SS 石運び
菅野が影丸と加奈と一緒に部屋の片付けをしている途中、
加奈は前々から思っていた疑問を菅野にぶつけることにした
「ねぇ…菅野さん?気になってはいたんですが、その大岩をなんで磨いていたんですか?」
「そういえば拙者もその石の話は聞いたことが無かったでござるな。
菅野殿が毎日磨いていたのは知っていたでござるが…。」
その言葉を聞いた時、菅野はこの石を運んだことを思い返すのだった。
実際の所、菅野が磨いていたこの石はただの石である。
[ここにリーダーの名前を入れる]が道端に落ちていた石を
「これを置いておけば敵の進行を食い止められるかも?」と言ったことが事の始まりだった。
最初は力自慢である常盤 創と甲子 猿侍、そして菅野 隻蔵の3人で石を運ぼうとしたのだが持ちあがらなかった。
さてどうしようかと思った所で「イッツミィィィ!!俺の助けが必要かァ!!」
となぜか現れた三 五三…サーティファイブも加わりようやく魔人小屋の一室へと運び込んだのだが
持ってきたはいい物の結局使うことは無く、石は他のメンバーからも忘れられ魔人小屋の一室で放置されたのだった。
という訳でこの石は実は自意識があったりとか霊験あらたかな物であるとか時の君(※1)が大切にしていた物だとか実は野良アキカンであるとか
ましてや菅野の魔人能力に関係があるとか、そういう物ではないのだ。
その後も菅野はたまに石が埃で汚れていたら掃除し、輝きが鈍くなったら磨いてみたりと何かと気にかけていたのだが…。
「菅野さんが大切にしているくらいですし、何か魔人能力に関係があるとかですかね!」
「いやいや、この石自体に特殊な力があると見たでござる!」
いつの間にかそんな風に思われていたのか、そして式鯉君。俺はそこまで大切にしていないぞ。
菅野は心の中でそう思いながら、彼ら二人に真実を伝えるべきか、伝えざるべきか頭を抱えて悩むのであった。
最終更新:2016年01月18日 06:32