==陸中城下町==

 

 

谷口「WAWAWA忘れ物~」

町の女の子「あ、谷口様!」

谷口「やあ元気にしてたかいマドモアゼル」

町の女の子「元気ですっ!今日はどんな面白い商品を持ってきてくださったの?」

谷口「フ…そうだな、例えばこれなんてどうかな?」

町の女の子「これなに?」

谷口「ぶどう酒と呼ばれる向こうの酒だよ。口には合うと思うぜハニー」

町の女の子「ごくっごくっ・・・・・おいし~♪ありがとう谷口様!でもこんなもの何処で手に入るの?」

谷口「フ…向こうの商人と一発やるのさ。30代後半の女商人が狙い目でな、

声をかければ意外にホイホイ付いてくる」

町の女の子「きゃー!流石谷口様!!」

谷口「今晩・・・いいかな?」

町の女の子「それは御断りしますわ♪」

 

タッタッタッタッ

 

谷口「・・・・・」

 

ひゅうー…ぽつん

 

 

 

 

キョン「いってえ…ここは?」

古泉「まだ洞窟の中のようです。どうやら別の位置に無事移動成功したようですね」

 

いきなり喋るな。顔が近いんだよ気色悪い

横を振り向くと、他の女三人衆もどうやら目が覚めたようで辺りを見回していた

 

ハルヒ「ここ・・・何か部屋みたいね」

みくる「何か少し・・・変な感じですぅ」

長門「今までの洞窟内とは全く雰囲気が違う…何かが…来る!」

 

 

 

==ぞわっ==

 

 

 

突如として背後に凄まじい殺気を感じた俺達は五人一斉に後ろを振り返った

 

 

 

 

???『船切り』

 

 

 

 

俺達の目の前に現れる巨大な剣

いや、これはおかしいだろう。術を唱えている暇すら・・・

 

 

長門「炎術・火翔」

 

 

間一髪のところで長門の放った術が巨大な剣を止める。

しかしその風圧が俺達五人を大きく吹き飛ばす

 

 

キョン「みんな大丈夫か!?」

ハルヒ「なんとか・・・っ」

古泉「長門さんのお陰です。正直、危ないところでした」

みくる「な、なんですかあ今の!?」

 

 

 

???『盗賊共…貴様等に死を』

 

 

 

俺達の目の前に現れたのは巨大な剣を背負った巨大な男だった

 

 

キョン「…!!」

ハルヒ「なによコイツ…」

 

 

 

海尊『我が名は常陸坊…常陸坊海尊…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海尊『我が名は常陸坊海尊。何年も前よりこの洞窟に眠る我が主の財宝を守ってきた…。盗賊共よ…与えよう、貴様等に死を。与えよう、死して尚、永遠の苦しみを』

 

 

 

古泉「死して尚、永遠の苦しみ…?・・・・っ!!まさか僕達がこの洞窟で戦ってきた魂火や怨霧は…」

 

 

 

海尊『皆、我が主の財宝を狙いし愚かな輩共の者よ。この洞窟で討たれし者は、永遠に成仏する事も敵わん。』

 

 

 

みくる「そんなひどい・・・」

キョン「こいつ…」

 

 

 

海尊『盗賊共よ…罪深き貴様等にも同じくして、永遠の苦しみを与えよう』

 

 

 

古泉「…どうやら、今までの敵とは桁違いのようです。心してかかりましょう」

キョン「だな、だが俺達は絶対に勝って帰るぜ」

ハルヒ「五人で力を合わせれば負けないわ!!」

みくる「そうですっ!」

長門「油断は出来ない…」

 

 

 

海尊『死ぬがよい。醜い欲を持つ哀れな者共よ』

 

 

 

 

 

 

 

キョン「行くぜ!うおおおおおおおおお!!!俺の両手に集いし力の結晶よ!その力を今こそ解き放て!!!」

 

 

 

『炎術・双虎牙!!!』

 

 

 

ガオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!

 

 

 

海尊【『獄裁剣…断罪』】

 

 

 

ズオンッ!!!!!!!!

 

 

 

巨大な破壊音と共に消滅する双虎牙

 

 

 

キョン「何!?」

 

 

 

海尊は一歩跨いでキョンの真正面に入る

 

 

 

キョン「はや…」

 

 

 

海尊【『獄門剣・死招』】

古泉「陰陽道・火鬼!」

 

 

海尊『!?』

 

 

 

刀が振り下ろされる瞬間、古泉の放つ火の鬼が海尊に直撃し、それを追撃するかの如くハルヒの双剣がうねりを上げる

 

 

 

ハルヒ「双剣・閃光双頭切りぃいいいい!!」

 

 

 

しかし海尊はすぐに体制を立て直し、天の術を放つ

 

 

 

海尊【『天術・大空剣』】

 

 

 

巨大なかまいたちは逃げ場を無くし、ハルヒを襲う

 

 

ハルヒ「きゃああああああ!!」

 

 

その刃は彼女の体を容赦なく切り刻み、その場に倒れ込ませる

 

 

キョン「ハルヒ!!ちくしょう!長門、連携で行くぞ!!」

長門「…了解した」

 

 

 

キョン『炎滅斬!!』

長門『氷術・大氷棘』

 

 

横からキョンの抜刀、縦から長門の放つ巨大なつららが海尊に襲いかかる。

だが海尊はつららを剣で切り落とし、抜刀を受けきり、反撃に転ずる

 

 

 

キョン「な、なぜ止まるんだ…」

みくる「ああああぶないですうううう!!」

 

 

 

 

海尊【『獄門剣・閻魔斬』】

 

 

 

キョン「しまった!(避けきれない…)」

 

 

 

古泉『陰陽道・風鬼!!』

 

 

放たれた風の鬼はキョンを海尊の間合いから吹き飛ばし、海尊の剣は空を切る。

そこに長門とハルヒが双方から回り込み迎撃する

 

 

ハルヒ「双剣・舞い切り弐条!!」

長門「地術・地面返し」

 

 

 

海尊【『獄門剣・九衒刹』】

 

 

刹那に放たれる閃光の全体切りで、ハルヒの抜刀と長門の技は往なされ、二人ともそのまま吹き飛ばされる

 

 

 

[『冥界に蠢く死霊達よ…我が式神に封じられしその力を、今こそ解放されよ!!』]

 

古泉『陰陽道・幽軍!!』

 

 

 

海尊『!?(強い!?)』

 

 

 

式神から生れし恐ろしい霊の大群が海尊を襲う

 

 

 

海尊『ぬおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』

 

 

 

怨霊の大群を浴び、錯乱する海尊。

その後ろでは必殺の構えをとるキョンの姿があった

 

 

古泉「今です!」

 

 

キョン「ああ…準備は完了したぜ・・・喰らえ!!!」

 

 

 

炎上する剣を片手に持ち、キョンは全速力で錯乱している海尊の間合いに侵入する

 

 

 

 

キョン===『『『奥義!!!炎獄緋双斬!!!!』』』===

 

 

 

 

炎に塗れる闘剣は、ついに海尊の胴を捉え、華麗な鋭さを魅せた

 

 

 

 

海尊『馬鹿な…我が体よ……我が…』

 

 

胴の切り口から徐々に光が溢れ出し海尊はその場に倒れ掛ける。

誰もが勝利を確信したその時だった。

 

 

 

 

海尊『我が命…既に失われし、何人たりとも、我が主には触れさせぬ…』

 

 

キョン「何を言ってるんだアイツ・・・もう勝負はついただろう」

古泉「…まさか!!」

 

 

 

 

海尊『仏よ…我たる命授かりし者に慈悲の恵みを与えたまん・・・』

 

 

 

古泉「・・・やはり!陰陽道・火鬼!!」

 

 

海尊[『復元』]

 

 

海尊【『獄門剣・旋風斬』】

 

 

放たれた鬼の火は時遅くして海尊の剣に弾かれた

 

 

古泉「遅かったようです…」

ハルヒ「どういう事!?」

長門「…彼はあの場で、治療術を行使した」

 

キョン・ハルヒ「!?」

 

古泉「まさかとは思いましたが・・・彼はどうやら僧兵らしいです。生前のね…」

 

キョン「なんだと!?」

 

 

みくる「みなさあん!きますよぉ!!」

 

 

 

海尊【『獄門剣・閻魔斬』】

 

 

五人は素早くかわすも、剣圧でやはり吹き飛ばされる

 

 

ハルヒ「…っ!あれだけ戦えて治療術まで行使出来るなんてそんな奴聞いたことも無いわよ!」

古泉「…いえ、一人だけ聞いた事があります…」

キョン「…!なるほど、俺も確かにある」

ハルヒ「えええ!?全く分かんないわ」

古泉「義経と共に生き、義経と共に戦った歴史上最高の戦闘能力を持つ僧兵…」

ハルヒ「…! まさか!」

古泉「そう、そのまさかです。彼の真の名は、【武蔵坊弁慶】。紛れもなく伝説の僧兵です」

 

 

 

海尊【『天術・大空剣』】

 

 

長門「炎術・火翔」

 

 

 

海尊の放つ巨大なかまいたちに対し、長門は炎の翼をぶつける。

だが、巨大なかまいたちは炎を飲み込み長門を切り刻みかけた、その刹那

 

 

古泉「陰陽道・土鬼!」

 

 

 

土の鬼が現れ、身代わりとなり切り刻まれる

 

 

古泉「大丈夫ですか長門さん!?」

長門「いっくん…大好き(ぎゅう)」

古泉「ちょ、ちょっと長門さん!来てますから!来てますからって!!」

 

 

 

ビュン!!

 

 

海尊【『獄門剣・死走』】

 

 

風の力で速度を上げ、海尊は古泉と長門に容赦なく切り込む

 

 

キョン「炎術・火走!!」

 

海尊『ぬうっ!』

 

 

炎を切り潰し、剣をキョンに向ける海尊

 

 

キョン「お前の相手はこっちだ!」

 

海尊『おのれ…』

 

 

 

 

古泉「長門さん…離れていて下さい。この術は少々危険ですので」

長門「…わかった」

 

 

 

海尊【『獄門剣・閻魔斬』】

 

キョン「負けるか!炎滅斬!!」

 

 

 

古泉―『陰陽道-悲観』―

 

 

海尊『!!!』

 

 

 

激突の刹那、瞬く間に黒い霧が海尊を覆い、包む込み

 

 

 

 

 

 

 

古泉「…終わりました」

 

 

 

 

 

 

 

ハルヒ「えっ!?なにをしたの?」

古泉「彼はあの黒い霧から出てきません。少なくとも、あと数時間はね」

長門「…素敵、いっくん」

ハルヒ「…詳しく説明して古泉くん」

古泉「その前に、あそこで伸びている彼を起こさなくては」

ハルヒ「あ、そういえばキョンのことすっかり忘れてたわ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

涼宮ハルヒの忍劇8

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最終更新:2008年02月19日 04:59