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「天体戦士サンレッド ~月下の支配者!吸血鬼参上(サマサさま)」(2009/08/27 (木) 20:06:58) の最新版変更点
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それはよく晴れた夏の日の出来事。
公園のベンチで我らがヒーロー・サンレッドは、鬱陶しそうにタバコを吹かしていた。
ちなみに今日のTシャツは<黒き血の兄弟>である。
浮かない顔の原因は、彼の隣に座る十歳ほどの少年。
「だからね、レッドさん!ぼくを弟子にしてよ!ぼくも立派なヒーローになりたいんだ!」
「…………」
―――ふわふわの金髪に、蒼い海を思わせる碧眼。天使のように愛らしい笑顔の美少年である。
そんな少年を、レッドは困ったように見下ろしていた。
「あー、その。なんつったらいいかなー…」
「お願い!ぼくは真剣なんだ。ヒーローはチビっ子の味方でしょ?」
「そりゃまあ、通俗的に言えばそうだな…けどな」
レッドは頭痛を堪えるように眉間を押さえる。
「ヒーローになりたいっつっても、お前、吸血鬼じゃん…」
「うん、そうだよ」
だから何?と言いたげに朗らかに笑うその少年には、小さな牙が生えていた。
そう。彼こそは夜の世界の住人・吸血鬼であった。
天体戦士サンレッド ~月下の支配者!吸血鬼参上
―――吸血鬼。映画やテレビでおなじみの、月下に生きる怪物。
その名の示す通り人の血を吸い、肉を喰らう、恐るべき闇の王。
しかしレッドの目の前にいる少年はそんなもの何処吹く風で、にこにこ笑っている。
「まー、別に吸血鬼がヒーローなんて目指すな、とは言わねーけどよ…」
レッドはタバコの煙を吐き出す。
「なあ、ガキ」
「ガキじゃないよ、ぼくには望月コタロウって立派な名前があるんだ!」
「そっか、そりゃ悪かったな…で、コタロウ。何だってお前ヒーローになりたいんだよ?」
「よくぞ訊いてくれました!」
ぐいっと胸を張る吸血鬼少年・コタロウ。
「ぼくはね、兄者を助けてあげられるような、強い男になりたいんだ!」
「兄者…?」
「そう。ぼくの兄者は吸血鬼でありながら悪の吸血鬼を狩る、正義の吸血鬼なのさっ!」
「吸血鬼を狩る吸血鬼…?おい、まさかお前の兄貴って<銀刀(ぎんとう)>とか呼ばれてるんじゃねーだろな?」
「え?レッドさん、兄者のこと知ってるの?」
「知ってるもクソもこの業界じゃ有名人じゃねーか。同族殺しの英雄、自らにとっても猛毒の銀の刀を振るう剣士…
敵という敵を斬り伏せて、付いた仇名が<銀刀>。ま、どっちかってーと勇名よりか悪名を轟かせてる、物騒な野郎
だって話だけどな。しかし、弟がいるって話までは聞いたことがなかったけどよ」
「へー。レッドさんも知ってるなんて、兄者ってやっぱすごいんだ!」
「まー、そういう噂話にゃ疎い俺でも知ってるって時点で、どんだけーってカンジだな…しかしよ、そいつが噂通り
の強さならそれこそお前の助けなんざいらねーだろ」
「うん…そうかもしれない。いや、多分そうだよ。だけど…それじゃぼくは、ぼくが許せない」
コタロウは、ぐっと顔を引き締める。
「兄者はいつだって、ぼくを守ってくれるんだ…でも、兄者にとっては、ぼくは足手纏いですらないのかもしれない
…ぼくなんて、お荷物ですらないのかもしれない」
「コタロウ…」
「だからぼくは、強くなりたいんだ…!兄者と肩を並べて闘えるくらいに強く…誰よりも強く!」
「コタロウ!」
「レッドさん!」
ヒーローと吸血鬼少年は、ガシっと肩を抱き合う。男同士の魂が呼応した、美しき瞬間だった。
「お前、それ、先週の<薬物戦隊クラッシュレンジャー>のグリーンのセリフじゃねーか」
「うっ!」
―――そうでもなかった。
「レッドさんも見てたんだ、アレ…やっぱりヒーローとして、ああいう番組を見て勉強してるんだねっ」
「あ、ああ。まあな…」
単に<ヒマだったから適当にチャンネル回してただけ>とは流石のレッドも言えなかった。
「と、とにかくレッドさん。悩める少年をヒーローとして導いてくれたっていいじゃん!」
「そーだなー…まあ、早寝早起きして、栄養のあるモンたくさん食って、外で元気よく遊べばいいんじゃね?」
吸血鬼少年に対してとは思えないアドバイスだった。コタロウもプクーっと頬を膨らませる。
「そういうんじゃなくて、もっとこう、ド派手な必殺技とかさー、そういうの教えてよ!」
「ワガママばっか言ってんじゃねーよ、ったく…」
「じゃあ、レッドさんが実際に闘ってるところを見せてよ。ぼくはそれを観戦して、ヒーローの心得を学ぶから」
「つってもなー…ヴァンプ達は今、盆休み取ってやがるから、しばらく対決の予定がねーんだよ」
ちなみに十連休だそうな。それはともかく。
「じゃあ、対戦相手はぼくが用意するから!それならいいでしょ?」
「あ?お前が用意するって…空き地の野良犬とかじゃねーだろうな」
「そんなんじゃないってば!目下兄者と敵対してる悪の吸血鬼達だよ!」
「ほー…そりゃ楽しみだ。けどよ、どうやって用意すんだよ?」
「うん、ちょっと待ってて。メールするから」
「メール…」
携帯を取り出してポチポチ操作するコタロウを、レッドは何とも言えない顔で見る。
「お前、兄貴と敵対してる連中とメールのやり取りしてんのか…」
「え?だってそうじゃないと、急な対決の時に連絡が取れなかったりして困るでしょ」
「…そっか。そうだな」
どこの正義と悪も、大概は似たような関係らしい。レッドは深々と溜息をついたのだった。
「あ、きたきた、返信きたよ!…えー、ヤフリーしか予定空いてないのか…ホントはカーサかダールさんがよかった
んだけど、しょうがないなー。公園で待ってますよ、っと」
「ヤフリー…?そいつと闘えってのか」
「うん。特別弱いってわけじゃないけど、どうにもカマセ属性の持ち主でね…」
「ちなみにカーサとかダールとか言ってたけどよ、そいつらはどうなんだ?」
「カーサは数百年生きてて、数々の魔術を使いこなす<黒蛇>と異名を取る魔女だよ。力だけに任せて闘ったら、
いくらレッドさんでもキツいんじゃないかなあ。ダールさんはもう千年以上生きてる二刀流の剣士でね。この人は
とにかく、純粋に強いんだ。それだけに攻略は逆に難しいよ。真正面から闘って打ち勝つしかないからね」
「ほー、そりゃあ随分と骨のありそうな連中だな。で、今からやり合うヤフリーってのはどうなんだ?」
「えーと…吸血鬼になってから十年くらいで…まあ、剣の腕前はそれなりかな…そんくらい」
「…………ショボッ」
「うん。それを言っちゃあお終いだけどね…」
―――それから二十分後。
公園の入口に、一人の男がやってきた。
「あーちくしょう…こんな真夏に呼び出しやがって。灰になったらどうしてくれんだよ、コタロウの奴…」
だぶだぶのフード付きパーカーに裾の短いワークパンツ、派手目のスニーカーというファッションに身を包む、まだ
十代半ばの少年―――だが、その目に宿る剣呑な光は、彼がただの小僧ではないと雄弁に語っていた。
極めつけは腰に提げた刀。モロに銃刀法違反であった。
そう。彼こそが件の悪の吸血鬼・ヤフリーである。
ヤフリーはキョロキョロと、何かを探すように公園を見回していた。
と、チンピラっぽい男(まあレッドさんだけどね!)が手を上げて彼を呼び止める。
「おー、もしかしてお前がヤフリーか?」
「え?まあ、そうっすけど…」
「あ、ヤフリー!おっそいよー!」
ベンチからコタロウが気の抜けた声で愚痴る。
「コタロウ!お前なー、妙な用件で俺らにメールすんじゃねえよ。いきなりヒーローと闘えってなんだよ、全く…」
「あはは、ごめんごめん。じゃあ早速だけど対決お願いね」
「はいはい、やりゃあいいんだろ、やりゃあ…。で、何処にいるんだよ、そのサンレッドってヒーローは」
「やだなあ、ヤフリーったら。目の前にいるこの人だよ」
「あん…?目の前って、チンピラ風の赤マスクしか…って、あの…もしかして、アンタがサンレッド?」
「そーだよ」
「え、いや、その…アンタ、ヒーローなんすよね?」
「何だよ。俺がヒーローだったら悪いのかよ」
「いや、だってアンタTシャツじゃねーっすか!半ズボンじゃねーっすか!サンダルじゃねーっすか!登場するのに
前口上とか派手なポーズとか何もねーじゃねーっすか!もっとこう、ヒーローの登場シーンってほら…」
「あー、そういうのはもうこちとら散々言われ慣れてんだよ。いいからほら、さっさとかかってこいや」
身も蓋もない言い方にヤフリーは面食らうが、すぐに気を取り直した。
「チッ…まあいいっすよ。こちとら、アンタを倒しに来たのには間違いねーんすからね」
そして彼は刀に手をかけ、畏まった口調で語り始める。
「お初にお目にかかる、太陽の加護を受けし勇者。日輪を司る天体の戦士。赤き制裁の体現者。溝ノ口の」
ガスッ!
前口上の途中で強烈な右フックを顔面にモロに喰らったヤフリーは地面に突っ伏し、ピクピク痙攣する。
「な、何を…」
「何をじゃねーよ。長ったらしい前口上なんざ聞きたくねーっつーの」
「だからってその隙を狙うなんて…アンタ、ヒーローでしょうが…」
「ああ?ヒーローだからなんだよ?ヒーローが口上中で隙だらけの敵を狙っちゃ悪いってか、コラ」
「い…いいか悪いかでいうなら、悪いと思うっす…」
「ぼくもそう思う…」
コタロウにまで非難され、レッドはバツが悪そうに舌打ちした。
「分かった、分かったよ。とにかくアレだ、コタロウ。お前としては俺にヒーローらしく振舞ってほしいと、そういうわけ
なんだな?おっしゃ、じゃあいっちょ本気でやってやろうじゃねえか…」
そう言い放ち、レッドは両手を天高く掲げて精神を集中する。瞬間、レッドを中心に恐ろしい熱風が迸った。それは
渦を巻いてレッドの頭上へと収束していき、巨大な火球と化す。それはまさに地上に顕現した、小型の太陽。
まかり間違えばこの公園を中心に一帯を焦土と化すほどの莫大なエネルギーが秘められた、サンレッド必殺の業!
それは月下の伝説として語り継がれる炎―――<螺炎(らえん)>と呼ばれる秘奥義にも匹敵する禍々しさと熱量。
コタロウとヤフリーは眼前に現れた破壊の化身を前に、ただ立ち尽くすのみだった。
「塵一つ残さず、消滅させてやらあ…<コロナアタック>!」
「ストップストップ!レッドさん、それはシャレにならないよ!いくらなんでもヤフリーを塵一つ残さず消滅させて
ほしいなんて思ってないってば!」
「そ、そうっすよ!レッドさん、落ち着いて!」
ヤフリーも必死に(文字通り命がかかっているので当然である)レッドを宥める。その甲斐あってか、レッドは渋々
ながらもコロナアタックの構えを解いた。
「アレもダメ、コレもダメってお前らは注文が多いんだよ、ったく…仕方ねえな。おい、ヤフリーっつったか?普通
に闘ってやるから、そっちからかかってこいよ」
「そうしてくれりゃ助かりますよ、こっちも…じゃあその首、俺が貰い受けます。あの世で精々俺の名前を語り継ぐ
ことっすね」
ヤフリーは刀を抜き放ち、人間の規格を遥かに超える吸血鬼の膂力を以て超高速の斬撃を繰り出す。
え、その結果どうなったかって?レッドさんがワンパンKOしたに決まってるじゃないですか。
一応断わっておくが、ヤフリーは決して弱くない。あくまでも、レッドさんが強すぎたのである。
いつの間にか日は傾き、ひぐらしが鳴いていた。
だからといってこの牧歌的な世界のこと、カメラマンが喉を掻き毟って死んだりはしない。神奈川県川崎市は今日も
平和である。
「あー、もうすっかり日が暮れちまったな…おい、コタロウ。送ってってやるから、お前ももう家に帰れよ」
「うん、そうだね。じゃあヤフリー、またねー!」
「…おう。<銀刀>にもよろしくな」
吸血鬼の回復力を以てしても未だに癒えない傷を負ったヤフリーは地面に大の字になったままぞんざいに手を振る。
彼は今日また一つ、吸血鬼生の厳しさを知り大人になった。
本人がそれをありがたいと思っているかどうかは別問題ではあるが。
「…俺、何しにこの話に出てきたんだろ…」
その呟きに答えてくれる者は誰もいない。ただ、秋の気配を感じさせる涼やかな夕暮れの風だけが、彼の頬を優しく
撫でるのであった。
―――レッドの目の前には、オートロック付きの十階建て高級マンション。
並のサラリーマンの月収くらいの家賃を請求されそうな豪壮な佇まいである。
「ほー…お前ら、いいとこに住んでんじゃねーか。流石に<銀刀>ともなりゃ、それなりに儲かってんだな」
「あ、レッドさん。それちょっと違う」
「あん?」
「ぼくらはミミちゃんのお世話になってるの」
「ミミちゃん…?誰だよ、それ」
「えっと、詳しく話すと長くなるんだけど、ぼくらを養ってくれてる人」
「…養って…お前と、その、兄貴を?」
「うん」
レッドさんの脳裏にヒで始まってモで終わる、あまり印象のよくない言葉が浮かんだ。
「あー、えっと…それはその、なんだ。ぶっちゃけ、アレか?言いにくいけどよ、お前の兄貴ってその…」
「まあ正義の吸血鬼っていっても別に誰もお給料とかくれないし、食べていけないもん」
「…世知辛いね、そりゃ」
「だから、普段のぼくらはミミちゃんに衣食住の面倒を見てもらってるんだよ」
「…そ、そうか…」
レッドにとっては身につまされる話である。だらだらと背中を冷汗が滑り落ちていた。
「し、しかしよ、その<ミミちゃん>ってのは随分と羽振りがいいんだな。オートロックの高級マンション住まいで
居候二人置いてられる余裕があるなんて、中々のもんだぜ。何か怪しい商売でもやってんじゃねーだろな?」
「んー。よく分かんないけど、そのスジじゃあ<クイーンM>なんて呼ばれてるらしいよ」
「なんだそりゃ…そこはかとなく嫌な予感がする二つ名だな、おい」
「だから兄者、対決のない時はミミちゃんの護衛をしてるんだ。何だか危ないお仕事みたいだから。ちなみにぼくも
護衛として活躍してるんだよ!」
「あ…ああ~、なるほどな、そういうことか!なんだ、その、じゃあ兄貴は何か縛るものってわけじゃねーんだな!
ちゃんと仕事してんだな!」
何故だか胸を撫で下ろすレッドだった。この純真な少年の兄がヒ○だったら、ちょっと辛い現実だからである。
「しかしお前も護衛やってるっつったけど、とても活躍できてそうにゃ見えねーけどな」
「そんなことないってば!…多分」
「どーだろね。んなもんは読者に訊けば分かるんだから見栄張ってると後で恥かくことになるぜ?」
「読者!?ぼくらの愛と友情と闘いの日々は小説だったのっ!?」
「ああ、富○見ファン○ジア文庫辺りで刊行されて本屋に平積みされてるのを見たぞ。確かアニメにもなってたな」
「やけに具体的だー!」
そんな雑談の間にエレベーターに乗り込み、最上階に辿り着いた。そして件の<ミミちゃん>の部屋の前に立つ。
「お茶くらい出すから、レッドさんも上がっていってよ」
「お、わりーな。それじゃあお言葉に甘えて…」
その時である。部屋の中からドンガラガッシャーンと大きな音がしたのだ。
「な、なんだ!敵襲か!?」
「レ、レッドさん、気を付けて!」
レッドは用心深く、そっとドアを開けて中を覗き見る。そこでは、一組の男女が言い争っていた。
「いい加減にしてよ、ジローさん!これでもう五回連続遅刻じゃない!」
「ミ、ミミコさん。どうか落ち着いて…」
「落ち着いてられるかぁ!あたし、もう少しで東京湾に沈められるとこだったのよ!?」
「ですから、間一髪で私が助け出したじゃないですか。ヒーローとは遅れてやってくるものなのです」
「ヒーローである前に社会に生きる者として五分前行動を心がけなさい!」
やたらハッスルしたアヒル口の少女。特別美人というわけでもないが、妙に愛嬌がある。
対するは赤いスーツに赤い帽子の赤ずくめのいでたちに、愛想笑いを浮かべた黒髪の青年である。
「あれが<ミミちゃん>とお前の兄貴の<銀刀>か?…あんまお前とは似てねーなー。それはそうと、なんつーか、
取り込み中みてーだけど…」
「うん…なんだか、ちょっと入り辛いね」
レッドに倣って部屋の様子を覗き見しているコタロウが、気まずそうに声を潜める。
「とにかく!ジローさん普段ゴロゴロしてばっかなんだから、仕事の時くらいきっちりしてもらわないと困るの!」
「夜も寝ずに過酷な闘いの日々を送る私に対して、なんと酷いことを…」
「夜寝なくても昼間はずっと寝てるでしょうが!女の子の世話になってグータラしてるだけなんてヒモよ、ヒモ!」
「な…!ミミコさん!いくら本当の事でも言っていいことと悪いことがあるでしょう!」
「自覚があんならもっとしっかりせんかぁぁぁぁぁっ!」
ますますハッスルしていく壮絶な闘い(?)を見つめ、レッドはボソっと呟いた。
「……………………ヒモ」
別に自分のことを言われているわけでもないのに、レッドはものごっつい居た堪れない気分であった。
「ねえ、レッドさん」
「…なんだよ」
「<ヒモ>って、なあに?」
穢れなき瞳で問いかけるコタロウに対し、レッドさんは何も答えることは出来なかったという。
ただ、一言。
「コタロウ…お前、ヒーローなんかならなくていいから、ヒモにだけはなるなよ…」
―――天体戦士サンレッド。
これは神奈川県川崎市で繰り広げられる、男と女…もとい、善と悪の壮絶な闘いの物語である!
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