さて、今俺は危機的状況に立っている。なぜか俺の部屋いて笑いながらも怒気のオーラを出すハルヒと佐々木。
そして仰向けになっている俺の上に跨っている顔が赤いミヨキチ。

何故こうなったかというのは今から説明しよう。始まりはミヨキチからの電話だった。

土曜日の夜、いつもの不思議探索から帰ってきた俺は晩飯までの時間をマッタリと過ごしていると、妹から
「キョン君、電話だよ~」と呼ばれた。誰からだ?「ミヨキチ、キョン君に用事だって」
ミヨキチから?俺は妹から受話器を受け取り、通話ボタンを押した。

「こんばんわ、お兄さん。いま大丈夫ですか?」大丈夫だよ、俺に何か用かい?
「…ハイ、あの、えっと…」
俺の問いかけに対し、何か言い難そうにしていた。それが数秒続いた後に
「あの、相談したいことが…あるんです」
ミヨキチの言葉に俺は疑問に思った。俺に相談?何で?頭の中に無駄に?マークを作り出す俺をよそに、ミヨキチは続けた。
「電話ではお話できないことなんです。明日、そちらに伺っても宜しいでしょうか?」
電話では話せないこと?しかも俺の家?全く訳が分からなかったが、特に断る理由もないので了承した。

そして次の日。いつもより少しだけ早く目が覚めた俺は妹のボディプレスを受けること無く起きることが出来た。
ミヨキチが来るのは昼過ぎ、まだ時間があるので軽くだが部屋を掃除した。元々そんなに汚くはないが。

昼、お袋が妹を連れて買い物へ行った。帰るのは夕方になるらしい、親父も一緒に行ったので家には俺一人だ。
それから少し経ってミヨキチが来た。会うのは久しぶりだ、改めて見て思うが可愛い。言っておくが、俺は断じてロリコンではない。
俺はミヨキチを自分の部屋へ案内し、用件を聞いた。
「電話じゃできない相談って一体なんなんだ?」俺の問いかけにミヨキチは頬を赤らめながら俯いてしまった。
俺には全くわからない。電話では出来ない相談で恥ずかしい事。分からん、まるで分からん。
ミヨキチはしばらく俯いたままモジモジしながら黙っていたが、突然何か決意した様に顔を上げとんでもないことを言った。

「お兄さん!私、お兄さんのことが好きです!付き合って下さい!」
は?今の俺は相応間抜けな顔をしているだろう。ミヨキチの言葉に俺は思考が停止していた。
ミヨキチは今何と言った?俺が好き?Why?何故?一体何がなんだか分からない。分かる奴がいたらここに来い!そして説明しろ。
固まっている俺にミヨキチはさらにとんでもない事を言い出した!
「私、お兄さんのタメなら何でもします!」オイオイオイオイオイ!これなんてエロゲ?なんて言ってる場合じゃないな。
落ち着け俺!相手は小学生だ!そして俺は高校生だ!無理矢理落ち着こうとしていると家の呼び鈴が鳴った。

俺は立ち上がって窓から玄関を見た。玄関前にいるのは佐々木とハルヒだった。待て、来るなんて聞いてないぞ!
どうするか悩んでいると、外にいる佐々木とハルヒと目が合った。あ!っと思った瞬間、俺はなぜか床に倒れていた。
立て続けに起こるイベントに対応し切れていない俺の脳だが、仰向けになっている俺の上に跨っている人物が誰かぐらいは分かった。

赤くなりながら涙目で俺を見つめるミヨキチ。何か言おうとしている。「私じゃ…ダメ…ですか?」
そんな言葉に俺は抵抗する事すら忘れていた。ミヨキチが目を瞑りながら顔を近づけて来た。
二人の顔の距離がゼロになろうとしている時、バン!と大きな音を立てて部屋の扉が開いた。
「な、何やってんのよ!」
叫んだのはハルヒだ。その後ろには佐々木がいる。
突然の出来事に顔を近づけていたミヨキチは離れた。しかし、跨ったままだ。そして話は冒頭に戻るわけである。
笑顔で怒りのオーラを撒き散らすハルヒと佐々木、そんな二人を睨むミヨキチ。
そしてミヨキチにマウントポジションを取られたままの俺と鳴り続ける俺の携帯電話。恐らく古泉だろうな、すまん。
突然ハルヒが机に置いてあった俺の携帯電話を取り、真っ二つにした!何しやがる!
「黙りなさい」ヤバイ、ハルヒは完全に怒っている。
佐々木の方を見ると、無表情だ。怖いぞ佐々木。「誰かは知らないけどキョンから離れてくれないかな?」
言ったのは佐々木、しかしミヨキチは「嫌です!」と反抗する。ハルヒと佐々木の怒りのオーラがさらに増大。
このままでは最悪の事態になりかねないので(古泉的にも)ミヨキチに降ろした。取り合えず、落ち着け二人とも。な?
何とか二人を説得して落ち着かせ、事の詳細を話した。
ミヨキチの告白からハルヒ達が来るまでの間のことを説明した。
ハルヒも佐々木も「キョンは私のモノ…絶対渡さない」とブツブツ言ってるのが聞こえた気がするが、気のせいだろ。

「それで、アンタはどうすんのよ?」ハルヒは不機嫌そうに言った。何がだ?
「何がじゃないだろうキョン?君は吉村さんの告白を受けるかという事だよ」佐々木がいつになく真剣な顔で言ってきた。
どうするも何も、ミヨキチは小学生で俺は高校生だ。ミヨキチには申し訳ないが受けられ無い。
ミヨキチは落ち込んでしまったが、仕方が無い。しかし、ミヨキチの言葉に俺たちは驚いた。
「それでも…それでも私、諦めません!いつか絶対、お兄さんを振り向かせて見ます!」あれ?逆に火がついた?
「面白いわ、でもキョンはあたしのモノよ。絶対渡さないわ!」え、ちょ、ハルヒ?
「なら、僕も混ぜてもらおうかな。僕もキョンの事が好きだからね」オイ、佐々木!お前まで!
三人はやる気満々みたいで、早速何か話し合っている。俺はそれを見て心の中で言った。
やれやれ

その後の探索日
続編外伝:寝言古泉

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最終更新:2020年05月22日 10:41