「汝は罪人なりや?【序】【ぷろろーぐ】 1」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「汝は罪人なりや?【序】【ぷろろーぐ】 1」(2011/12/29 (木) 19:50:26) の最新版変更点
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「ちょっとネウロ 明日から泊まりってどういうこと!」
事務所に壁に掛けられている予定表を見た私は思わず叫び声をあげた
「やっと気が付いたか 我が輩が常連として参加している推理ゲームのオフ会に
謎の気配があってな…貴様に我が輩の代役で出て貰うことになった」
なった…って私何も聞いて無いんだけど
「これ書いたの…いつ?」
「フム…昨日の夜だな」
昨日は夕方に帰ったから私が知らないのは当然 大事な話ならせめてメールで教えてくれれば良いのに…
とがめるように睨む私から視線をそらしたネウロは 猫のような目で明後日の方向を見た
「問題なかろう 推理はすべて我が輩がやるのだからな」
この顔のネウロには何を言っても無駄…あきらめた私は先の事を考えた
「…せめてルールぐらい説明してよ 常連のアンタの代役なんだからルールさえ知らないのは不自然だよ」
「フム…まあ仕方あるまい こちらへ来い」
そう言ったネウロはパソコンを立ち上げ あるホームページを開いた
黒く悪趣味な壁紙に血が垂れている赤い文字で「汝は人狼なりや?」と書かれている
これがこのゲームの名前なのだろうか
ネウロはマウスを操作し役職と書かれたボタンをクリックすると
ズラリと並んだ役職の簡易説明を前に画面を指差しながら説明を始めた
「このゲームにおける人狼とは 人間そっくりに化けて油断させ
毎夜人を喰う化け物のことだ まあ凄腕の暗殺者と思えば良かろう
村人側は住人になりすましている奴らをすべて見つけ出して処刑すれば勝ち
人狼側は上手く噛み殺して村人と同じ人数になれば勝ちだ…ここまでは分かるな?」
「なんとなく分かったけど…そんなXiみたいな奴らをどうやって見つけるの?」
「そのためにいるのが占い師だ…毎日一度使える能力でその住人が人間か人狼か たちどころに分かってしまう」
「へーじゃあ順番に占って行けばすぐ分かるじゃん」
「そうはいかん 例えば今回なら参加者は10人
上手くやっても占いは3~4回しか使えん…'噛み'と'吊り'も考えねばならん」
「さっき言ってた事と似てるね 処刑と噛み殺すだっけ」
「そうだ 昼間村人全員の投票によって一人が殺される これが吊りだ
これを食らえば人狼だろうが人間だろうが生きてはおれん
そして夜には人狼達が誰か一人を襲うがこれが噛みとよばれている
これで死んだ者は間違いなく村人だ この二つの繰り返しでゲームが進行する」
「ってことはつまり…占い師が上手く人狼を見つけ出して人狼を吊って行けば
勝てるってことか…じゃあ占い師に従ってればいいんだね」
「フム…しかし人狼も同じ事を考える…そこで奴らは'騙り'つまり嘘をつく作戦に出る」
「そっか…占い師が一人だけなら簡単だけど 何人もいたりしたら誰が本物なのか見分ける必要が出てくる」
私が言い終えると ネウロの口元が上がって尖った歯がちらりと見えた
「分かっているではないかヤコ」
「まあね あとこの狂人と霊能者ってのを説明して欲しいんだけど…」
「…面倒だ 先生は経験者なんですからド素人の僕にも分かるように説明お願いします」
ネウロ…いきなり助手口調になるのは怖いから止めて欲しい
「うっ…ここの説明によると狂人は人間だけど狼の味方 霊能者は…死人限定の占い師みたい」
「ほう なかなか飲み込みが早いな では明日学校が終わったらここに来い」
「…わかった」
謎の気配があるってことは 誰かが殺されようとしているということ
この時の私は まさか自分が[謎]の一部に組み込まれようとしている なんて想像もしなかった
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