第九十六話「待ち人」
最後の戦いから、早くも丸一日が過ぎていた。
のび太はただ一人、小さな公園でブランコに揺られていた。
待ち人は、まだ来ない―――そもそも、どこで会おうだの、そういった約束はしていない。
けれど、彼はこう言うだろう。
<俺たちが出会うべき運命ならば、何をどうしたところで必ず出会う>
いいだろう。だったらもう少し待ってやろうじゃないか。彼との最後の対峙を迎えるには今この時をおいて、他にない。
もしもこのまま置いてきぼりを食らうようなら、そもそもそれだけの因縁しかなかった―――そういうことだ。
だから、のび太はその時を待っていた。
待っている間、考えていた。
今回の事件のことや、今までの事件のことやら。
あれこれと考えることが意外と多くて、退屈はせずにすんだ。
―――そして。
足音が聞こえてきた。思考を中断して、視線を上げる。
狐面の男―――否、狐面はもう被っていなかった。以前彼が言った通りに。
「じゃあ始めようか、俺の敵。このろくでもねえ物語の、後始末だ」
最後の戦いから、早くも丸一日が過ぎていた。
のび太はただ一人、小さな公園でブランコに揺られていた。
待ち人は、まだ来ない―――そもそも、どこで会おうだの、そういった約束はしていない。
けれど、彼はこう言うだろう。
<俺たちが出会うべき運命ならば、何をどうしたところで必ず出会う>
いいだろう。だったらもう少し待ってやろうじゃないか。彼との最後の対峙を迎えるには今この時をおいて、他にない。
もしもこのまま置いてきぼりを食らうようなら、そもそもそれだけの因縁しかなかった―――そういうことだ。
だから、のび太はその時を待っていた。
待っている間、考えていた。
今回の事件のことや、今までの事件のことやら。
あれこれと考えることが意外と多くて、退屈はせずにすんだ。
―――そして。
足音が聞こえてきた。思考を中断して、視線を上げる。
狐面の男―――否、狐面はもう被っていなかった。以前彼が言った通りに。
「じゃあ始めようか、俺の敵。このろくでもねえ物語の、後始末だ」