涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「」で検索した結果

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  • 3人娘とキョン
    あたしは、今、SOS団室にいる。 周りを見ると、みくるちゃんはお茶入れ 有希は、本読み そして… キョンは、あたしの許可も無く寝てる 古泉君は、用事あるため、いない… ………暇だ、取りあえず…みくるちゃんと有希に言ってみる 「ねぇ、みくるちゃん、有希…何が話題無い?」 みくる「話題ですか?えーと…」 長門「……キョンの事」 …はい? 長門「…どう思ってるの?」 え!?ちょ…なんで、この話に!? みくる「気になりますね…どう思ってますか?」 ……くっ… 「み、みくるちゃんと有希はどう思ってるのよ!?」 みくる「えっ!?わ、私ですか!?」 長門「……」 こうなったら… 「はい!みくるちゃん、言ってみなさい!」 みくる「ふ、ふえぇ~…」   みくるサイド   わ、私ですか~?え?「早く言え」っても~… 分かりました!言います… 私は、初めてあった時は、優しい男だなと思いました… キョン君は…っと...
  • 続々・花嫁修行危機一髪
     枕元に置いた携帯が着信音を奏で、僕は手を伸ばしてそれを開いた。 普段、5時という早朝に着信があれば、閉鎖空間発生か、と飛び起きるのだが、 今回はおそらくあの人からだろうな、と見当がついていたのでベッドに潜ったままだ。 表示された名前はやはり。 通話ボタンを押す。 「もひ…もしもし、古泉です」 ぼんやりした頭で、なんとか呂律を回す。 『おはよう。 今からそちらに向かう』 ピンポーン 「…ん?」 『着いた』 「え……」 一秒も間を開けずにインターホンが鳴り、長門さんが携帯の向こうでそう言った。 始めから扉の前から電話していた…という訳でも無いのだろうな、彼女なら瞬間移動だってやりかねない。 通話の繋がりが、向こうから先に切れた。 目覚めて一番にこれだと、なかなか疲れる。 ピッキングだか情報操作だかで、僕が玄関に行かずとも彼女は入れるだろうと思い、 余りに眠いので掛け布団の下で丸くなっていると...
  • 七夕プレリュード
    「みくるちゃん、急に呼び出して何のよう?」 「実は涼宮さんに行って欲しい所があるんです。」 「珍しいわね、みくるちゃんがあたしにお願いなんて。」 「あの…詳しくは言えないんですけどとても重要なことなんです。今は何も聞かずにうんって言ってくれませんか。」 「団員の願いを聞くのも団長の仕事よね、いいわよ。それで?あたしは何処に行けばいいのかしら?」 「その――――」   7月6日、七夕前日。あたしたちは有希のマンションの屋上で天体観測をしていた。 「わぁ、お星様がきれいです」 「夕立が降ったおかげで空気が澄んでいますからね。」 おかげで去年の夏休みのときよりずっと星が見える。 「今日はよく星が見えるわね。みくるちゃん、望遠鏡をもう少し東に向けて見なさい。夏の大三角形が見れるわよ。」 「あっ、はぁーい。」 「夏の大三角形と言えばやっぱりベガとアルタイルよね。別にデネブがダメってわけじゃない...
  • 『lakeside love story』 3日目
    『lakeside love story』   《3日目》     静寂。 俺は目を覚ました。 まだ誰も起きていないみたいだな。 顔を洗い俺は外に出た。 「おぉ…」 そこで感じた物に声をあげた。 小鳥のさえずり、夏を感じさせない心地良い風、そして視界を奪う朝日の白色…… 「こいつはすげぇな…」     俺はどのくらい外に座っていただろうか。 完全に心を奪われていた。 「んっ……キョン?」 その声で俺は我に帰った。 ハルヒだ。 「どうした?」 「いや、目が覚めたらドアが開いてたから……」 そりゃ悪いことをしたな。     「すまん。それより顔洗ってこいよ、まだ目が開いてないぞ。」 ハルヒは顔を真っ赤にしていた、珍しく恥ずかしいのか。 「……っ!い、言われなくてもわかってるわよ!!」 と言って、中に戻って行った。 「さて、今日は何をするもんかねぇ」     朝飯はと言うと今日は長門が作るという...
  • 長門の湯
    『長門の湯』 なに、給湯器が壊れたから風呂には入れないだって。 なんてことだ、一日の疲れを癒すべくささやかな楽しみにしていた風呂に入れないとは、許しがたい暴挙だ、責任者、出て来い! と、ぼやいたところでどうしようもないが、ぼやかせてくれ。 「キョンくーん、行こうよー」 しかも、妹を連れて銭湯に行け、とは、うちの親も無茶なことをいう。なんだかんだ言ってもあの妹だって、すでに男湯には入れないような年頃だから、なにも俺が連れて行くこともなかろうに。 まぁ、いいか。たまには銭湯の大きな湯船にゆっくりつかるのもいいだろう。 そういえば、銭湯などというものには長らく行ったことがなかった。昔行ったはずの近所の銭湯も当然のように廃業して今はマンションが建っている。 しかたなく俺は、初めて銭湯に行くことにやたらとうきうきしている妹を連れて少し離れたところで今も営業をしている銭湯に向かってチャリンコを転...
  • 下衆谷口のなくころに ~尻隠し編~
    谷口「頭の中には夢いっぱい。おならのにおいが部屋いっぱい」   谷口「どうも。”何周しても花嫁はフローラ”谷口です」   谷口「本日は近所のレンタルビデオ店からお届けしております」 国木田「お届けするのはいいけど、堂々と山積みでAVを持ってこないでよ」 谷口「おやおや、レンタルビデオ店アルバイターの国木田くん。お客さんに向かってそんな言い方はないんじゃないかな? かな?」 国木田「宜しくない行為をするお客さんをたしなめるのも、店員の仕事だよ」 谷口「たは! これは手厳しい! 申し訳ない。実に申し訳ない。反省いたしました」 国木田「分かってくれればいいから。土下座はやめてよ。ものすごい当てつけがましいよ」 谷口「いやはやどうも」   谷口「それじゃあ、和やかな空気になったところで。手早く商品を袋につつんでくれたまえ」 国木田「ぜんぜん反省してないよね、キミ」 谷口「バカになっちゃうわよ!?...
  • 2月14日の出来事
    僕は今、おそらく普段の笑顔の仮面をどこかに置き忘れたような驚いた顔で目の前の長髪で 元気な先輩を見ています。なぜこんなことになったのか、冷静になるために今までの経過を思い出してみたいと思います。       窓の外の景色はどんどん緑が濃くなっていく…。 僕たちを乗せたバスは先日、宝探しをした時と同じ場所にむかっています。   ここで僕は周りを見てみた。長門さんはいつもどうり無表情、朝比奈さんは小さな欠伸をしては、 あわてて口元ふさいでいる、そして、涼宮さんは目をこすっていたかと思うと、少しいぶかしんだ表情で見ている彼を睨み返していた。今日は2月14日、周りの様子から察すると涼宮さんが 彼にチョコを渡すために長門さんと朝比奈さん、を巻き込んで昨日から今日の朝まで準備をしていた、といったところでしょうか。さてどんな事が僕と彼を待ち受けていることやら…、できれば先日のように山ひとつを掘り返すとい...
  • 古泉とちぇんじ
        サンタクロースをいつまで信じていたか、なんて事は、恐らくこの世界を普遍的に生き抜くにおいて何ら意味をなさない質問でしょう。しかしながら、いつまで僕がサンタクロースと言う四世紀頃の東ローマ帝国の教父聖ニコラウスを起源とした、何かが三倍なのかも知れない紅き紳士を信じていたかと言うと、物心ついた頃から信じていなかったと言うのが回答として適切でしょう。 というのも、理論的にあり得ませんからね。物理法則を捻じ曲げてまで見知らぬ子供のために不法侵入をするご老人なんて現実的ではありませんし、世界中に存在する何十億と言う子供のために用意するプレゼントの資金も非常にとんでもない額になるはずで、国家予算並にはなるでしょう。そんな巨額を1年周期で無差別に払えるとは思えませんし、時間をも捻じ曲げない限り1日で全てを配り終えることも絶対に不可能です。  そう、理論的にあり得ないのです。          【...
  • 長門有希の歌声
    「ぅ上野発の 夜行列車 ぉおりたときから~」  眉間には刻み込まれたような皺、すがり付くように握り締めるマイク、 俺と二人きりのカラオケボックスで、長門は本日数曲目のリクエストを熱唱している。 事の始まりはある日の不思議探索午前の部、長門と二人組になった俺が 『今日も図書館でも行くか?』 と聞いたところ、 「むしろカラオケ」 と答えられたのがきっかけだ。 「時間の経過とともに他との調和を保ちつつ変化する情報群、それはまさに宇宙の理想的な抽象形態の一つであり、  情報統合体の活動に対し高い親和性を持つ」 「それは私たちインターフェースに対しても同様。ノイズやゆらぎを膨大に含む有機体との接触によって蓄積された  エラーはそれらの活動をより単純、純粋に抽象化した情報群、一般に呼ばれる所の音楽に触れることによって解体、  再構成を効率的に行うことができる。」 「したがって、私たちインターフェースは...
  • キョンとハルヒの入院生活
    さて、今現在俺はとある病院のベッドに寝ている。 左腕と左足はガッチリとギプスで固められており、当たり前だが全く動かせない。ある意味左半身不随である。 と、ここまで表現すればもう俺が左腕と左足の骨を折ってしまったということは理解していただけるだろう。 とりあえずここまでの経緯を簡単に説明することにする。   事の始まりはハルヒが階段で足を滑らせたことだった。 ハルヒより数段下にいた俺はハルヒの悲鳴に驚いて後ろを見た瞬間に足をすくわれ、 そしてハルヒもろとも下の階まで転がり落ち、気付けば腕と足がポッキリと逝っていたというわけさ。 そりゃまあ、怒りの感情も少しは湧き出てきたが、あのハルヒに泣いて謝られたら誰だって許さざるを得ないだろう。 ただ、ハルヒも右足を折ってしまい、同じ病院に入院している。いや、同じ病院と言うと範囲が広すぎるだろうか。   「ねぇキョン、暇なんだけど、なんかおもしろいことな...
  • それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 3
    6,スタートライン  果たして中庭で待っていた古泉は開口一番に、 「緊急事態です」  と言った。微笑み、手には湯気の上がる紙コップの安コーヒーを二つ持って。一つを俺が受け取ると、少年はテーブルを挟んで対面に座った。  その様子と台詞が余りに俺の中で食い違う。「藪から棒に何を言ってやがるんだ、お前は」なんて言葉を俺は寸での所で飲み下して、ソイツの二の句を待つ。古泉はまるで焦っている様子も無く、のんびりとコーヒーに息を吹きかけてから口に運んだ。 「ゆったりコーヒー啜ってられる間は緊急なんて言葉を使うな。その内に俺が意味を履き違えるようになったらお前の責任だぞ」 「おやおや、これは責任重大だ。再来年のセンター試験で緊急の意味を問う問題が出ない事を祈りましょう。……まあ、」  少年は右手でカップを握りこんだままに遠くを見つめた。人差し指を伸ばす。 「このままでは今年度のセンター試...
  • 初恋3
    俺は目の前の状況をしばらくの間、正確に認識出来ないでいた。 なぜここにハルヒ達がいるんだ?まさか・・・ 「アンタの今日1日の行動はしっかり監視させてもらったわ」 得意げに語るハルヒ。 やはり・・・つけられていたのか・・・。 どうりで昨日は随分あっさりと俺の欠席を容認したはずだ。 最初から俺の欠席理由が嘘だと気付いてやがったのか。 まさに俺はハルヒの策略にまんまとハメられてしまったのだ。 「神聖なるSOS団の活動をサボって、しかもバレバレな嘘をついてまで、  そこまでして優先した用事がまさか年上女との密会だったとはね」 ハルヒはニヤニヤとした表情ではあるが、言葉の端々に怒気を孕んでいるようにも思えた。 朝比奈さんはオドオドと、そんなハルヒと俺の顔を交互に見ている。 どうしたらいいかわからないっていう感じの表情だ。 長門の視線は冷たい・・・絶対零度だ。怒ってるのか? そしてなぜか足元には真っ二...
  • 普通短編38
    長門「(この星で生活する事3年、色々な事を学んだけどまだまだ知らないことも少なくはない。)」 長門「魚卵…」 長門「鮭の卵は『いくら』、鰊の卵は『数の子』など別称がついている。」 長門「なのに…何故鱈の卵は『たらこ』…そのまんま…」 こうして今日も放課後、日は徐々に落ちてゆく…   「ちょっとみないでよぉ キョン」 いつも急ぎ足でこの部室へ逃げ帰ってるハルヒ なので足をかけて転ばせてみた 「いたぁぁ~い 何すんのよ!」 足をかけた 「擦りむいて かなり痛いわ これは慰謝料数百万ね」 無駄に高いな それより・・・ 「何よ」 今日はくまさん柄のパンツか 現在に至る 「言わないでよ 言ったら死刑だから!!」 今にも泣きそうなハルヒ 言っちゃうね 「やあああああああ 言わないでぇぇ」 反応がおもしろいな 言わねぇよ 言って何の得になる 「もうっ 馬鹿キョン・・・」 ハルヒに笑みが戻っ...
  • 少年達の雑談
    俺は今、谷口の家に来ている。 なんでかって?今日はSOS団の活動が休みだからだ。理由は知らん。 部活がないと早く帰れるから家でゴロゴロしようと思ったのだが 帰り道で話が盛り上がってしまい谷口の家で雑談をすることになったのだ。 ちなみにいるのは谷口、国木田、古泉、俺だ。 そして今何の話をしているかと言うと・・・・ 「俺が思うにやっぱ胸は大きい方がいいと思うんだ!!」 「いや、そんなことないです。大きさより形の方が重要ですよ」 「僕も古泉君に同意するね」 好みの胸の話だ。 思春期の男だからな。こういう話をしたっていいじゃないか。 そして今、最もくだらなく熱い闘いをしているわけだ。 「なんでだよ!!男だったら巨乳を愛せよ!な、キョン?」 「あぁ、そうだな。夢が大きい方がいいように 胸だって大きいほうがいいに決まってる」 「よく分からない例えをするのが好きですね。貴方は」 会話からも分かるように俺...
  • SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦  ―プロローグ―
    梅雨も終わり、いよいよ夏本番の暑さが到来し始めた。太陽の本領が発揮する季節だが、こと文芸部室には年中燦々と光を浴びせ続けられる人間がいる。 もちろん我らがSOS団団長こと、涼宮ハルヒその人である。ハルヒは引きこもりよろしくネットサーフィンに興じている。全く、文芸部室は天の岩戸じゃないんだ。だが、俺としてはこのまま引きこもっててもらいたい理由があった。あまり他の人に見つかって欲しくないからな。ただ、ハルヒだけじゃなく俺も出歩きたくは無い。何故かって?では今日起きた悪夢だと思いたい出来事を話さなければいけない。話したくは無いが、話さないと話が進まないからな… ……………… 朝から照り付ける太陽のせいで、学校について最早帰ろうか等と考えたが、タイミング悪く玄関でそれを許してくれるとは思えない奴に遭遇した。ハルヒである。挨拶もそこそこに、ハルヒが内履きを取り出そうと下駄箱を開けた瞬間、数枚の手...
  • 女古泉’ちゃん’の憂鬱 第四話「涙の宅配CoCo」
    第四話 「マッGIRL!!」   「・・・・・」 何となく屋上で寝っ転がって空を見上げる。   ――――――――――――。   誰も居ない屋上だから当然静かで、   ――ザワ――ザワ――――。   足音も喧騒も聞こえるのは校庭からのみ。 そんな感じだからだろうか。少し寂しい。 早く放課後の喧騒が欲しい。そして何よりも彼の顔が見たい。 最近とても僕の中で彼の存在が大きくなっていく。 好きだった気持ちが更に好きになって、もっと好きになって好きになる。 キョンくんが僕を占領していくのだ。 手を空に伸ばしてみる。あんなに雲が近くに見えるのに、実際は凄い遠くにある。だから掴めない。 まるで、僕とキョンくんのように。 いつもあんなに近いから手を伸ばして掴んではいるけど、本当のキョンくんを掴んだことは無い。 どうしたら捕まえられるのかな。機関に居る限りは無理なのかな。 愛されたいって願ったら駄目だよね。...
  • 立場(あらすじ)
    立場 「立場」のサブテーマと、簡単なあらすじです。 1-家 連作短編 立場(無印) 立場(風船) 立場(矛盾) 立場(運河) 短編 立場(家) 時間が流れるに従い、自らの立つ場所は変わってしまう… 特別な立場を持った彼らにとって、SOS団は家そのものであった。 2-川 連作短編 立場(運河) 立場(対立) 立場(理・) 立場(・解) 短編 立場(時) 消失世界の『あの人』が突如としてキョンの前に現れる。 この世界に必要とされる立場がない彼女は、「自分は存在していない」と言い切るのだが… 3-輪 連作短編 立場(理・) 立場(・解) 長編 立場(沼男)α 短...
  • 涼宮ハルヒの記憶
    「あんた・・・誰?」   俺に向かってそう言ったのは涼宮ハルヒだ。 あんた?誰?ふざけてるのか?嘘をつくならもっとわかりやすい嘘をついてくれよ!   だがハルヒのこの言葉は嘘でも冗談でもなかった。 この状況を説明するには昨日の夕刻まで遡らなければならない。   その日も俺はいつものように部室で古泉とチェスで遊んでいた。 朝比奈さんはメイド服姿で部屋の掃除をし、長門はいつものように椅子に座って膝の上で分厚いハードカバーを広げている。 ハルヒは団長机のパソコンとにらめっこしている。 いつものSOS団の日常だった。 「チェックメイト。俺の勝ちだな古泉!」 俺はいつものように勝利する。 「また負けてしまいましたか。・・・相変わらずお強いですね。」 微笑みながらこっちをみる古泉。 俺が強い?言っておくが俺は特別強くなんかないぞ!おまえが弱すぎるんだよ古泉! まぁこの微笑野郎が本気でやっているかどうか...
  • SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦 ―試練その1 その2―
    適性検査の後、「試練その1 知能テスト」を行うことになった。問題は中学生レベルの五教科総合百点満点の試験を行なうというものであった。 試験の内容は盛り上がりも何もない、単なるテストなので割愛させていただく。 分かっているかもしれないが、先ほどのハルヒの宣告により、俺もテストを受けさせられていた。 しかも俺の点数を基準にし、俺の点数未満のものを失格にするという。 『あんたわかってるんでしょうね?この前の期末テストみたいな点数取ったらタダじゃおかないからね!』と死の宣告を受けつつ。 …夏休みに宿題以外の勉強をさせられるハメになるとは、やれやれだぜ。 テストが終わると鶴屋家の助っ人数十人が採点をした。さすがにこれだけいるとあっという間だ。 先ほどのハルヒの宣言により、試験を受けるハメになった俺はひぃひぃ言いながらも問題を解いていた。 信じられないことは起きるものだな。俺自身が一番吃驚しているの...
  • 涼宮ハルヒの仮入部~手芸部編~
    「今日は、みなさんと一緒に、枕カバーを、縫っていこうと思います」 満面の笑みで手芸部の部長さんがそう言う。 今日、枕カバーを縫うということは、部員募集のポスターにも書いてあったから、予定通り。 何で、枕カバーなのかは分からないけど、もともと手芸部に入ろうとしていたわたしからしてみれば、なんでもいい。 にしても、満面の笑みの部長さんとは対象的に、あたしの隣に座っている子は初めて顔を見たときから、ずっと無愛想。 涼宮ハルヒ この子ほど衝撃的な自己紹介をあたしは今まで見たことがない。 今となっては、あれがウケ狙いだったのか、マジメに言ったのか分からないけど。 多分、あの口調ぶりからしてマジメだったのだろうと思う。 ところで、涼宮さんが座っているのはあたしの右隣。 あたしの左隣には剣持さん、その隣には瀬能さんが座っている。 あたし達3人は昔からの仲良し3人組。 なんだけど、高校に入って、...
  • 柑橘の香りがする日には
    「あれー?キョンくーん、あたしのプリン知らなーい?」  「あ、あれお前のだったのか。すまん、食っちまった」  「えー!?酷いよぉキョンくん!!」  …はあ、やれやれだぜ  折角の日曜、不思議探索もなく機嫌も最高潮であり、調子に乗って冷蔵庫にあったモロゾフのプリンを食して大いにくつろいでいた俺は、妹の悲痛な叫びにより都心の百貨店にあるモロゾフの店までプリンを買いに走らされていた。……俺にはなにかがとりついているのかもしれん。みこみこ朝比奈さんに祓って貰おうかな。  そんな軽口を頭の中で叩くのもしんどい……あー、不幸だ  「……次はー、三宮ー、三宮ー」  お、もう着いたのか……早いな。  よっこらせっと……さあ、行くとしますか。……平和だなぁ  しかし、俺は脳裏に浮かぶ(また何か起こるんじゃないか?)という不安を拭い去ることはできなかった……  ~~~~~~~~~~  「えーと……食品街は分...
  • クリスマスイブ、独り身の女二人
    クリスマスイブ、独り身の女二人  川沿いの桜並木。  朝比奈みくるは、ベンチに座って、空を眺めていた。  空からは、ふわふわと雪が舞い降りてくる。  この時間平面はいわゆるクリスマスイブ。  そんな日の夜に、こんなところにいる人間は多くない。一般的にいえば、桜は春に愛でるものだ。  彼女がここに来たのは、特に理由があるわけでもなかった。この時代に遡行したときは、許される限りは、ここに来ることが習慣化している。ただ、それだけのこと。  あえて理由をつけるなら、ここがとても思い出深い場所だから、とでもいうべきだろうか。  彼女の今回の任務は既に完了している。部下たちは、原時間平面に帰還させた。  彼女がこの時間平面に無駄に滞在することが許されているのは、組織内での彼女の地位が確固たるものであり、多少のわがままが通るからにほかならない。  ふと見ると、人影が見えた。徐々に近づいてくる。  ...
  • 台風一過のハレの日に:第二章
    『台風一過のハレの日に』       ○ 第二章:親睦   「えー、それではみなさん! これよりSOS団主催、鶴屋杯争奪、こゆきちゃん歓迎大ボウリング大会を開催いたします!」 すっくと椅子の上に仁王立ちし、いつものように腰に手を当てて高らかに宣言するハルヒ。単なる開会宣言にしては態度がでかいが、気にするのも無駄なことだ。 「まずは、SOS団名誉顧問、鶴屋さんに開会のご挨拶を頂きたいと思います。鶴屋さん、どーぞ!!」 「いやー、ただいまご紹介いただいた、鶴屋でっす! 硬い挨拶は抜きだ、みんな、こゆきちゃんとの再会を祝って、めっがっさ楽しむっさ!」 この二人に任せたら、また南の海上でうろついている次の台風でさえ遥か彼方に飛んでいってしまう、そんな勢いだ。 昨日のカレーパーティで決まったように、今日はこゆきの歓迎のためのボウリング大会が開催されている。 そのこゆきと長門はほぼお揃いの格好をして鶴...
  • SOS団の非日常
      SOS団の非日常 序章,SOS団の非日常的日常 一章,古泉一樹の能力
  • 長門有希の報告Report.4
    Report.04 涼宮ハルヒの認識(後編)  朝、廊下。わたしはいつもの時間に登校して、いつものように自分の教室へ向かっていた。  前を見ると、涼宮ハルヒが、手に紙束を持ち、わたしに向かって歩いてきた。そしてわたしの近くまで来ると、突然、 「わっ!?」  何もないところで躓いて転んだ。手に持っていた紙束が主にわたしに向けて盛大に撒き散らされる。 「わっ、わっ、わっ……!?」  涼宮ハルヒはあたふたしながら紙を拾い集めだした。 「あっ、そ、そこの、カーディガンの人! てっ、手伝ってくれませんかっ!?」  わたしの目を見て必死に何かを訴えかけながら言った。  涼宮ハルヒのすることには必ず理由がある。わたしは肯くと、紙を拾い集めるのを手伝った。散らばった紙をすべて拾い集め、わたしが拾った分を涼宮ハルヒに手渡そうとすると、彼女は素早くわたしの手首を両手で掴むと、一気に自分の近くに引き寄せた。 ...
  • 「キョンの消失(仮)」
    さて俺はSOS団御用達の例の喫茶店にいる まぁいつもと違うところと言えば俺が皆と一緒のテーブルに座っていないというとこだ なぜ一緒に座っていないかというとそれは昨日に遡る 現在学年末休業、通称春休みの真っ最中 なぜか休みの間というものは夜型になってしまうもので ゲームをしつつ日付が変わるまで起きていたので今日は昼まで布団に包まっていようとは思ったのだが なんの前触れもなく鳴った携帯電話によって俺の安眠は妨害された これで電話をかけてきた相手が朝比奈さんなら妨害された俺の安眠も浮かばれるのだが ディスプレイに表示された名前は「涼宮ハルヒ」 無視しようとも思ったが無視すると財布に無理なダイエットをさせることになっちまう 観念して俺は携帯の通話ボタンを押す 「電話に出るのが遅いわよキョン、明日いつもの喫茶店に朝10時ね」 いつものことながらこちらの予定は一切無視できやがった まぁ、予定など一切入...
  • いつも曜日は九曜日
    プロローグ兼ねた第一話「九曜、髪をすいてみました」 第二話「タニグチシュツゲキ」 第三話「タニグチ、ゲキツイ」 第四話「九曜、死闘してみました@前編」
  •  「涼宮ハルヒの陰謀」改(ギャグ)
    *注意:この物語はフィクションです。実在の人物とは一切関係ありません。   シーン0 プロローグ  佐々木がおとなしい。  憂鬱そうでも溜息を漏らすわけでも、実を言うと退屈そうにも見えないのだが、ここ最近奇妙な静けさを感じさせ、その正体不明なおとなしさが俺なんかにはけっこう不気味だ。  もちろん、ただ物理的に静かにしているわけではなく、ましてやあの小難しいおしゃべりがなくなったわけでもない。でも、何というか、いつものキレがないように思われたのである。  (中略)  一時的な平穏は、次に来る大津波を予言する確かな前兆に他ならない。いつもがそうだったようにさ。    ──という、適当な文章で、強引に開幕。     シーン1 豆まき 「僕はね、『泣いた赤鬼』を読んで以来、周囲の評価のみに流されず自己の目で客観的な判断を下すことの重要性を認識しているというわけだ。だからね、キョン。君も青鬼に会...
  • 『God knows』 11章
    『God knows』 ~11章~ 寒い冬。 俺は冬服とコートに身を包んだみくるさんと手を繋ぎ、坂を登っている。 「もう、すっかり真冬……ですねぇ…寒い、です。」 俺はクリスマスにみくるさんからもらったマフラーをかけてやった。 「これ、使ってください。俺はみくるさんと手、繋ぐだけで暖かいですから。」 我ながら歯の浮くようなセリフを吐いたな。 「あ、ん~…でもぉ……せっかく、作ったんですよ?キョンくんに……つ、使って欲しい、です……。」 みくるさんは少し膨れっ面で俺を上目遣いで見てくる。 何度見ても、正直、たまりません。 俺は、少し長めに作ってあるマフラーを少し自分の首にかけた。 「これなら、一緒に使えますね。……少しくっついて窮屈ですけどね。」 「うふふふふ、窮屈だけど……あったかい、です♪」 最近は家の中でも外でもくっつく事が多いな。だって、寒いだろ? だからと言って、俺達はまだ、...
  • >>DEAR. 1
    僕は、あなたが好きで好きで仕方がありませんでした。 でも、今のあなたは……   と、ここまで書いて携帯を閉じる。 ふうっと深い溜め息が出る。 脳裏に浮かんだのは僕では無く 彼 に向けられた笑顔で。 何ですか?彼にあって僕には無いもの。     『 DEAR.』   10分間のまどろみを捨てきれず妹にボディプレスで起こされ、遅刻ギリギリに教室に滑り込む。 今日もまた変わらない一日が始まるんだな。 あの黄色いカチューシャを見つけて疲労感が朝から募る。今日は何を言い出すのか。想像するだけで俺の背中は自然と丸まる。 この生活に満足しているんだろう、とか言ったら負けだ。ハルヒに振り回されるのも慣れたもんだが、それでも毎日となるとうんざりするってもんだ。 まあ、だからと言ってこの生活を手放すのも嫌なんだがな。   と、こんなことを思いながら席に着く。悲しいかな、体を90度横に傾けてハルヒの不機嫌顔...
  • 寒中暖あり
     俺とハルヒの腐れ縁ももうすぐ2年になる。別に二人揃って仲良くデートだのするわけでも手を握り合うわけでもなく、ましてやどちらかが好きだとも言ったわけでもないのだが、何も言わずともお互いの気持ちは通じているように思う。ハルヒはハルヒのままで変わらないが、気がつくとお互い側にいる。そんな関係だ。そんな俺たち二人を長門は無表情で、古泉はそれこそ生暖かく、朝比奈さんは時々残念そうに(なぜ?)見守ってくれている。  籠城していた冬将軍も追われるように遠ざかり教科書のような西高東低の天気図が崩壊した寒気も緩んだある冬の日の放課後、俺は部室のドアを開けた。部室にはパイプ椅子にちょこんと座ってこんにちはとにっこりと微笑んでくれる朝比奈さんと、いつものように分厚いハードカバーから目を離さない長門。ハルヒは、今週は掃除当番なので遅れてくるだろう。古泉もまだ来ていなかった。  二人に軽く挨拶しながら俺の定位...
  • 7月未明の超能力者と宇宙人の主な動向
    「長門さん?」 「……」 「長門さん、聞いてますか?」 「……」 「お~い。」 「……」 三点リーダ連続の長門さんはさておき、昨日の回想をしましょう。 昨日は大変でした。 部活中――いえ、正確には僕が部室に到着した時――涼宮さんが、もう何度目かと思う彼との大喧嘩を繰り広げていました。 時すでに遅く、涼宮さんは廊下に響き渡る大声で何らかを叫び、彼は苦虫を噛み潰した表情で、また言い返します。 その脇で、朝比奈さんは、しゃがみ込んでお気に入りの湯飲みに涙を集めてしまっているし、長門さんは本を広げる事もなく、顔を上げ、その大きな黒瞳で涼宮さんの姿を観察していた。 絶望宣言。 今夜の僕とその仲間たちの睡眠時間は恐らく皆無です。 いえ、これからしばらく仮眠もままならないでしょう。 怒り肩をしながら廊下を大股で歩いてみせる彼女の背中は、すごくその後ろ髪を部室に引かれているように思えました。 ...
  • 今夜はブギー・バック
    鈴の音、響き渡る。 靴音。 近づいてくる。 この店は貸切。 ウェイタすらいない店で一人佇んでいた僕は侵入者に声を掛ける。 「お一人様ですか?」 「知らん。後から誰か来るのかも知っているのは俺じゃない。お前だ」 僕は微笑む。君も苦笑い。 「ご注文は?」 「何が有るんだよ」 「何でも有りますよ」 まるで手品の様に。 「望むなら、何だって。貴方の手に入るでしょう」 「そっか。そうだな。そんなつまらない生き方はお断りだが」 「相変わらず欲の無い人だ」 「俺が欲なんざ持ってたら、きっとお前は今でもあの制服を着てるだろうさ」 「貴方も、ね」 とりあえず、と僕はグラスを差し出す。氷が揺れる。硬質の音を立てる。 「ロックでよろしかったですか?」 「尋ねるまでも無いよな。望むものが出て来るだろ?」 「それが、この店の売りです」 二つのグラスを打ち鳴らす。 「お帰りなさい」 「遅いんだよ、迎えに来るのが」 彼...
  • 涼宮ハルヒの演技
    「あのね、涼宮さんに聞きたいことがあるのね」 「何?」   放課後の教室で、文芸部室に向かおうとしていた俺とハルヒに話しかけてきたのは阪中だ。もちろん返事をしたのはハルヒだ。俺はこんなにそっけない返事はしない、だろう。 「キョンくんにも聞いてほしいのね。相談何だけど…」   阪中の話によると、阪中は面識のあまりない隣のクラスの男子生徒から告白されたらしい。しかし阪中はその男子生徒の事を良く思ってなく断りたいのだが、どう断ったら良いのかわからない。 そこで、中学時代に数々の男をフッてきたハルヒに聞いてみようと考えたらしい。俺は完全にオマケだ。   「でね、明日の放課後にもう一度気持ちを伝えるから、そのときに返事を聞かせてくれって言われたのね」 「そんなの興味ない、の一言で終わりじゃない! 何でそんな簡単なこと言えないのかしら」 「おいおいハルヒ、阪中は普通の女子生徒だぞ? もう少し阪...
  • エッチな短編5
    朝比奈さんと二人きりの部室で…俺は朝比奈さんがてずから炒れてくれたお茶を煤っていた… みくる「みなさん遅いですね~」 キョン「そうですね…」 なんて他愛の無い話しをしながらも俺の視線は朝比奈さんの一部――オッパイ――に集中させていたその時、   朝比奈(右乳)「こっちの乳頭はあ~まいぞ~」 朝比奈(左乳)「こっちの乳頭もあ~まいぞ~」     朝比奈さんのオッパイが語りかけてきた気がしたんだ…だから、 キョン「その…朝比奈さん、オッパイ触っていいですか?」 俺がこんなことを口走ってもなんらおかしいことではないのだ。     みくる「ふぇっ!? ぁ…その…キョンくんになら……どうぞ…///」 マジかよっ!?やった!言ってみるもんだな実際! 俺は無言で朝比奈さんのメイド服を脱がし、互いに自己主張する乳頭を寄せて両成敗してやった……     チュウチュウー     そして趣に手を股間へ… みくる...
  • 一本の樹 前編
       「バイトがあるので今日は先に失礼します」  にやけ面がドアから顔だけ覗かせ帰る、一見すると日常に見える非日常のサイン。これから身体を張らなくちゃならん面倒事が待っているというのに、よくもまあにやけていられるものだ。関心なぞしてやらんがね。 「古泉君帰っちゃったの?この間のお礼に勲章をあげようと思ってたのに」  古泉と入れ替わりに部室に現れたハルヒが残念そうに言っている。ていうかくだらないことを考えるな。副団長の腕章をもらったときに古泉がしてみせた気持ち悪いウィンクを思い出しちまったじゃねえか。 「まあバイトなら仕方ないわね。明日また渡すことにするわ!」  ハルヒは今日も上機嫌だ。これというのも、先日の『脚本・監督:古泉・機関』『主演:俺』の恥ずかしいホワイトデー企画が功を奏したお陰なわけだ。あれは本当に恥ずかしかった。詳細は・・・すまん思い出したくない。  しかし、...
  • 二人だけの時間
       わたしは今、先生に頼まれて、下級生の教室まで向かっています。  えっと、プリントを届けないと行けないんですよね。  一年九組、うん、ここですね。 「あのう……」  扉の外から呼びかけてみましたけど、返事はありません。  おかしいなあと思いながら、わたしは空いている方の手で扉を開きました。  そうしたら、教室には誰もいませんでした。 「あれ……」  ううん、何ででしょう。休み時間とはいえ午前中ですから、誰もいないなんてことは……、そう思って教室中を見渡したわたしは、黒板の横にかかっていた時間割を見てその理由に気づきました。ちょうど今、このクラスは、二時限連続での授業の途中みたいです。  そっかあ、だから誰も居なかったんですね。 「えっと、これで良いですよね」  プリントを置いて、わたしは教室を立ち去ろうとしました。  ちょうど、そのときのことです。  教室のどこからか、音楽が聞こえて...
  • 涼宮ハルヒの団結 第七章
     午前中。休み時間とは名ばかりの、次の授業への移行時間かつ執行猶予時間の際。  俺は……古泉は登校しているのだろうか、長門はどうしているだろうかなどを自分の席に着いたまま黙考していた。 「どうしたんだい? あまり元気がないみたいだけど。なにか悩みでもあるの?」  国木田はこちらへと近づきつつ俺に問いかけ、俺は背後にハルヒが居ないことを確認すると、 「……悩みが多すぎるのが悩みだな。正直まいってるよ」 「ふうん。てかさ、涼宮さんも何だか元気がないみたいだね。ひょっとしてケンカした?」  普通は聞きにくいようなことを飄々と聞いてきた。国木田よ、俺とハルヒはケンカするほど仲が良いわけじゃ……。  いや、あるのか。いつも俺がボッコボコにされてるが。国木田はなおも飄々と、 「聞きにくいって? もしかして、キョンと涼宮さんのケンカは犬も食わない感じになってるの? それなら、僕がそれを聞いちゃったのは野...
  • 家族の絆
    悪くない家族計画の続きです。 まだか……。ちくしょう。 なにも出来ない自分の無力さに苛立ち、腹が立ってくる。 くそっ、ハルヒはあんなにも苦しんでいるってのに……なにか出来ることはないのか……。   有「おとうさん。」   キ「…っと、すまん、なんだ?有希。」   有「…落ち着いて」   そこで、今、自分が意味もなくウロウロと歩き回っていることに気が付いた。 さっきまでそこの長椅子に座っていたばずだったがいつのまにか立って歩き回っていたらしい。 そんな自分の行動にも気が付かないほどおれは落ち着きを無くしていた。   今、おれと有希は病院にいる。そして目の前にある扉の向こうにいるハルヒのことを案じているわけだが、 別になにか大きな怪我をしたとか病気なわけではない。扉には分娩室と書いてある。 そう、おれと有希はハルヒとおれの子供が産まれてくるのを今か今かと待ちわびているわけだ。 ふぅっ…。ひ...
  • 機関の動乱 その1
     灰色。  どこまでも灰色が続く。  大きなビル、普段は子供がにぎわう校庭、渋滞が常態化した高速道路。それら全てに人は一人としておらず、 ただきれいに塗られた灰色のペンキだけが、その無人地帯を埋めている。いや、灰色が人を塗りつぶしてしまったと 言うべきだろうか。  しかし、そんな一色無人の世界だが誰もいないわけではなかった。  逆にその目映い存在は100万の人間よりも大きな存在感と威圧感を周辺地帯に蔓延させ、この何もない 閉鎖空間にある種の強大な活力を生み出していた。  輝きを放つその躰、超高層ビルに匹敵する巨大な人型の物体。外見を計算し推測したならば、 自立すらできない形状のそれがひとたび腕を振るえば、常識を逸脱した破壊力を生み出す。 たった腕の一振りでビルを刀で切り落とすように叩き切り、踏み出す一歩は強烈な振動を周辺にまき散らして 脆い建物はそれに耐えきれずばらばらと崩れていく。  そ...
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