皆「王様だーれだっ!」
ハルヒ「あたしよー!じゃあ1番の人、後ろ向いて振り返りながら大好きって言ってー!!」
 
おぃおぃ待てよ!1番ってまさか・・・
まさかではない。俺の持ってるものには間違いなく1番の文字が。
 
朝比奈「一番だーれ?」
 
俺は恐る恐るモノを持ち上げる。
キョン「あ・・・・・俺なんだが・・・」
 
その瞬間、空気が凍りついた。
 
しばらくして、古泉はやれやれ、といった様子で肩をすくめるとなぜか部屋から出て行く。
朝比奈さんも赤い顔をして妹を連れて部屋を出て行く。
長門はいつもどおりの表情で部屋を出て行く。
 
部屋には俺とハルヒだけ。
 
「なあ・・・ホントに言うのか?」
 
しばらくして固まっていたハルヒがようやく落ち着いたらしく、答える。
 
「え…あ…あぁ…た、ただのゲームなんだからねっ!!・・・は、はやく言いなさいよ!!」
 
やれやれ。本当はもっと後になってから言いたかったが。まあ言いか。
 
「ハルヒ、今から言うことは遊びじゃなくて本当のことなんだ。いいな?」
「え?・・・ちょ、ちょっとそれって・・・」
 
俺は後ろを向く。そして振り返る前に「ハルヒ」と呼び、振り返ってできるだけ優しい声で
 
「大好きだ」


 
しばらく俺もハルヒも固まったままだった。
あーあーあーあーあー言っちゃったなー
まあ言いか。本当の気持ちなんだし。
 
しばらくするとフリーズしていたハルヒが動き出し、俺の肩に手をかける。
 
だんだん二人が近くなる。それにあわせるように二人とも目を瞑る。
 
そしてふたつがひとつになる。
 
しばらくしてどちらともなく唇を離す。ハルヒは俺の胸に顔を埋めながら
「私も・・・キョンのことが・・・大好きだよ」
 
その夜、二人は――
 
孤島からの帰り、古泉に訊いてみた。
「なあ古泉、“アレ”は偶然なのか?」
この場合の“アレ”が何をさすかは・・・ご想像に任せさせていただく。
 
すると古泉はさわやかな笑みを浮かべながら答えた。
「何言ってるんです。もちろん彼女がそう望んだからに決まってるじゃないですか」
そう答えた。
 
― fin ―

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最終更新:2020年03月12日 23:32