「はぁ・・・はぁ・・・」
俺は見慣れた学校を走り回っていた。生徒会室に突如現れた変態から逃げ回っているのだ。
あれは以上だった。屈強な見たこともないぐらいの男の中の男。
いや、見た事はある。確か新川って名前だったはずだ。
しかし、見慣れた新川ではない。明らかに以上だった。
通常の何倍ももっこりしたあれが頭の中に映像としてこびり付いて離れない。
それにしても何時まで走り続ければ良いのだろう。
さっきからどこからともなく足音が聞こえてくるのだ。姿も見えないのに。
まるで幽霊を相手にしてるかのようだと錯覚してしまう。
こんな時に喜緑が居てくれればな。あいつは頭脳明晰だから対処法も数秒で考えつくだろうに。
くそ・・・どこまで逃げれば?ふと、前から足音が聞こえてくる。
「クソ・・・!!」
生徒会長である俺が学校内を走り回っては駄目なんだがあの異様なオーラは間違いなく逃げないと駄目だ。
捕まったら何かされるのが目に見えている。ただ、何かは解らない。
間違いなく、あの新川はいつもの新川ではないということだけしか今の俺には解らない。
ちなみに走り続けることもう十時間。とっくに外は夜だ。
そんな時間帯に学校を走り回っている俺は間違いなく変人扱いだろう。
。もう走るというよりもふらふら早歩きしてるような状態だな。限界だな。
「っ・・・仕方ない」
俺は携帯電話を取り出して目的の相手のところで通話番号を押した。
トゥルルル
「早く・・・」
トゥルルル
「早く、出ろ・・・」
トゥルルル。
「早く、出ろ・・・早く!」
ガチャ。
「!」
『はい、喜緑です』
よし、助け舟が電話に出た。これで形勢逆転だ。
「あ、俺d―――」


『ただいま電話に出れません。ピーという音の後にお名前とご用件を15秒以内におっしゃって下さいね』


ピー。
「俺だ!助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けてぇっ!!」
ピー。
十五秒、短いな。って、そうじゃねぇよ!!
「このヤロォォォオォオオオオオオッッ!!」
仕方ない。こうなったら、不満だがあいつを頼るしかない。
トゥルル・・・ガチャ。
「早っ」
『・・・なんだ?』
「俺だ!助けてく―――」
『・・・村神。駄目だぞ』
「え?」
『確かに閉じられた世界という作品だったら同じ電撃文庫だから繋がることも可能だろう』
「おーい」
『だが、今は角川の涼宮ハルヒの憂鬱という作品の二次創作の中だ。あやめの力を使ってもこれはどうにもならん』
「ちょ、待て」
『と、言うわけで俺に力を求めるな。どうしてもと言うなら魔女にでも電話しろ』
ガチャ。ツー・・・ツー・・・ツー・・・。
「意味が解らねぇよ!っつか俺、村神じゃねーよ!!」
今度は三人目だ。くそ・・・。
「もしもし!」
『はい、こちらCo●o壱番屋でございます』
「・・・間違えました」
くそ、カレー食いたい!!ココ●チのカレーが食いたい!!あ~!!チーズカレー!!
って、そうじゃねぇよ!!落ち着け。俺。落ち着け。俺。
ってか、こうなったら誰でも良い!とにかく誰かに電話繋がれ。
『はい、もしもし柚森です』
「誰でも良い、助けてくれ!学校に居るんだ。変な奴に追いかけられて、それで・・・」
『鳴海くんなら助けられると思うけど・・・ちょっと待っててね』
「切るな!ちょっと待―――」
ガチャ。
「ゴルァァァァァァァアアアアアアアッッッッッッ!!」
あ~!もう誰もあてにならん!!逃げ切ってやる!!朝まで!!
・・・と、突然何かが俺の肩を握った。
「・・・あ・・・あ・・・」
後ろを振り向く。誰も居ない。だけど、俺の肩にはしっかりと誰かが握っている皺が出来ている。
ふと、何もない空間から新川が現れた。・・・雰囲気が違うが。
「ステルス迷彩はここまで進化した」
そう言って微笑むあいつを見てじわりと冷や汗が頬を伝う。
「やっと捕まえたぜ・・・さぁ、味わうぞ・・・お前のアナァールッッッ!!!」
「イヤァァアァァァアァァアァァアアァァァァァアッッ!!アナルだけはぁっ!アナルだけはぁぁぁっっっ!!」
イヤだ・・・イヤだ・・・やめてくれ・・・。
「性欲をもてあます」
「ひっ・・・ひっ・・・・・・」
「オラァッッ!!」
「ヒャアアァァァァアァァァァァアァアァァァァッッッーーーーーーーー!!」


ドコカデ ヒグラシ ガ ナイテイル ヨウナ キブン ニ ナッタ 。


生徒会長がなく頃に   了

 

 

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最終更新:2007年05月05日 02:43