OP275GPZ / Analog Devices

デュアル バイポーラ/JFET オーディオOPAMP

2009年製
タイプ BiFET
電源電圧 ±4.5~22V
GBW 9MHz
スルーレート 22V/us
Vn 6nV@1kHz / 8nV@10Hz / Corner:18Hz
開ループ利得 106db
消費電流 4mA
出力電流 40mA
オーディオ向け
ボルテージフォロア
オリジナルベンダー Precision Monolithics
現行品/廃止品 現行品

型番・記号の意味:
OP - PMI社のオペアンプ製品の接頭記号
275 - 型番(先頭の2は2回路を表す)
G - グレード記号(Gは精度を犠牲にして動作温度範囲を広げたものにつけられる。ただしOP275はGグレードしかない)
P - PDIPパッケージ
Z - 無鉛品

現在はアナログデバイセズ(AD)の傘下に入っているプレシジョンモノリシック社(PMI)が開発したオーディオ用のBiFETオペアンプです。非常に評価の高い品種です。1回路版はありません。

このオペアンプはBiFET構造ですが、初段の構造がバイポーラトランジスタとJFETの並列になっている特殊なオペアンプです。
先に書いておきますが、このオペアンプはJFET入力ではありません。
これは入力部の簡略回路図ですが、よく見るとPch-JFETのゲートとPNP-Trのベースが並列になっています。従って入力端子からFET・BJTそれぞれにバイアス電流が流れます(当然、ほぼすべてがBJT側に流れる)。
このため入力バイアス電流が100nAとBiFETオペアンプとしては特別に大きく、入力インピーダンスも15Mオームと高くありません。したがって、FET入力としては使えません(というより、FET入力ではない)。

このような、バイポーラ・JFET並列入力の回路をメーカーでは「バトラーアンプフロントエンド」と呼んでおり、この構造のオペアンプは他にもいくつか開発されています。JFETの代わりにMOSFETを使ったものもあります(オリジナルの設計では、FETの代わりに真空管を使っていた)。
ほかにも変なところがあって、入力部にダイオード保護が入っていますが、よくあるダイオードの順方向電圧を利用したものではなく、背中合わせのツェナーダイオードが使われています。そのため保護電圧も±0.5Vや±1.2Vではなく、±7.5V(6.8V+0.7V)です。これもバトラー型特有の構造です。

さて音についてです。
聴いた感じではいわゆるドンシャリですが、ドンシャリものに多い歪感が少なく立派です。
目立つ欠点も無く、ノリよく聴かせてくれます。 OPA2134 を使っているがおとなしすぎると思う場合はこちらのほうが良いかもしれません(当然ですがFET入力必須の回路では置き換えできません)。
このような音を出すオペアンプはあまり無く、これがバトラーフロントエンドの効果なのかもしれません。

ちなみに、OP275の精密用バージョンがOP285です。


アナログデバイセズのOPAMP



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最終更新:2012年11月18日 00:42