2007年5月17日
愛知県愛知郡長久手町
民家から警察に「父親が拳銃を持って暴れている」という息子からの通報が入り、
その2分後に再び「もう落ちついた。警察が来ると興奮するので家には来ないでください」
との通報が入りました

通報前の民家内では元暴力団組員の大林久人容疑者(50)が別れた元妻(50)との復縁について
家族と話している最中でしたが、話し合いが上手くいかないことに腹を立て
大林容疑者が拳銃を持って暴れはじめているという状況でした
(所持していた拳銃は38口径のルビー・エクストラとみられています)

愛知警察署長久手交番勤務員の木本明史巡査部長(54)が現場へ駆けつけると
大林容疑者が持っていた拳銃で巡査部長に発砲し巡査部長は右首筋を撃たれ玄関付近に倒れ、
同時に長男(25)の左腹部と次女(21歳)の右足も銃撃しそれぞれ重傷と軽傷を負わせました
長男・次女は外に逃げ出しましたが、大林容疑者は元妻を人質にとって民家に立てこもります

警察は重傷を負って倒れている巡査部長を救出しようとしますが、
大林容疑者が「救急車を近づけたら撃つ」などと威嚇したため近づくことができませんでした
巡査部長救出のために愛知県警察刑事部の特殊捜査班であるSIT【Special Investigation Team】が到着、
次いで愛知県警察警備部の特殊急襲部隊であるSAT【Special Assault Team】が到着し、
20時20分にSITと機動捜査隊の隊員、合わせて16人で混成された救出部隊が民家の敷地内に入って
巡査部長を担架に乗せて運び出し、SATの隊員計14人が後方支援という形で援護する計画を決定します

20時54分に作戦実行、21時20分頃に救出部隊が倒れている巡査部長を救出し、SATのいる後方に搬送していました
しかし、敷地内の犬の鳴き声により警察官の接近に気付いた大林容疑者が窓のブラインド越しに拳銃を発砲、
機関拳銃を構えて警戒していたSAT隊員の林一歩巡査部長(23)の左鎖骨部に被弾しました
林巡査部長はすぐさま救急車で搬送されましたが、外傷による心不全により5月18日午前0時頃に亡くなりました
救出された巡査部長は外傷性クモ膜下出血などの重傷負っており、半身不随の後遺障害が残りました

5月18日10時35分頃に大林容疑者が名古屋市のFMラジオ局ZIP-FMに直接電話をして
放送中の番組のDJであるジェイムス・ヘイブンス氏との会話を要求しました
14時過ぎに愛知県警察捜査員などの立会いのもとで犯人とDJの電話による会話が始まりました

14時50分頃に犯人が電話をしている隙に人質になっていた元妻が脱出、警察に保護され、
人質がいなくなったことにより大林容疑者は民家から出てくることを約束し、
20時30分過ぎに大林容疑者は投降、取り囲んだ捜査員によって身柄確保され、殺人の疑いで緊急逮捕されました
事件発生から約29時間後の解決で、SAT初の殉職者を出した事件でした

2007年5月17日にJNN系列で放送のNEWS23での映像です


2007年5月18日放送の番組での映像です

最終更新:2011年03月10日 19:40