「あら、なにかしらこれ。」
私が下校の途中、道端に一冊の黒塗りのノートが落ちていた。
「デス・・・ノート?」
ノートの表面にはそう書かれていた。
「日記帳に使ってたノートも無くなっちゃたし、これ新品みたい
だからこれ使おっと♪」
私はとりあえずノートをカバンの中に入れ帰宅した。
自宅でノートを開いてみると、1ページ目に英語が書かれていたわ。
でもやたら読みづらそうな字体だし、第一こんなもの読んだ所で
何がいいのか分からなかったから、読まなかった。
切れた前の日記帳の続きから書き込んでみた。
○月×日
古臭い、つまらない毎日!おもしろい事って
泉みたいに湧いて出てこないの?
一つぐらいあったっていいじゃない!不思議のなる
樹ってないの?ま、そんなのあったらそれこそ不思議だけど。
---次の日---
ハルヒ「やっほー。あら、今日は古泉君休み?」
キョン「聞いてないのかハルヒ・・・古泉、昨日死んだんだよ・・・」
ハルヒ「え・・・嘘でしょ?」
キョン「いやホントだ。心臓麻痺だったらしい。
あれだけ戦ってりゃ・・・くっ・・・」
キョンは涙を流しながら話してくれた。
もう昨日までいたあのスマイル(ちょっと気持ち悪かったけど)が
見られないのね・・・
その日は残りのみんなで古泉君の葬式に出て帰宅した。
○月△日
朝からキョンに悲しい話をさせられた・・・。他と
比較にならないくらい悲しい・・・。
奈良とかに旅行したら気が晴れるかしら。
みくるちゃんが副々団長だから、明日みくるちゃんが
くるならば副団長にしなくちゃね!明日のSOS団はコスプレの
るつぼよ!
その後に「でもみくるちゃんドジっこだから、マンションの最上階の階段から
転げ落ちたりしないわよね?」と書いてみた。
---次の日---
ハルヒ「やっほー。今日はみくるちゃんに朗報よ・・・ってみくるちゃんは?」
部室に入ると生気をなくしたようなキョンが座っていた。
キョン「朝比奈さん・・・昨日死んだらしい・・・」
ハルヒ「ちょっと、ちょっと!どういうことよ!」
キョン「自宅のマンションの屋上の掃除をしたあと階段でつまずいて、1階まで
一気に転げ落ちたらしい・・・。ううっ・・朝比奈さん・・・」
キョンは伏せて泣きまくっていた。
そうえば学校中の男達が泣いていたのはこのためだったのね・・・
もうみくるちゃんに着せ替えが出来ない・・・そう思うと私も泣きまくった。
その日も私・キョン・有希と3人で葬式に行った。
○月◇日
長い一日だったわ。お葬式の斎場の
門をくぐる時、もう私は泣いていたわ・・・。
有希、キョン、私・・・。SOS団はもう3人なのね・・・。
希望をもたなくちゃ。
その後改行して「でも有希ってあんなにカレーを食べて喉つまらせたり
しないのかしら」と書いたけど、不謹慎だと思ったからその後は書かなかった。
---次の日---
ハルヒ「やっほー。死んだ人たちの分も元気を出して張り切って行こう!」
目の前には廃人のようになってしまったキョンがいた。
ハルヒ「ちょっと、キョンどうしたの?あれ?有希はまだ?」
キョン「長門ならもう来ないよ・・・」
ハルヒ「なんでよ?」
キョン「長門も昨日死んじまったんだよ!」
キョンは怒るように言った。
キョン「なんでみんな・・・みんな死んじまったんだ・・・もうどうなってるのか訳がわかんねえよ!」
そういうとキョンは私を抱きしめて、
キョン「ハルヒは死んだりしないよな、そうだよな。」
ハルヒ「当たり前じゃない・・・死ぬわけ無いわよ!」
その会話の後2人で泣きまくった。
下校後、有希の葬式に行った。ひっそりとしていた。
警察の人の話によると夕食のカレーを食べていて大きな肉が喉に詰まって
窒息死したらしい・・・
○月☆日
SOS団に残されたのはキョンと私だけになってしまった・・・
キョンには『死んだりしないよな』っていわれたけど明日には
どうなっているか怖くてたまらない。
暗い話題を書いたらだめだから明るい話題を書かなくっちゃ。
キョンって本名は○○○○なのになんでキョンっていうのかしらね。
わたしがこんなあだ名つけられたら首つって死んじゃうわ。
これは最大のミステリーかもしれないわね・・・早速明日キョンと一緒に調べなきゃ。