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■ 「引き潮なく津波も来ぬ」=300人超、海岸から逃げず-スラウェシ地震1週間 「livedoor-news[時事通信社](2018年10月4日 18時33分)」より
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【パル(インドネシア)時事】インドネシアのスラウェシ島を襲った大地震で、パル市の海岸から避難せず津波にのまれた人が少なくとも300人いたことが4日、分かった。

 2日後に控えた祭りの準備をしていた人たちで、主催者が時事通信の取材に証言した。「津波が起きるのは引き潮の後と教わっていた」とも話しており、誤った情報が被害を拡大させた可能性が高まった。地震発生から5日で1週間となり、これまでの死者数は1424人に上っている。

 証言したのは、ラジャモウリ地区の自治会長マフムッドさん(50)。近くの海岸では、数百人が日曜日の祭りに向けた準備に当たり、マフムッドさんも主催者の一人として参加していた。

 そこに大きな揺れが起き、間もなく第1波が押し寄せた。真っ黒な泥水で、約30センチの高さ。津波とは気付かなかった。「日本の津波を取り上げた国の防災ドキュメンタリーが『津波は、大地震と引き潮に続いて生じる』と定義していた。大揺れの後に引き潮の確認をすることも指導されていた」ためだ。

 多くの人がパニックになったものの、地震後に海岸を離れる人は少なかった。マフムッドさんも「約7メートル」の第2波を見るまで津波と認識できなかった。それでも、近くの橋脚が大波の直撃を防いでくれ、マンゴー林が水流を弱めた幸運も重なった。水に漬かりながらも流されず、高台へ逃げ切った。

 「津波は引き潮の後」と教わったり覚えていたりしたと話す被災者は他にも複数いる。実際は押し波が先行することがあり、不正確な情報の浸透が避難を妨げ、犠牲を増やした可能性が高い。

 マフムッドさんは津波の後、海岸で数百の遺体を目にし、知人の顔も複数見つけた。思い出すと恐怖で涙があふれ、幅10メートル超の橋が割れた音も耳に残る。生涯忘れられない悪夢だが、子や孫、他人に経験を伝えていくつもりだ。「私は生き証人。誤った情報があふれており、根気強く真実を語り続ける」。 


2016/03/06 に公開
今、総延長5千kmという世界最大の海底観測網によって、いまだ謎に満ちた津波発生の実像を“発生源の間近で”捉えようという壮大な計画が始まっている。高精度の地震計や水圧センサーを長大な光ケーブルで数珠つなぎにし、房総~北海道沖の日本海溝周辺の海底面を網羅するように沈める。実現すれば、これまで限られたデータによって過小評価しがちだった津波規模を迅速・正確に把握し、津波警報を格段に向上させられると期待される。津波の真の姿に挑む日本の最新技術に徹底的に迫る。
















最終更新:2023年11月01日 20:58