※    ※    ※    ※    ※

「――かはっ!」

無様にうずくまり、エヴァはついに血を吐いた。

ここは、工場から南へ1キロほど下った森の中。
脇目も振らず、ただまっすぐに、逃げるようにして駆けてきたのだ。

限界を越えた魔法行使と無理な運動により、全身に激痛が走る。
せっかく回復した魔力も、二割程度にまで消耗してしまっていた。
吸血のための非常食は確保済みだが、しばらくあの工場には近付きたくない。

「くそっ……なんだ! なんなんだ、この未練はっ !!」

血と共に、言いようのないやるせなさを一緒に吐き出す。
本当は、わかっていた。
多分ずっと前から、麻帆良に封じられた十五年前からわかっていた。

光に生きることはできずとも、光を受けて生きることはできた。
闇を背負い、それでも光に照らされて生きることはできた。
たとえそのために己の影を濃くしても、暖かい光の傍らで生きていくことはできたのだ。

それこそが、あの学園での日々だった。
ナギが彼女に与えた、最後の贈り物だった。
いまさらになって、得難いものだったと気付かされる。

だが、それでも――。

「戻れるものか……っ!
 もう、戻れぬと、私が決めた―― !!」

不退転の決意を叫び、エヴァは改めて蜘蛛の糸を断つ。

いいだろう。この無様な未練すら、私は私の一部として受け入れよう。
恥ずべきことなどなにもない。
今までずっとそうしてきたように、受け入れ、呑み込んで、己の闇と化すのだ。

為すべきことは、変わらない。
ジェダの居場所を突き止める。それだけだ。
まずリリスの居場所から捜さないといけないが、さっきの交戦場所に行けば、なにか手掛かりがあるかも知れない。

壊れたかのような身体を引き摺り、エヴァは南へ向かって歩き出す。
頼りない足取りで、一歩、また一歩と。

耳の奥では、未だにインデックスの歌が微かに残響していた。



【A-4/森の中/1日目/真夜中】

【エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル@魔法先生ネギま! 】
[状態]:全身に激痛、吐血、こめかみに打撲、魔力(小)、やや興奮気味
[装備]:フェアリィリング@テイルズオブシンフォニア
[道具]:なし
[思考]:くそっ……! リリスだ、リリスは何処へ行った!
第一行動方針:A-6へ向かい、とにかくリリスを捜す。
第二行動方針:ジェダの居場所に至る道を突き止め、露払いをする。
第三行動方針:ジェダを倒そうと挑む者たちの前に立ち塞がり、討たれる。
基本行動方針:ジェダの甘言は無視し、打倒のために暗躍。ただし仲間は作らない。
最終行動方針:誇り高き悪として、正義の前に散る。
[備考]
梨花の血を大量に吸いました。雛見沢症候群、及び女王感染者との関連は不明です。
ジェダ打倒を目指している者として、ニアの名前をグリーンから聞いています。
パタリロを魔族だと思っています。名前は知りません。
吸血鬼用の非常食(パタリロ)をA-3の工場に冷凍保存して(ると思って)ます。
(が、しばらく工場には近付きたくないとも思っています)


    ※    ※    ※    ※    ※

月光を弾き、キラキラと銀の光を振り撒いて、ダイヤモンド・ダストが舞い散る。

地上一面を覆っていた氷の世界は、もうすでに、すべて粉微塵に砕け散っていた。
リンクは唖然と、周囲を見渡す。

魔法の氷だったせいだろうか、今までの寒さは嘘のように消え失せている。
あれほど冷たかった身体も、濡れてすらいない。
だが、さすがに凍りついていた身体の部位は、軽度の凍傷になってしまっていた。

エヴァは途中で魔法を中断し、一斉に霧散した氷の欠片に紛れて姿を消したらしい。
あるいは、暴発したのかも知れない。
どちらにしろエヴァは去り、危機も、説得の機会もまた去った。

インデックスは膝立ちのまま、ぼんやりと天を見上げている。
リンクは小走りで、インデックスの元へと駆け寄った。

風に舞う銀の煌きの中、同じ色の髪をなびかせ、インデックスはぽつりと呟く。

「届かなかったんだよ……」

悔しそうに唇を噛むインデックスのふらつく肩を、リンクが支えた。

「そうでもないと思うよ。エヴァがそのつもりなら、みんな死んでておかしくなかった。それに――」

リンクは、アリサとなのはの方を見る。
二人はなのはを下にして、折り重なるようにして倒れていた。
とちらも致命傷は受けていなかったはず。それに、微かに上下する背中は息をしている証だ。

「なのはには、届いたかも」

そう言って、微笑みかける。
正直、リンクには落胆よりも、安堵のほうが大きかった。
みんな無事に済んでよかった。心からそう思う。

と、突然インデックスの身体が重みを増し、ぐにゃりとリンクにもたれかかった。
慌てて支えるが、糸が切れたかのように、身体に力が入っていない。

「インデックス !?」

目を見開き、リンクは驚いてインデックスの顔を覗き込む。
歪められた眉と苦しそうに喘ぐ熱い息に、リンクは息を呑んだ。

「インデックス! うわっ、すごい熱じゃないか!」
「だ、大丈夫……」
「大丈夫なわけないよっ! 怪我してるのに無理するから……!」

リンクは急いでインデックスを担ぎ、横になれる場所を探す。
どうやら危機だけは、まだ完全には去っていないようだった。


【A-3/工場東側/1日目/真夜中】

【リンク(子供)@ゼルダの伝説 時のオカリナ】
[状態]:左太腿と右掌に裂傷(治療済み)、左肩に打撲、足に軽度の凍傷
[装備]:勇者の拳@魔法陣グルグル、コキリの剣@ゼルダの伝説
[道具]:基本支給品一式×5(食料一人分-1、飲料水を少し消費)、クロウカード『希望』@CCさくら、
   歩く教会の十字架@とある魔術の禁書目録、時限爆弾@ぱにぽに、エスパー錠とその鍵@絶対可憐チルドレン、
   じゃんけん札@サザエさん、ふじおか@みなみけ(なんか汚れた)、5MeO-DIPT(24mg)、
   祭具殿にあった武器1~3つ程、祭具殿の鍵、裂かれたアリサのスリップ(包帯を作った余り)
[服装]:中世ファンタジーな布の服など。傷口に包帯。
[思考]:しっかり、インデックス!
第一行動方針:インデックスを介抱する。
第二行動方針:なのは、アリサと話をする。
第三行動方針:ヴィータを捜し、説得する(無理なら…?)。
第四行動方針:ニケ達と合流し、エヴァの伝言を伝える。
第五行動方針:もし桜を見つけたら保護する。
基本行動方針:ゲームを壊す。その後、できることなら梨花の世界へと赴き、梨花の知り合い達に謝罪したい。
参戦時期:エンディング後
[備考]
リンクが所持している祭具殿にあった他の武器が何なのかは次以降の書き手さんに任せます。
(少なくとも剣ではないと思われます)
祭具殿の内部を詳しく調べていません。


【インデックス@とある魔術の禁書目録】
[状態]:高熱、意識朦朧、全身に軽度の凍傷、軽い貧血気味、
   背中に大きな裂傷跡と火傷、足裏に擦過傷(共に応急手当て済み)
[装備]:水の羽衣(背部が横に大きく裂けている)@ドラゴンクエストⅤ
[道具]:支給品一式(食料-1日分、時計破損)、 ビュティの首輪、鉄製の斧@ひぐらしのなく頃に(?)
[服装]:私立聖祥大付属小学校の制服の下に水の羽衣。背中と足にシルクの包帯。
[思考]:くやしいんだよ……。
第一行動方針:なのは、アリサと話をする。
第二行動方針:ヴィータを捜し、説得する。
第二行動方針:ニケ達と合流する。
第三行動方針:紫穂の行方の手掛かりを探す。エヴァの説得も諦めていない。
第四行動方針:落ち着いたら、明るい所でじっくりビュティの首輪を調べたい。
基本行動方針:誰にも死んで欲しくない。状況を打破するため情報を集め、この空間から脱出する。
[備考]
拾った双葉の型紐が切れたランドセルに荷物まとめて入れています。
インデックス自身のランドセルは壊れているので内容物の質量と大きさを無視できません。

【アリサ・バニングス@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:睡眠中、全身に軽い火傷(右腕・顔は無事)、左腕から出血(打撲、軽度)、背中から出血(深い切り傷)
    上記の怪我は全て応急処置済み。精神負担大(睡眠によって回復中)、足と両手に軽度の凍傷
[装備]:贄殿遮那@灼眼のシャナ、カレイドステッキ@Fate/stay night
[道具]:なし
[服装]:チャイナドレス。変身を解いたらショーツ一枚。
[思考]:……。
第一行動方針:なのはと話をする。
第二行動方針:リンク、インデックスと情報交換する。
第三行動方針:はやての遺志を継いで、なんとかする。
基本行動方針:(なのはと一緒に)ゲームからの脱出。

【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:気絶、残存魔力極小、両手首から軽く出血、背中に軽度の凍傷、
    頬骨と肋骨一本にヒビ、精神負担極大(破綻寸前)
[装備]:なし
[道具]:なし
[服装]:全裸
[思考]:……。
第一行動方針:不明。
第二行動方針:少なくともこの殺し合いが終わるまではヴィータを完全に行動不能にする(?)。
基本行動方針:ジェダを倒して生き残りで脱出。詳細は不明。
[備考]
アリサやインデックスの言葉をどう受けとめたのかは、まだ不明です。次以降の書き手さんに任せます。

※アリサとリンクたちは、まだ満足に情報交換をしていません。



    ※    ※    ※    ※    ※

忘れられた部屋の片隅で、パタリロは踏まれた餡パンのように潰れていた。
天井から真っ逆さまに落下したためである。

エヴァが呪文を中断し、すべての氷が霧散した時に、彼を封じ込めていた氷柱も一緒に砕けて散っていた。
もっとも、これはエヴァが意図したことではなく、『おわるせかい』の効果範囲ギリギリに偶然入っていたからだ。
彼の知らないところで始まった戦いは、彼の知らない間に終わっていた。

パタリロにしてみれば、氷に閉じ込められたと思った途端に転落したようなものである。
周囲を見渡すが、さっきの少女はいない。なにがなにやら、さっぱり事態を把握できなかった。

ともかく、あの金髪の少女は悪いヤツだと結論付けて、パタリロはもぞもぞと動き出した。

潰れているのはいまさらなので、彼にダメージはほとんどない。
全身が軽く霜焼けになっている程度だ。あとで痒くなるかも知れない。

「……ええい、人助けと思ってやったことなのに、酷い目に遭った。
 なんだか前にも、こんな風に思ったことがあったような気がするぞ?」

常春のマリネラに雪が降った時のことを思い出しながら、パタリロは暗澹たる口調で呟いた。

「人助けというのは、寒いものだなぁ……」


【A-3/工場内/1日目/真夜中】

【パタリロ=ド=マリネール8世@パタリロ!】
[状態]:全身に軽度の霜焼け、頭にたんこぶ、軽い貧血(回復中)
[装備]:S&W M29(残弾4/6発)@BLACK LAGOON、
[道具]:支給品一式(食料なし)、ロープ(30m)@現実、44マグナム予備弾17発(ローダー付き)
    せんべい、お茶菓子、コーヒー豆、がらくたがいくつか
[思考]:こーゆー時にはアレを踊るしかない!
第一行動方針:パパンがパン。
第二行動方針:今の自分の状況と、これからどうするかという事を整理する。
第三行動方針:勝手に周囲を調べに行った弥彦を見つけ、追いつく。チアキを発見して事情を問い質したい。
第四行動方針:仲間集め。チアキがマトモなら、彼女に弥彦を仲間として紹介したい。
第五行動方針:弥彦の持つ首輪を調べたい(道具や設備も確保したい)。
基本行動方針:好戦的な相手には応戦する。自分を騙そうとする相手には容赦しない。
最終行動方針:ジェダを倒してお宝ガッポリ。その後に時間移動で事件を根本から解決する。
[備考]
自分が受けている能力制限の範囲について大体理解しています。
弥彦を完全には信用していません。簡単に情報交換済みです。
よつばと藤木の死の真相について大雑把にですが勘付いて、千秋を少し疑っています。
キルアとエヴァを危険人物と認識しました。どちらも、名前は知りません。

※パタリロのいる部屋に、なのはの装備一式
 (ミニ八卦炉@東方Project、クロウカード『翔』@カードキャプターさくら、
  ヘルメスドライブ@武装錬金(破損中・核鉄状態、使用登録者アリサ)、
  エーテライト×2@MELTY BLOOD、はやての左腕)が散乱しています。


≪241:殺意×不殺×轟く雷光 時系列順に読む 243:幸せな嘘、嘘の幸せ
≪241:殺意×不殺×轟く雷光 投下順に読む 243:幸せな嘘、嘘の幸せ
≪236:みかけハこハゐがとんだいゝ人だ エヴァの登場SSを読む 245:臨時放送、あるいはイレギュラー
248:ワルプルギスの夜/宴の支度
≪238:Libido of sensitivity reaches paraisso...get it? リンクの登場SSを読む 245:臨時放送、あるいはイレギュラー
254:ワスレナグサ
≪238:Libido of sensitivity reaches paraisso...get it? インデックスの登場SSを読む 245:臨時放送、あるいはイレギュラー
254:ワスレナグサ
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254:ワスレナグサ
≪238:Libido of sensitivity reaches paraisso...get it? 高町なのはの登場SSを読む 245:臨時放送、あるいはイレギュラー
254:ワスレナグサ
≪236:みかけハこハゐがとんだいゝ人だ パタリロの登場SSを読む 245:臨時放送、あるいはイレギュラー
246:殿下がいく!





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