「なあハルヒ、ちょっと付き合ってくれないか?」 
今、俺はハルヒと港を見下ろせる喫茶店に来ている、もちろん俺の奢りだ。
客は俺たち以外誰もいない、店員は夏合宿の時の執事、、、何ていったか忘れたが、あの人に似たマスターががコーヒー豆を挽いている。



ハルヒのマシンガントークを掻い潜り、外の風景を眺めつつ、もう二度と行くことのない文芸部室のことを思い出す。

こんなことは今までなかった。

俺はおまえから離れなくてはいけない。

コーヒーを飲み終わり、一段落ついて俺らは外に出た。
芝生に座り海を見る。

青い海とマーマレード色に染まっている空が、この世でないぐらい美しい。

ハルヒはオレンジジュースの飲み過ぎで橙は見たくないらしく、芝生をむしって遊んでいる



キョン「なあハルヒ、たのんでいいか?」

ある日、部室に行ったら本を読んでいない長門と、真面目な顔をした古泉と朝比奈さんがいた。

長門「あなた、死ぬ」

おいおい、いきなりそれか、つまらん洒落は止めな洒落だ

古泉「長門さんが言ってることは本当ですよ、あなたは死にます、確実に」

はいはい、顔近いぞー

長門「明後日、午後七時ごろ心臓麻痺で死ぬことになっている」

某ノートじゃあるまいし

古泉「マジですよ、残念ながら」

キョン「朝比奈さん、未来から来たならそれが本当かどうかわかりますよね?」

みくる「禁則事項です」

キョン「なあ長門、生きることはできないのか?」

長門「できないことはない、しかし、朝比奈みくるが消える可能性がある」

朝比奈さんの顔が強ばったのは気のせいか

「朝比奈みくるが消えなくても、」

キョン「ああ、その辺はなんとなくわかる、映画で見たしゲームでも味わった」

古泉「残念ですね、まだ一緒にいたかったのですが。
時にキョンたん、韓国映画は不治の病が流行らしいですね、涼宮さんも見たのでしょう」




キョン「なあハルヒ、頼んでいいか?」

キョトンとした目でこっちを見ている。

「歌を歌ってほしいんだ。ほら、文化祭で歌ったやつ。」

何よ急にと言いながら口ずさみ始めた




パチパチパチパチ

キョン「さんきゅ、もひとついいか?」

「もうその歌を歌わないでほしい」

はぁ?こいつ頭おかしいんじゃないのという目で見られてしまった。

大丈夫、頭はまだ大丈夫だ

ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
鴨先生もうまく言ったな、マーマレードの空はもうブルーベリーだ。
長門曰く心臓麻痺らしいが、体のどこそこ痛いぞ、しかも動かねぇ、うそつきめ。


ああ、もうそろそろ時間だ最後だろうな、なあハルヒ、

今俺は笑ってるか?


なあ、

おい、

どこに行くんだ、

おい、






馬鹿・・・・

どうしたのかしらキョン、急に歌えだの歌うなだの、頭おかしくなっちゃったのかしら。
まあいいわ、この団長様の貴重な休日を無駄に過ごさせたんだからね、まあ、楽しかったけど。
もうそろそろ冬ね、ねえキョン、またここに星でもみに来ましょう、今度はお弁当もってきてあげるわ

…………


ハルヒ「ちょっとキョン、いま私のこと馬鹿って」










…………返事がない、ただの屍のようだ。

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最終更新:2007年01月14日 01:37