に話した。
そこに駆けつけた警察が見たものは捜索願が出された行方不明者41名中34名の死体、死因はすべて体中の血を抜かれた出血死
しかもその死体の中には内臓が取り出された者や激しい暴行を受けた後がある死体もあり事件の異常性を示していた。
警察は大量無差別殺人事件と認定、本格的な対策本部を設置し
住民に対する説明会や行方不明者の捜索、パトロールの強化等を行いその成果もあってか一時的に行方不明者の増加を抑えたが
11月中旬、男子中学生は首を吊って自殺
その後警察の必死の捜査を嘲笑うかのように行方不明者が激増
12月15日現在ススキが原及びその付近の住人の行方不明者は47名となっていた。
「皆さん今日も警察の方達と一緒に真っ直ぐ帰ってその後はちゃんと家にいるよ~に!!
冬休みだからと言って外で一人ではなるべく遊ばないでください!!暗くなる前に家には帰るように!!ではさよ~なら」
○×小学校5年3組のび太達の担任の先生はそう大声で教室の生徒達に告げた
このクラスからも行方不明者は1人出ており、やはり心配なのだろう。
しかも今日から冬休みの為先生の口調が強くなるのを生徒達は感じていた。
さて下校中、警察官数人に囲まれて二列で何十人の生徒達が通学路を歩いている。
その一角にのび太達一同はいた
「あ~あ、外に遊びにいけないだなんてふざけんじゃねぇつ~の、おかげで毎日店番ばっかり、ホント嫌になるぜ」
ブツブツと愚痴をこぼすジャイアン
「仕方ないわよ、行方不明者が何人も出ているんですもの・・・。」
そう落ち込み気味で言うしずか
「それにしてもスネオの奴どうしたんだろ?今日学校来てないし心配だな~」
「あら?のび太さん、知らないの?スネオさんは今日風邪で休んでるそうよ。」
「え?そうだったの?」
「のび太は相変わらず馬鹿だな~」
そう言いながら笑うジャイアンに顔を膨らませるのび太
そこでしずかとジャイアンは立ち止まる
「じゃあ私はここで違う道だからいくわね。」
「あ・・・俺もここでお別れだな」
「バイバイ~今日また電話するよ~!!」
そういいながら手を振って警察の人に囲まれて三人は別々の帰路に着いた
それからしばらくして
「じゃあのび太君さよ~なら」
引率していたガッチリとした体格の30台半ばぐらいの男の警察の人がそう言いながら手を振ってのびたの家の前から去った
家の距離上でのび太は家に帰るのは一番最後なので引率の人とはそれなりに仲良くなッていたのだ。
「は~い、おじさんも気を付けてください」
そう言いながら男の背中に向けて手を振ればのび太は家の中に入り
階段を登りのび太の部屋の戸を開けるすると、
「やぁのび太君おかえり」
そう言いながらのび太を出迎えたのはドラえもんだ
「ただいま、ドラえもん、それにしても冬休みなのに外に出られないなんて嫌だな・・・・。」
「仕方ないよのび太君、こんなときに外に出て殺されちゃたら元も子もないんだから・・・。
僕は今日から工場に検査に行かないといけないから僕が帰ってくるまではパパさんとママさんの言う事をちゃんと聞くんだよ?」
実はドラえもんはのび太に電源を落とされて以来どうにも調子が悪く検査を受ける事になっていたのだ
「それはちゃんと分かってます」
「それと万が一に備えて一応この非常呼び出しブザー渡しておくから何かあったら絶対押す事、わかった?」
「わかってるよ!!ドラえもんは相変わらず心配性なんだから」
そう言いながらヘラヘラ笑うのび太にドラえもんは少々怒気を混ぜながら
「のび太君!!僕は君に死んで欲しくない!!だから万全の準備をしておきたいんだ!!それを君は分からないのか!!」
と大声で叫んでいた。流石にこれにはのび太も驚いて
「ご・・・・ごめん・・・。ドラえもん・・・。」
少々萎縮した形でドラえもんに謝っていた。
それを見てドラえもんは自分が大声を出してしまった事に動揺していたが
「ううん・・・。僕の方こそ怒鳴ったりしてごめん・・・・。」
辺りに嫌な空気が流れ始める・・・。
「じゃあ・・・僕もういくね?」
「うん・・・。けど早く帰ってきてね・・・。ドラえもん・・・。」
「勿論だよ。のび太君」
そう言って笑って見せるとそのままドラえもんはタイムマシンで未来へと向かっていった。
それを見送ればのび太は
「さてじゃあ僕は昼寝でもするか・・・。」
そう言えば毛布を取り出して座布団を枕にして横になる事0.3秒、完全に熟睡していた
それから数時間後
時刻は午後9時を過ぎ日はすでに沈んでいる、事件の事もあるので夜の外出者など、ほとんどいない。
のび太は部屋の窓から外を眺めていた。すると外に見覚えのある人影が見えた。
「ジャイ・・・アン?なんでこんな時間に?」
のび太は疑問に思ったが今考えても仕方が無い。急いで玄関から靴を持ってきてタケコプターで空を飛ぼうとした時
「やっぱし・・・丸腰じゃ外に出るの怖いな・・・・。」
そう震えながら呟くとドラえもんのスペアポケットから光線銃2丁取り出しポケットに装備する。
これを持つとのび太は何となく心強い感じがした。
そして窓からタケコプターを使い外に出た
冷たい空気が顔に当たり自然にのび太の表情は自然に引き締まっていく。
この夜に大声を出すと近所迷惑だと考えてかのび太はできる限り静かにジャイアン捜索を開始した。
そして1時間が経過した。
依然としてジャイアンは見つからず、流石に真冬に空を飛び続けたので寒かったのでのび太は公園で一休みする事にした
「ジャイアン・・・・。無事だと良いんだけど・・・。」
のび太は何か嫌な予感がしていた。
例えるなら通学中に犬の尻尾を踏んづけてしまいその後に襲われると直感する、あの感覚に近い
今、自分が何かをしなければ何か悪い事が起こる、そんな気がしたのだ。
そして立ち上がったとき
「こんな時間に何してるんだい?」
男の人の声がした。
そして気が付くとそこには緑色のコートを着た中学生ぐらいの少年がいた
「その・・・友達を探してるんです、ゴリラみたいな顔の男の子でジャイアンって言うんですけど知りませんか?」
「う~ん・・・見てないな・・・。」
「そうですか・・・。」
のび太は明らかに落胆の色を表情に出す
「役に立てなくてごめんね」
少年は申し訳無さそうにそう言った
「いえ、・・・あの所で前にどこかで会いませんでしたか?」
「ああ、知ってるとも、シルク・ド・フリークでウルフマンを気絶させちゃた子供達の1人だろ?確か名前は・・・のび太君」
「え?どうしてそれを?」
「それは僕がシルク・ド・フリークの団員だからさ、多分君は僕と話したことは無くても見たことはあると思うよ?ステージの上で」
数秒間を開く、のび太はあまり記憶力の良い少年では無い、頭を抱えて思い出そうとするが、うまく思い出せない
その内のび太の頭から煙が出てきそうだったので
「まぁ覚えて無くても仕方ないかな・・・。僕の場合助手だったしね」
そう苦笑しなながら言いつつも少年は内心少々ショックを受けていた
「ほらこうやってフルート吹いて蜘蛛を操っていた助手さ」
そこまで言われてのび太の頭の中で歯車が噛み合った感じがした
「ああ・・・。あの蜘蛛の曲芸の時の助手の人・・・。」
何となくのび太は思い出しかけていたがどうにもあやふやな感じだった。
「まぁいいや・・・。とりあえず自己紹介、僕はダレン・シャンよろしく」
そう言いながらダレン・シャンと名乗った少年は右手を差し出した
「その・・・あんまり思い出せなくてすいません・・・。野比のび太です。よろしく・・・。」
そう言いながらのび太は差し出された右手を握った。
その瞬間だった
「危ない!!」
そうダレンは叫んでのび太を片手で放り投げた
その体格とは不釣合いな力で一瞬でのび太は数メートルまで吹き飛んだ
状況が全く理解できず
理不尽な痛みに混乱しながら前を見るとそこでは
ダレンとのび太と同じくぐらいの背丈の少年が戦っていた
両者の武器は同じくナイフ
辺りに響くのはナイフがぶつかり合う金属の音
それが数回響いて素人の、のび太の目から見てもダレンは圧されていた
そしてついにダレンのナイフは弾き飛ばされ地面に倒れこむダレン
ナイフを高々と持ち上げダレンを殺そうとする少年
そしてナイフは――――――地面に突き刺さっていた。
辺りに響いたのは肉を裂く音では無く電撃が走るような音で
少年の手は何か強い衝撃を受けたように赤く腫れて
ダレンと少年が向けた視線の先には
まだ煙が出ている光線銃を右手に構えたのび太の姿があった
「ダレンさん大丈夫!?」
光線銃を構えたままダレンに言うのび太
予想外の出来事に呆然としていたダレンも正気に戻ったらしく
「ああ・・・。」
ダレンのその返事とほぼ同時にのび太目掛けて少年が左手にナイフを持ち襲い掛かってきた
少年の向かってくるスピードは速いがのび太の射撃の腕ならはずす事は無い
しかし少年が持つのはスピードだけではなく殺気だ。
気の弱いのび太はその殺気と言う名の気迫に襲われる
その結果手が震える、手が震えるという事は射撃の命中率が下がる。
「うわぁぁぁぁぁあああぁぁ!!!!」
悲鳴に近い叫びを上げながらのび太は光線銃を乱射するが当たらない。
ダレンも少年の後を必死に追い阻止しようとするが
ブスリ
肉にナイフが刺さる音がした
のび太の肩にナイフが突き刺さる
『痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い』
初めて肉にナイフが突き刺さる経験をしたのび太の頭にはそれしか思い浮かばなかった
のび太の肩から抜かれるナイフ、のび太は倒れて地面に肩から流れ落ちる血
「助けて・・・ドラえもん・・・。」
そう呟きながらのび太はポケットにしまった非常呼び出しブザーのボタンを押した。
これでドラえもんが助けてくれる、ドラえもんが何とかしてくれる
そんな思考がのび太の頭を支配していく。
そしてダレンが少年に突き飛ばされ少年のナイフがのび太の命を奪おうとした時
目の前の誰かがその攻撃を防いだ
それはのび太のよく知る青いネコ型ロボットではなく黒いマントにオレンジ色の髪をした屈強な男だった
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