片思いキョン保守
 


 
「ねぇ。キョン」
「授業中になんだよ、ハルヒ。また怒られる……ぞ……」
「んふふふ……化粧してみたわ。どう? 似合う?」
「…………」
「キョン?」
「ん、あぁ。わりといいんじゃないか?」
「ちょっと、まだ話は終わってないわよ! こっち向きなさい!」
「(やべ……。今のハルヒはメチャクチャ綺麗だったぞ。まだ頭に焼き付いてやがる……)」
 
片思いキョン保守
  


 
「(どうした俺の脳細胞。早くハルヒのあの顔を消し去りやがれ)」
「ちょっとキョン。部室はこっちよ。どこに行く気?」
「あぁ。すまん……」
「あんた様子おかしいわよ? 風邪? どれどれ……」
「ば、バカ! 近付くな!」
「…………」
「あ……すまん。言い過ぎた……」
「いいわよ。別に」
「(じゃあそんな表情しないでくれよ。なんか心臓辺りが痛くなるだろ……)」
 
片思いキョン保守
  


 
「(なんなんだ俺は。まるでドラマとかで恋してる主人公みたいだ。……まさか、ハルヒに?)」
「…………」
「(いやいや、断じて有り得ん。あいつを好きになる理由が見つからん)」
「…………」
「(今でもさっきからずっとネットをしてるような女だぞ?)」
「ちょっと。そんなにジロジロ見ないでよね、エロキョン」
「は? 誰もお前なんか見てないぞ」
「白々しいのよ。100人に聞けば100人が見てたって答えるわよ」
「……い、いいだろ。たまにはお前眺めたって。俺の勝手だ」
「え? いや、それは……そうだけどさ……」
「おやおやキョンくん。涼宮さん。青春ですかね?」
「「違う!」」
 
片思いキョン保守
  


 
「(畜生。俺はどうしたってんだ? なんかあいつを女として意識してしまう)」
「キョン、古泉くん。明日は9時にいつもの喫茶店だからね!」
「了解しました」
「……」
「キョン」
「…………」
「キョン!」
「あ、あぁ。どうした?」
「……あんた来なくていいわ。4人でやるから。さ、みんな帰りましょ!」
「おい、待てよ……」
「あんたには2連休をくれてやるから体調を戻しなさい。今のあんたおかしいから」
 
「(なんなんだよ。おかしい、おかしいって。俺が恋しちゃいけねーのかよ……)」
 
片思いキョン保守
  


 
「2連休なんてもらったってやることねーよ」
「谷口とか国木田でも誘うか?」
「誰かこねーかな……」
「そろそろ昼だな。喫茶店に戻ってくる頃か……行ってみるか」
「あ、ハルヒ居た。……なんか浮かない顔してんな。そんな顔を見に来たわけじゃないんだが」
「……顔だしてみるか」
 
片思いキョン保守
  


 
「ちょっとキョン。何であんたここにいるのよ」
「おま……みんなの顔が見たくなってな」
「ふーん。とりあえず遅刻は遅刻! ここの払いはあんたで、午後からは説教も込めてあたしとペアよ」
「あぁ、わかったよ」
「(……逆にうれしいが黙っておこう)」
 
片思いキョン保守
  


 
「あんたと二人で探索ってみんな来なかった時以来ね」
「あぁ、そうだな」
「懐かしいわね。あの日だけはあんた早かったし」
「あぁ、そうだな」
「……あんた、その相槌増えたわね」
「……あぁ、そうだな」
「わざとやってる?」
「あぁ、そうだな」
「あたしのこと、好きなんでしょ?」
「……………………(今なら自然に言えるんじゃないか?)」
「好きなんでしょ?」
「…………あぁ、そうだな」
「へぇ……。告白って受け取るわよ?」
「あぁ、そうだな」
「じゃあ……付き合おっか?」
「おま……あぁ、そうだな」
「……冗談よ。そんなやり方、告白って認めないんだから」
「……好きだ。…………これなら認めるか?」
 
片思いキョン保守
  


 
「本気で言ってる?」
「もちろん。自慢じゃないが生涯初の告白だぞ」
「……あたしと付き合いたいの?」
「あぁ」
「あたし実は…………よ? それでもいいの?」
「肝心な所がゴニョゴニョって感じで聞こえなかったんだが……」
「むぅ……。い、一回しか言わないんだからね!」
「わかった。きちんと聞き取る」
「あたし実は……実は、根が甘えん坊なのよ! だから付き合っちゃうと今のあたしの性格じゃなくなるわよ?」
「…………」
「ふふん、こんな性格じゃない涼宮ハルヒは嫌でしょ……ふふ……」
「つーか関係無いな。ハルヒはハルヒだ。とりあえずO.K.を出したってことで良いんだな?」
「え? う、うん。だけどあたしは……」
「よし。決まりだ。とりあえず今日から改めてよろしくな」
「よ、よろしく……」
 
片思いキョン保守 終
  


 
第二次バカップル保守へ

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2020年03月13日 09:07