朝倉涼子のグサデレ
~夏休み・ハイキング編~

 

 

第1話

 

キョン「朝倉、話がある」
朝倉「なに?」
キョン「今年の夏、俺たちは花火、プールと夏の風物詩を楽しんだ」
朝倉「?…そうね」
キョン「だが俺は気づいた、まだ山に行ってないことに!」
朝倉「それで?」
キョン「そこで提案する。明日はハイキングに行くってのはどうだ?良い考えだろ?夏らしいだろ?行きたいと思うだろ?……よし決定だ。明日の朝いつもの場所に集合な。じゃあ今日は解散ということで……」
朝倉「あたしの意見も聞かずに何言ってるの?わかってるのかしら、もしあたしが今行きたくないって言ったらあなたは一人で行かなきゃならないのよ?それなのに勝手に決めちゃって……何様?ということで、じゃ死んで♪」
キョン「ちょwwじゃ中止の方向でwww」
朝倉「また一人で決めて……行くに決まってるじゃない♪」
キョン「(素直じゃないとこがまた朝倉らしいぜ…はぁはぁ)グフッ」

 


 

第2話

 

キョン「動きやすい格好、弁当、水筒、そしておやつは300円以内。天気も今日は快晴だと言っていたし、ハイキングには最適だな」
朝倉「おやつが気になるけど……とりあえず準備は万端ね」
キョン「ちなみに登る山の大きさは初心者レベル。道も歩きやすいようになっている。途中で険しい場所もあるようだが道案内を見れば大丈夫のようだ」
朝倉「じゃあ安心ね。行きましょうか♪」

 


キョン「山は雄大だな……」
朝倉「思わず自然のすばらしさを実感するわね」
キョン「ヤッホー!!」
朝倉「いきなり何!?」
キョン「すまん、自然に帰ったと思うとつい叫んでしまった」
朝倉「ふふ、まるで猿みたいね♪」
キョン「猿がうらやましいよ、自由に自然を生きられるんだからな」
朝倉「あら、人間以下のキョン君なら猿みたいな生活を送ってるんだと思ってたわ」
キョン「ヒドスww」
朝倉「そんなに自然と一緒になりたいならしてあげるわ。土に帰りなさい、じゃ死んで♪」
キョン「ちょww自然回帰www」
朝倉「でも、キョン君なんて土も拒んじゃうわよね」
キョン「(将来は朝倉と一緒に土の中で…はぁはぁ)グフッ」

 



第3話

 

キョン「よし!あとちょっとだ」
朝倉「じゃあ一緒に♪」
キョン「せぇーの!」
キョン・朝倉「「とぉ~ちゃ~く!!」」
朝倉「ふぅ!ここが頂上ね。やっぱり高いわね」
キョン「下があんなに小さく見えるな」
朝倉「まるでゴミのようね」
キョン「そのセリフはww」
朝倉「じゃあ早速お昼にしましょうか」
キョン「大自然で食う飯は格別だろうな」

 


朝倉「今日は全部あたしの手作りよ♪」
キョン「すばらしい…生きてて良かった、うぅ」
朝倉「大げさなんだから。はい、どうぞ♪たくさん食べてね♪」
キョン「じゃあ、」
キョン・朝倉「「いただきま~す」」

 


キョン「うまい!こっちはどうだ?(パクッ)…うっ、のどに……つ、つまった…み、ず……」
朝倉「大丈夫!?はい、水筒よ」
キョン「(ゴクッゴクッ)熱ッッ!!そして、しょっぱ!!なんだこれ!?水じゃないのか?」
朝倉「え?おでんのつゆだけど?」
キョン「濃いだろ!」
朝倉「栄養満点でしょ?それにこの自然の中で飲む一杯は格別だと思って。もしかして嫌い?」
キョン「嫌いとかではなくだn」

朝倉「あらそう、あたしはそういうキョン君が不愉快ね。あなたのせいで山の景観が損なわれるわ、じゃ死んで♪」
キョン「ちょww俺廃棄物www」
朝倉「ゴミくずね」
キョン「(野外で朝倉に蔑まれてる…はぁはぁ)グフッ」

 



第4話

 

キョン「うまい飯も食ったし…さて、そろそろ下りるか」
朝倉「きれいな景色も見れたしね♪」

 

 

キョン「霧か……」
朝倉「変ね、さっきまであんなに晴れてたのに」
キョン「山の天気は変わりやすいとは聞いていたがここまで変わるもんだとはな」
朝倉「慎重に行きましょ」
キョン「遭難したなんてことになったら洒落にならんからな」

 


―――――
朝倉「ねぇ、こんなとこ通ったかしら……?」
キョン「確かに…さっきから看板も見えないしな」
朝倉「戻りましょうよ」
キョン「そうだな」

 


―――――
朝倉「……」
キョン「……」
朝倉「あら?」
キョン「どうした?」
朝倉「ううん……その、気のせいだと思うんだけど…ここ、さっきも通らなかった?」
キョン「まさか。そんなわけないだろ」
朝倉「だってあの木さっき見たもの。あの形は忘れないわ」
キョン「そんなバカな」
朝倉「ねぇ、言いたくないけどまさかあたし達……」
キョン「……迷った?」
朝倉「……」
キョン「……」
朝倉「お、落ち着きましょう。あせっても何も良いことはないわ。冷静を保ちましょう。とりあえず、深呼吸して、スゥーハァー…平常心平常心……次にこれで、じゃ死んで♪」
キョン「ちょww落ち着けwww」
朝倉「大丈夫。あたしはいつも冷静よ……こんなことじゃ動揺しないわ」
キョン「(朝倉と二人っきり…はぁはぁ)グフッ」

 



第5話

 

キョン「さてここからどう動くかが重要になる」
朝倉「(コクン)」
キョン「当然の事ながら携帯は繋がらない。発煙筒などの類ももちろんない。つまり俺たちには誰かにこの状況を伝える手段がない。よってこの状況を自分たちで打開するしかないということだ」
朝倉「でもやたらと動くのも危険じゃない?」
キョン「そのとおり。黙ってここでじっとしているのが一番いいのさ。辛抱強く助けを待っていようぜ」
朝倉「あたしたち助かるかしら」
キョン「当たり前だろ。必ず二人で生きて帰ろうぜ」
朝倉「そうね(キョン君が頼もしく見える……それにドキドキする、どうして?)」
キョン「朝倉、顔が赤いぞ。どうした?熱でもあるのか?」(ピタッ)
朝倉「ッ!?(ビクッ)」
キョン「わぁ!ス、スマン…急に触ったりしたら驚くよな…」
朝倉「あ…そんなんじゃなくて……」
キョン「?」
朝倉「ねぇ、、、キョン君の隣に座っていい?」
キョン「別にいいぞ?」
朝倉「……(ピトッ)」
キョン「!?…朝倉?ち、近くないか?腕なんかく、組んできたりして、どうしたんだよ?」
朝倉「こうしていたいの(ボソッ)」
キョン「そ、そうか。朝倉がそれで落ち着くなら…」
朝倉「(ドキドキがとまらない。どうしたのあたし。…あれ…?別の場所からもドキドキが聞こえる。どこかしら?……あっ、そうか、この音はキョン君のドキドキね。おかしいの。二人でドキドキしてるなんて。ふふ♪)ふふ♪」
キョン「笑ったりしてどうしたんだ?」
朝倉「なんでもないわ♪ふふ」
キョン「そうか……あ、すまん。俺トイレ」
朝倉「え?」
キョン「なんか冷えるから近くってなww」
朝倉「……」
キョン「ちょっとあっちの茂みでしてくるよ!小さいほうだから安心してくれwww」
朝倉「……(ゴゴゴゴゴ……)」
キョン「どうした?おい離してくれよ。行けないだろ?」
朝倉「行く必要なんかないわ……」
キョン「へ?」
朝倉「だって、あなたはここで死ぬんだもの……じゃ死んで♪」
キョン「ちょww漏れるwww」
朝倉「あなたの空気の壊しようには呆れるわ」
キョン「(なんで怒るんだ?ハッ!?もしかして朝倉もトイレに行きたかったのか。朝倉のトイレ…はぁはぁ)グフッ」

 



第6話

 

キョン「悪いな。急にトイレなんか行ってw」
朝倉「……」
キョン「怒るなよ。次は朝倉が行っていいからさw」
朝倉「?」
キョン「どうした?急にキョロキョロしたりして」
朝倉「何か聞こえない?」
キョン「何か?……いや」
朝倉「確かに今聞こえたわ。ガサガサって音がしたもの」
キョン「まさか救助が来たのか!?」
朝倉「だと良いんだけど」
(ガサガサ)
キョン・朝倉「「!?」」
朝倉「今のは聞こえたでしょ?」
キョン「あぁ……音が近いな」
朝倉「人かしら?」
キョン「おぉ~い……救助の人ですか~?そうなら返事してくださ~い……」
(ガサガサ…ガサガサ……)
熊「グァアァアア!!!!」
キョン・朝倉「!!??ギャアアア!!!」
キョン「逃げるぞ!!」
朝倉「えぇ!」
キョン「走れ!!」
熊「グォォオォォ!!」
キョン「やばい!ついて来やがった!!」
朝倉「捕まったら食べられるわ!もっと早く走って!」
キョン「なんか武器はないのか!?」
朝倉「下手に威嚇したら余計危ないわ!」
キョン「しかs(ガンッ)…痛!?なんか当たった!ん?これは、、蜂の……巣?」
朝倉「早く捨てて!蜂まで追いかけて来るじゃない!」
キョン「もう遅いぜ……」
蜂「(ブゥーン……)」
朝倉「キャー!!なんてことしてくれたの!?」
キョン「そ、そんなこと言ったっt(ギュム)……今なんか踏んだ」
朝倉「また!?」
狼「ガルルルル……」
キョン「今度は狼ぃい!!!」
朝倉「なんで敵を増やすのよ!!」
キョン「不可抗力だ」
熊「グオォォ!!」
蜂「(ブゥーン…))
狼「ガゥゥウ!!」
朝倉「あぁもうっ!こうなったのもキョン君のせいよ!?」
キョン「何ッ!俺のせいだぁ!?」
朝倉「そうよ!いつもいつもあたしに迷惑かけて!今回だってキョン君がハイキングに行くなんて言わなかったらこんなことにはならなかったわ!!」
キョン「自分だって行きたいって言ったじゃねぇか!」
朝倉「うっ……そ、それはそれよ!つまり元凶はキョン君!それさえ断てばすべてうまくいくの!!だから、じゃ死んで♪」
キョン「ちょwwあいつら無視www」
朝倉「なぁに?(キッ)」
熊「!?……キュ~ンキュ~ン…」
蜂「!?(ビューン!)」
狼「!?……キャインキャイン!!」
キョン「(一睨みで一目散に。さすが朝倉の目力だぜ。あぁあの目で睨まれたい…はぁはぁ)グフッ」

 



第7話

 

朝倉「走り回ったせいで今どこにいるかわからなくなったじゃない」
キョン「しかもさっきよりも暗いしな。さらに奥に来ちまったのかもしれん」
朝倉「もうあたしたち助からないのかしら……」
キョン「あきらめんなよ。必ず二人で助かるって言っただろ?」
朝倉「……えぇ」
キョン「元気出せよ。ほら、これでも食え」
朝倉「チョコ?」
キョン「はは、ちょっと溶けちまったがな。疲れたときには甘いものが一番だ」
朝倉「ありがと。(パクッ)……おいしいわ、キョン君」
キョン「そうか……ん?」
朝倉「どうしたの?」
キョン「いや、どこからかいい匂いが、(クンクン)」
朝倉「匂い?(クンクン)ハッ!?これはまさか!!(ダッ)」
キョン「おい!いきなり走り出したりしてどうしたんだよ!!」
朝倉「この匂いは…この匂いは……」
キョン「お~い!待ってくれ~」

 

 

朝倉「(ガサガサ)」
キョン「(ガサガサ)こんなとこ通って大丈夫か?」
朝倉「……」
キョン「やれやれ、ん?あれは光…まさか人のうちか!?」
朝倉「ふふふ、違うわ。あれは……」
キョン「あれは?」
朝倉「おでんの屋台よ!このあたしが言うんですもの、間違うわけがないわ」
キョン「その自信はどこから……なッ!?本当におでん屋だった!!」
朝倉「おじさん適当に見繕ってね♪」
キョン「なんというオチだろうか」
朝倉「ん~おいし♪」

 

 


―――――
キョン「俺たちは無事山を下りることができた。朝倉のおかげでな。だが出た場所は一つ隣の町だった。つまり必死で逃げ回ったせいで山一つ分を越えてしまったのだ。こうして俺たちのハイキングは終わった……俺と朝倉は危険を乗り越えることでまた一つお互いの愛を育んだのだ―――」
朝倉「勝手に何言ってるの?独り言なんて気持ち悪いったらないわ。だいたい愛とか言っちゃって恥ずかしいって言葉知らないのかしら?そんな恥知らずはこうしてあげる、

じゃ死んで♪」
キョン「ちょwwおでん食って終わりとかwww」
朝倉「いい運動したあとはおいしいもの食べるに限るわね♪」
キョン「(俺たちの夏はまだ終わらない…はぁはぁ)グフッ」

 

 

~夏休み・ハイキング編~完

 

 


 

おまけ

第8話

 

キョン「じゃあハイキングに行くか」
朝倉「そうね♪」


朝倉「……」
キョン「どうした?食わないのか?(パクパク)」
朝倉「ねぇ、これって?」
キョン「え?バイキングだが何か?」
朝倉「そんなベタなオチ期待してないの。こんなオチじゃ芸人になれないわよ?
そんな無価値な人は処刑ね、じゃ死んで♪」
キョン「ちょww俺の将来芸人www」
朝倉「あなたみたいな人が芸人になったら失礼よ」
キョン「(なんにしても将来は朝倉と二人で…はぁはぁ)グフッ」

 

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最終更新:2020年03月12日 00:06