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>音声知覚の運動理論 >音声の産出に際して調音器官を「動かす」ために脳が送り出す神経の信号で ある運動指令が、音声の知覚過程にも利用されているのではないかという理論。 言語心理学における音声知覚研究の中に、有名な「音声知覚の運動(Motor Theory of Speech Perception)」理論がある。 この理論を提出した Liberman らは、言語の産出過程と言語の知覚過程の関係について考察し、言語の知覚は言語音的なものであり、一般的な聴覚と同じではないとの重要な仮説を発表した。 この理論に基づけば、言語は人間にとって特殊な聴覚刺激であり、われわれはそれに接触すると自動的に言語状態に移るということになる。言語状態においては独自の過程、独自のルールで言語を聞いており、音楽やその他の非言語音を聞くのとは異なる。言語状態での知覚は人間に内在する特有なもので、われわれがある語音を産出する動作と話そうとする音のかたまりとを結びつけている。 >脳における言語音声のコミュニケーションに関する仮説である音声知覚の運動理論により、音声の知覚過程は調音動作の内部表象あるいは知識を参照しながら実現している(Libermanら,1960, 1985) >音声生成時の聴覚の関与を示す現象は, 古くから報告されてきており, 例えば騒 音のある場所で話すときには, 音声の性質が変ってしまうことが Lombard 効果と して知られている. >また, 残響などで自分の出した声が少し遅れて聞こえると, 正常な発話を維持するのが困難になる. 自分の声を人工的に遅延させ, 聴覚にフィードバックするシステムを用いた遅延聴覚フィードバック (DAF) と呼ばれる実験手法では, 数百 ms 程度の遅延を与えたとき, 多くの被験者が普通に話すことができず, 言い誤りや吃音に似た発話障害を起こしたり, 異様に遅い話し方になることが知られている. >また,基本周波数,音量などの音声の物理パラメータに対して,発話音声を変換しフィードバックすることで,発話の変化を観察する研究手法もある.変換聴覚フィードバックと呼ばれるこの手法では, フィードバック音声の発声に与える影響を定量的に検討することができる. >これらの現象は,発話の制御に聴覚フィードバックが関与していることを示すも のであり, そのメカニズムとしては, 音声を知覚する際に, その音を発話するため の発話器官の運動感覚を参照しているとする音声知覚の調音参照説 (Articulatory reference theory of speech perception), あるいは発話器官を制御する神経制御指 令そのものを参照しているとする音声知覚の運動指令説 (Motor theory of speech perception) が提唱されている. この説の真偽に関してはいまだに研究, 議論が行 なわれている.
>音声知覚の運動理論 >音声の産出に際して調音器官を「動かす」ために脳が送り出す神経の信号で ある運動指令が、音声の知覚過程にも利用されているのではないかという理論。 言語心理学における音声知覚研究の中に、有名な「音声知覚の運動(Motor Theory of Speech Perception)」理論がある。 この理論を提出した Liberman らは、言語の産出過程と言語の知覚過程の関係について考察し、言語の知覚は言語音的なものであり、一般的な聴覚と同じではないとの重要な仮説を発表した。 この理論に基づけば、言語は人間にとって特殊な聴覚刺激であり、われわれはそれに接触すると自動的に言語状態に移るということになる。言語状態においては独自の過程、独自のルールで言語を聞いており、音楽やその他の非言語音を聞くのとは異なる。言語状態での知覚は人間に内在する特有なもので、われわれがある語音を産出する動作と話そうとする音のかたまりとを結びつけている。 >脳における言語音声のコミュニケーションに関する仮説である音声知覚の運動理論により、音声の知覚過程は調音動作の内部表象あるいは知識を参照しながら実現している(Libermanら,1960, 1985) >音声生成時の聴覚の関与を示す現象は, 古くから報告されてきており, 例えば騒 音のある場所で話すときには, 音声の性質が変ってしまうことが Lombard 効果と して知られている. >また, 残響などで自分の出した声が少し遅れて聞こえると, 正常な発話を維持するのが困難になる. 自分の声を人工的に遅延させ, 聴覚にフィードバックするシステムを用いた遅延聴覚フィードバック (DAF) と呼ばれる実験手法では, 数百 ms 程度の遅延を与えたとき, 多くの被験者が普通に話すことができず, 言い誤りや吃音に似た発話障害を起こしたり, 異様に遅い話し方になることが知られている. >また,基本周波数,音量などの音声の物理パラメータに対して,発話音声を変換しフィードバックすることで,発話の変化を観察する研究手法もある.変換聴覚フィードバックと呼ばれるこの手法では, フィードバック音声の発声に与える影響を定量的に検討することができる. >これらの現象は,発話の制御に聴覚フィードバックが関与していることを示すも のであり, そのメカニズムとしては, 音声を知覚する際に, その音を発話するため の発話器官の運動感覚を参照しているとする音声知覚の調音参照説 (Articulatory reference theory of speech perception), あるいは発話器官を制御する神経制御指 令そのものを参照しているとする音声知覚の運動指令説 (Motor theory of speech perception) が提唱されている. この説の真偽に関してはいまだに研究, 議論が行 なわれている ---- 4 音声知覚のモデル  ?音声知覚の「運動説motor theory」(Liberman ら)  音声知覚の対照=話し手の意図した音韻的動作。脳内では言語的に意味のある構成を          通じ調音器官の動作を呼び起こす不変な動作指令として表現  運動説の主張点2:音声知覚と音声生成の密接なつながり(特性=生得的に決定)           意図された動作の知覚=音響的信号から調音上の動作への自動的な           変換を主な機能とする、特殊化された音声モードで生起  運動説の利点:音声知覚に特徴的な現象の大部分が説明可能(Libermanら)       (音響パターンと知覚された語音の不定な関係・二重知覚・        手がかりのトレーディング・音声モードの証拠・聴覚と視覚の結合)      弱点:音響的信号から知覚上の動作への置換の方法不特定=不完全        →「音声知覚の理論というよりは哲学」(Klatt, 1989)

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