谷口「おトイレさまに情熱を燃やす諸君。こんばんは」

 

谷口「アバンチュールなひと時を、カプチーノの香るカップと共に。谷口です」

 

谷口「嘘です」

 

谷口「ゲスゲスゲスwwwwサーセンwwwww」

 

谷口「ヘイ、そこの換えたばかりのブレーキパットみたいにステキな彼女。俺と一緒にそこのオカマバーでティーしない?」
女性「きゃあ! なにこの酢ダコみたいなにおいの男! おととい来やがれ!」
谷口「ゲス・THE・パラダイス☆」

 

谷口「ヤー、そこの今にも空を飛べそうな髪型の彼女! 俺と一緒に大空を飛んでみない?」
橘「あら、私を誘ってくださるの?」
谷口「Oh,year! もちろんだよボンジュール。そこの喫茶店でにちゃにちゃしない?」
橘「光栄だわ。では、お相手をしてもらおうかしら?」

 

橘「そうねえ。それじゃあ、そこの喫茶店で私のアンケートに答えてくれませんか?」
谷口「ゲス・THE・ユートピア☆」


谷口「パパイパイパイwwww」

 

 

橘「それじゃあ、コーヒーを飲みながらで構いませんので、アンケートに答えてくださいね」
谷口「OKOK。どんな言葉攻めでも見事に受けきってさしあげましょう」

 

橘「あなたは朝起きるのがつらい方ですか?」
谷口「どちらかといえば、つらい方かな。低血圧なんで」
谷口「なんせ朝は、身体の一部に血液が集中しているからね。頭にまで血が回らないのだよ」

 

橘「最近、身体が疲れたなあと思ったことがありますか?」
谷口「ああ、あるなあ。週に2,3度は疲労困憊するよ」
谷口「知り合いに窓から放りだされたり尻穴に鰹節をさしこまれたり」

 

橘「たまに落ち込むことがあるますか?」
谷口「まったくないね!」

 


橘「以上でアンケートは終了です。ありがとうございます」

橘「う~ん、アンケートはこれで終わりですけど、話を聞く限り、谷口さんはちょっとビタミン不足のようですね」
谷口「ピクミン不足?」


橘「朝起きるのが辛いと思うのも疲れが溜まりやすいのも、気分が落ち込むのも、全てはビタミン不足が原因なのですよ」
谷口「やったー! やったー!」

 

橘「うーん、どうしようかな。言ってもいいかな……」
谷口「どうしたんだいアンケートガール。なにを悩ましげに思い悩んでるのかな? ここはいっちょ谷口のお兄さんに相談してごらん」
橘「本当は内緒なんですけど……今日はアンケートに答えてくれた谷口さんにだけ、特別ですよ。これをご覧ください」

谷口「なんだいこの、カップラーメンのカップみたいな物」
橘「これはですね。とっても効率的なビタミンサプリメントなんです」

橘「私の勤めている会社が作った、とっても高価なサプリメントなんですよ」
橘「まだ一般へは販売していないのであまり公には言えないんですが、我が社の特殊な開発チームが発明した、ビタミンをより効率的に吸収できる工夫がなされているんです」
橘「だから、これさえあれば谷口さんのような、一般的な現代人が抱えている身体の悩みが全て、一発で解決されてしまうんです!」


橘「どうです? すごいでしょう?」
谷口「下衆トルーム」

 

橘「まだ試作段階的な部分もありますから市場へ出せるのはまだまだ先なんですが、これがあれば谷口さんの悩みも解決できると思いますよ」
橘「特別ですよ。このサプリメント、谷口さんに販売予定価格でお譲りしてもいいんですが、試してみませんか?」
谷口「よし買った!」
橘「え、あ、早……? こんな即断する人は初……あ、いや、なんでもありませんわ。おほほほほ」

 

橘「でも、この商品をお譲りするにはひとつだけ条件がありますの」
橘「これはまだ一般に売り出されていない物ですから、規則上、関係者にしか分けることができないとなってるんです」
橘「ですから、谷口さんには我社とグループ契約を結んでもらわないといけないのですが、構いませんか?」
谷口「いいともー!」

 

橘「それじゃ、この書類のここに印鑑を捺していただけます?」

橘「それから、この商品は単品でお譲りすることができないんです。50個入りの段ボール1ケースごとに買ってもらうことになるんです」
橘「値段は少々張りますが、大丈夫。このサプリメントの素晴らしさを説明して、あなたと同じような症状に悩んでいる方にお分けしていけばいいんですよ」


橘「そうすれば、すぐに元金はおろか、それ以上の儲けがあなたのものに!」

橘「谷口さんはサプリメントで健康に。谷口さんからサプリメントを買った人も健康に。そして谷口さんはお金持ちに!」
橘「ね? みんなが幸せになれる、すごい商品なんですよ、これは。是非、1ケースといわず、2つでも3つでもお買いあげくださいね!」

 

谷口「やっと俺の下衆人生にも運がまわってきたぜ!」

 

谷口「ゲスゲスゲスゲスゲスwwwwww」

 

 

~~~~~

 

 

谷口「うおー! わんだほー! あいだほー!」

 

ハルヒ「キョン、古泉くん、懲りずにまたやって来たアレを返す刀で放り投げてちょうだい」


キョン&古泉「せい」

 

谷口「うふん! 入った瞬間に大外刈り。でも谷口さんは諦めない! 世界がロブ&ペアスでヘルシーに輝くまで!」


谷口「今日は親交深いSOS団の諸君に、谷口さんが大変に良い物を持ってきてあげたのですぞ」

キョン「なんだよ、いい物って。また鰹節がどうこう言うんじゃないだろうな」
谷口「ちっちっち。そんな魚の死骸を天日干しにしたような物とはワケが違うのだよチミィ」

 

谷口「まずはSOS団の諸君よ。わたくしのアンケートに答えたまえ」

 


谷口「朝は弱くて、起きるのがつらい?」
ハルヒ「全然」
キョン「俺は家族に起こしてもらうまで起きられないクチだな」

 

谷口「身体がダルくて疲れたと感じる時がある?」
古泉「そうですね。夜中や朝方に緊急のバイトが入った時などは、睡眠不足で疲れることもありますね」
みくる「私もあまり体力に自信がある方じゃないんで、たまに運動したりすると疲れます」

 

谷口「日本人なのにカレーを週5回以上食べないと気がすまない」
長門「………そう」

 

 

谷口「あい分かった。分かったよ、谷口さんには。キミたちに足りないものが何なのか。そしてキミたちの本当の気持ちが」
キョン「足りないもの? なんだよ」
谷口「それは、ピクミンだ!」
キョン「……ぴくみん?」

 

谷口「そう! 朝起きられないのも疲れるのもカレーが食べたくてしょうがないのも、全てはピクミン不足が招く悲劇なのだよ諸君!」
ハルヒ「なに? 食育教育のパンフレットにでも感化されたの?」


谷口「涼宮! お前のそのイライラ怒りっぽい短気もツンデレも、全てはピクミンAが不足してるからなのだ!」
古泉「……ひょっとして、ビタミンのことを言っているのですか?」

谷口「だからそう言っただろう。ピクミン不足だって」
みくる「言えてませんよ」

 

谷口「とにかくだな。全てのことはピクミン不足で解決できるのだ。コンピ研部長が五月病にかかったのも朝倉がカナダへ転校したのもSOS団が盛り上がらないもの、全てはピクミン不足のせい!」
ハルヒ「うるさいわね。盛り上がってるじゃないの。っていうか、なんでもかんでもビタミン不足で説明できるわけないじゃない」

 

谷口「これだから無知蒙昧な一般人は困る! いいか、よく考えろ。人間の身体は主に何でできていると思う!?」
古泉「水分じゃないですか?」
谷口「違う! ピクミンだ! 青ピクミンだ!」

 

谷口「身体に呼吸から得た酸素を行き渡らせる物は何だ!?」
みくる「ええと、赤血球ですよね?」
谷口「違う! 赤ピクミンだ!」

 

谷口「体内に侵入した異物を退治する物はなんだ!?」
長門「………白ピクミン」
谷口「違う! 白血球だ!」

 

谷口「そういうわけだから、人間の身体はピクミンから成り立っていると言っても過言ではない」
谷口「いや、この世界もまたピクミンからできあがっているのだ! 某お笑い芸人が警察沙汰になったのもピクミン不足。コスプレAVの女優の演技力の無さもピクミン不足のせい」


谷口「タモリのサングラスもピクミン製、羽鳥アナウンサーの朝のテンションもピクミンのせい、地球温暖化もピクミンのせいなんだ!」

谷口「SO☆KO☆DE! リリースさせていただくのがこの谷口印のピクミン補給サプリメント!」


谷口「これさえあれば世界規模のピクミン不足だって解消できるという優れもの! だから涼宮のイライラだって朝比奈さんのSE☆I☆RIだって一発解消!」
みくる「………プルプル」

 

長門「………これさえあれば、私のSE☆I☆RIも一発解消……」
谷口「まあ、長門有希のようにお赤飯も炊いてないような幼女には関係のない話だが」
長門「………プルプル」

 

谷口「さあ、お買いあげはいかほどハウマッチ!?」

 

ハルヒ「いらない」
キョン「いらん」
古泉「残念ながら、間に合ってます」
みくる「私も、ちょっと……」
長門「………プルプル」

 

 

~~~~~

 

 

谷口「ということがありまして。お二人に集まっていただいたわけです」


鶴屋「Gコード予約よりも効率的に番組を録画する方法があるって聞いて来てみれば……」
阪中「初代ルソーが蘇る方法があるって聞いて来てみれば……」

 

谷口「そういうわけさ! このピクミン補給サプリメントがあれば、Gコードに頼らなくても録画できるし、ルソーだろうがデカルトだろうがアネ&モネだろうがムーンウォークで蘇るって寸法よ!」


谷口「まさに、下衆づくし!!」

 

谷口「どうだい、この新世代のスーパーサプリ! めがっさ欲しいと思わないっかな?」

 

鶴屋「いらない」
阪中「いらないのね」

 

 

~~~~~

 

 

谷口「幾星霜ありまして」
橘「で、売れなかったと」
谷口「左様」

 

橘「でも、ダメよ。もうクリーングオフの期間は過ぎてしまってるんだもの。返品は利きませんよ。規約にもそう書いてあったでしょ?」
谷口「じゃあ、商品を買ったときに払ったお金は戻ってこないと」
橘「そういうこと。支払ったお金だけじゃないわ。あなたがうちの会社に作った借金もそのままよ」


橘「借金を返したかったら、必死になってサプリメントを売りさばくことね!」

谷口「ピクミン補給サプリは俺が全部晩飯代わりに食っちまった! もうない!」
橘「……食っちまったって……。まあ、それは私には関係ないことね。もう商品がないって言うんなら、あなたがお金を稼いで返すしかないわね」


橘「それとも、またうちの会社からサプリメントを仕入れ直す? グループ契約を交わした仲ですし、5%くらいなら値引きしてあげてもよろしくてよ?」

橘「おーっほっほっほ! まあ、あなたのおかげで私も稼がせてもらったわけですし、この店のコーヒーくらいはおごってあげてもいいわよ」

 

 

谷口「はあはあはあ。分かったぞ!」
橘「どうかしまして?」
谷口「借金ができてしまった以上、身体で返すしかないのだ!」
橘「いい心がけですわね。じゃ、せいぜい頑張ってくださいね。こうしてる間にも、どんどん利子は増えているわけですが。あなたがどこまで頑張れるか見せてもらいますわ」

 

谷口「はあはあはあはあ!」

 

谷口「マルチばんざ────い!!」


橘「え、な……きゃあああああああ!」
谷口「お身体で、お身体で返しまする!」


橘「いやあああ!! な、なにするのよ変態! バカバカ、離して! 離してよ!」
谷口「女王様! まずは何をご奉仕いたしませうか!? パイですか!? パイパイ様からですか!?」
橘「だ、だれかたすけてえええええ!」

 

谷口「お身体で、お身体でかえさせていただきマシーン!」

 

女店員「お、お客様! おやめください! うちはそういう趣向の店ではないんです!」
谷口「よかもん、よかもん!」
女店員「きゃああああ! 助けておかあさ────ん!!」

 

橘「ひいいいい! 生々しい手つきでドントタッチミー! 佐々木さん、佐々木さんたすけて~!!」


女店員「お母さんお父さん弟のヒロシ飼い猫のタマミ金魚のコジロウ近所の政五郎さんお隣の生後3ヶ月の善次郎さんたすけて~!」


谷口「アンドゥトロワ! アンドゥトロワ! ひっひふー! ひっひふー!」

 

谷口「つつつ、ついにこの、万が一の場合を考えて常備していたコンドーさん(チョコレート味)の出番がやってくるとは!」
橘「キモッ!」

谷口「お身体で返させていただきます! 男に二言はありませぬ!!」

 

谷口「はあはあはあ!」

 

 

藤原「おいそこの酢飯みたいなスメルの男。さっきから見てればやりたい放題やってくれるじゃねえか。ここは歩行者天国じゃないんだぜこの野郎」
中河「やめるんだキミ、いい加減やめるんだキミ。女人が嫌がっているじゃないか」

 

谷口「おや、パンツ脱ぐ手をとめてみれば、キミたちは尻フェチ藤原くんとパンティをあがめる好青年の中河くんじゃないか」
藤原「おお、そういうキミは下衆の谷口殿。ひさしぶりでござる!」
中河「谷口氏ではありませんか。ふほほ、拙者としたことが。谷口氏と気づかなかったとは。許すナリ」

 

谷口「実は今ワガハイはかくかくしかじかな仔細あって、このような事態に相成っておるわけである。是非お二方の力も借りたいのだが、よろしゅうございますか?」
藤原「他ならぬ谷口殿の頼みとあれば聞かぬわけにはござそうろう。尻はまかせるでござる!」
中河「いやはや、まったくもって同意ナリ。おパンティ様と乳バンドは拙者が担当するナリよ」
谷口「おお、心の友よ!!」

 

谷口「げすげすげすげすげすげすげすwwwwww」
藤原「けつけつけつけつけつけつけつwwwwww」
中河「下着乳隠しwwwwwwwwwwwwwww」

 

橘「いやああああああああ! 変態どもやめてえええええええ!!」

 

 

~~~~~

 

 

古泉「それで、今日は谷口さんは学校を休んでいたんですか」
キョン「ああ。まったく、困ったもんだよ。あんなのと同じクラスだなんてな」


ハルヒ「でもまあ、停学処分になって1ヶ月はあいつの顔見なくてすむんだから、いいじゃない」

 

みくる「でもすごいですよね。行動はともかく、あの強姦未遂事件のおかげで、取調べから大規模なマルチ商法の組織が発覚して、検挙できたんですから」
長門「………ケガの功名」

 

キョン「なにか別の手段でマルチ組織を検挙できていれば完全にヒーロー扱いだったろうに……。猥褻関係の罪が絡んでいるから、とても英雄なんていえないよな」
古泉「でも、彼が大規模な犯罪グループを壊滅させたのですよ。そこは評価してあげても良いのでは?」
ハルヒ「それはそうなんだけど………ねえ。英雄なんて柄じゃないし」

 

キョン「英雄でもない、ただの性犯罪者でもないとしたら、あいつは一体なんなんだ?」
古泉「だから、下衆でしょ?」

 

ハルヒ「………そうね。下衆ね」
みくる「ああ、ピッタリですね」
キョン「ああ。下衆だな」

 


 ~おしまい~

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最終更新:2020年03月11日 00:35