ハルヒ「紅茶……でいいわよね? コーヒーきらしちゃってるから」

――カチャ

ハルヒ「ハーブには心を落ち着かせる効用もあるし、タンニンは体にいいわ。 ……飲まないの?」

――カチャ

ハルヒ「……そう。まあいいわ、別にお茶が飲みたくて、来てるわけじゃないもの、ね?」

ハルヒ「……正直なところ、私はどうかしてたと思うわ……不思議探索なんて……」

ハルヒ「え……? あ、違うわよ。今のことじゃなくて、中学の頃の話。」

ハルヒ「……自分でもわかってたわ。無駄に知識だけ持った子供が、公園走り回って、自分の知らないことを見つけるなんて……ありはしないわよ……」

――ズズッ

ハルヒ「それが元で、変人扱いされて……友達もいなくて……損ばっかりじゃない、私のすることとは思えないわ。」

ハルヒ「でも、だからといって、すぐそれをやめられるかなんて、出来ない。そんなこと……」

ハルヒ「どうして……って……バカみたいじゃない……探索なんてやめて、誰かと仲良くなって『あの時は何してたの?』なんて聞かれたら……」

ハルヒ「……不思議探索してました。なんて言えるわけない、それだけでまた壁ができるわ」

――プハァッ

ハルヒ「ねぇ…私どうしたらいいのかな? 答えてよウニョノペーニョ星人…」


ハルヒ「無駄なことに時間を費やしていた、なんて思われたくないし、嫌じゃない。そんなの。」

ハルヒ「……まあね、そのままそうしてるのだって、変なのかもしれないわ。でも……」

ハルヒ「でも、例えばの話……高い代金を払って自分で買った本が、すごくつまらなかった、とするわ。」

ハルヒ「いいから、例えば、よ、例えば……! でね、それをつまらないってわかっていながら、誰かに貸したとして……」

ハルヒ「で、当然その誰かは、私の本をつまらないっていうじゃない? でもそれってどう?」

ハルヒ「……嫌よね? つまらないのはわかってるけど、大金はたいて買ったものを他人に批判されるなんて。」

ハルヒ「だから、私は悔しいから、その誰かにありったけの知識振り絞って、その本が実は凄く深い、だとか、不明瞭な価値をつけるのよ。」

ハルヒ「だって、バカみたいに損したなんて思われたくないもの。」

ハルヒ「……ま、つまりそれと同じよ。私自身がそれが無価値なものだと認めるのを拒んだ結果、それに価値をつける形になったってわけ。」

ハルヒ「この場合は、『本』が不思議探索で、『高い代金』が私の時間、わかるよねウニョニョモンペーユ星人?」

――ガチャ


ハルヒ「! キョ、キョン…今日は来てくれたんだ…」

――キョロキョロ

キョン「おお、ナガ~~ト、ウヴァテュ、
ジュテ~~~~~~~~~~ム
ケスコンヴァフェ~~ルドゥマ~~~ン」

――ガチャ スタコラサッサー

ハルヒ「あ! ちょ、ちょっとちょっと待ちなさいよ! バカ  ………それでね、今でも高校入学当時のことはよく思い出すけど……あんな自己紹介……電波キテるって、思わなかった……?」

ハルヒ「しょ……正直な、って、ちょっと……! 失礼ね……! ……でも、私も……今はそう思うわ……」

ハルヒ「普通の人間には興味ありません……この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら……か……」

ハルヒ「はっきりいって……辛かったんだから、あんなの……でもやるしかなかった……!」

ハルヒ「私だって……高校入ったら、心機一転して誰かと仲良くして普通でもいいから平和な毎日を送りたいってずっと思ってたわよ……!」

ハルヒ「でも、私が高校に入って急に『普通』になったら……同じ中学の奴ら……どう思うと思う?」

ハルヒ「あ~あ、やっぱり中学時代寂しかったんだ……頭おかしいふりしてると友達できないから丸くなったんだ……とかでしょ?」

ハルヒ「そんなこと思われたら……私の中学時代はなんだったのって話になるのよ……」

ハルヒ「だから……私は私のやってきた方々を意地張ってやり通すしかなかったの……!」

ハルヒ「辛かったわ……! 本当に辛かった……! 家に帰って……明日、みんなに頭おかしいと思われるために何しなきゃいけないか考えるの……!」

ハルヒ「ずっとずっと私は泣いてた……ああどうしてこうなっちゃったんだろう……どうして普通の学校生活も送れなくなっちゃったんだろ……って」

――WAWAWA忘れ物~♪

ハルヒ「明日はどうしよう……明後日はどうしよう……誰か助けて……そう思って……た……」

――ふんもっふ!

ハルヒ「昔の好奇心からでたツケはこんなにも私に重くのしかかるなんて……本当に救いのカケラもないわ……」

――うおっ!?ごゆっくrアッー!


―――ガチャ ってうるさーーっい!よそでヤんなさいよ馬鹿口!

ハルヒ「でもね……そこに初めて救いの手が見えたのよ……」

――ガタッ

ハルヒ「それが……ウニョ……ウニョなんたら…ぺ?…ああもう!馬鹿のせいで名前忘れちゃったじゃない!」

ハルヒ「えっと……今のSOS団のこと考えると……私は私のやり方を貫いてきて本当に良かったって……思えるのよ……」

ハルヒ「初めて神様が私を見てくれた……ってね」

ハルヒ「だから、あんな仲間の集め方もしたし、強引過ぎるとも思ったわ……」

ハルヒ「でも……でも私はウニョッペを……失いたくなかった……!」

ハルヒ「だから……だからってのも言い訳かもしれないけど……今は……あれでよかったって思えるのよ……」
――ひゃ~い

ハルヒ「我が侭なのかもしれないけどブリッコうぜぇ……止まない雨は確かになかった……って……」

――ひゃひゃひゃひゃ~いひゃいひゃひゃ~い

ハルヒ「……今スクラッチしたわよね? え?ううん、なんでもないわ」

――ガチャ

ハルヒ「あら有希どうしたの?え……? 帰るの……? そ、そっか……もう遅いからね、気をつけて帰りなさいよ!バイバイ……」

ハルヒ「はぁ……キョン、明日は来てくれるかな?」

――ポン

ハルヒ「え、誰……?」

主流派「まぁ生きてればそのうち良い事あるって!クヨクヨすんなよ、ナッ!」

ハルヒ(うわこのオッサンものごっつ殴りてぇ……)

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最終更新:2020年03月12日 11:13