キョン「ハルヒ!オレはSOS団をやめるぞーーー!!!」
 
ハルヒ「なにいってんのよ。そんなのダメに決まってんじゃない」
古泉「わけを聞かせてくれませんか」
 
キョン「この前の野球大会でオレは野球のすばらしさに目覚めた!
   だからオレは今から甲子園を目指すんだ!とめるな!」
 
ハルヒ「・・・ふーん」
古泉「しかし、ただの公立高校であるウチから甲子園に出場するというのは
  かなり困難なことではないでしょうか?そもそも野球経験あるんですか?」
 
キョン「そんなものはない!だが、この情熱をもってすれば不可能なことなど
   なにもないはずッ!よってオレは今から野球部に入部する!」
 
30分後、キョンは部室に戻ってきた。
 
キョン「野球経験ないと練習ついていけないって断られた・・・」
ハルヒ「いわんこっちゃない」
古泉「やはりあなたはSOS団にいるべきですよ」
 
キョン「くそぉ・・・!情熱だけは誰にも負けないのに!
   長門ー!なんとかしてよー!」
 
キョンが長門に泣きつくと、彼女はゆったりとした動作でバットとグローブを取り出した。
 
長門「ホーミングバット&グローブ(ボソッ)」
キョン「僕の有希たーーーーん!!!」
 
キョンは長門からインチキバット&グローブを受け取ると、再びグラウンドへと走っていった。
 
それから30分後・・・
再び部室へ戻ってきたキョン
 
キョン「なんか動きがキモいって言われた・・・」
 
ハルヒ「ヘンな道具に頼ろうとするからいけないのよ」
古泉「インチキはあまりほめられたものではないですね」
 
キョン「・・・もういい、今日は帰る」
 
キョンはカバンを持つと、とぼとぼ部室から出ていった。
 
みくる「あ、あの~、キョン君あのまま帰らせてしまっていいんですかぁ」
ハルヒ「ほっときなさいよ。明日になれば野球のことなんて忘れてるわ」
キョン「彼は単純な性格ですから」
 
そのころ、長門は野球の硬球をじっと見つめていた。
長門「・・・ドリームボール」
 
ハルヒ「なッ!キョン!いつのまに戻ってきたのよ!」
キョン「ええい!うるさいうるさい!とにかくオレはSOS団をやめるからなッ!
   一度言ったことを反古にするのはオレのポリシーに反する」
 
みくる「よくわからないこだわりですねぇ・・・」
ハルヒ「後でまた戻りたいって言ったって知らないわよ」
 
キョン「うるさい!もう決めたんだ!止めるなよ!!」
 
長門がゆっくりとキョンに近づいてきた。
 
キョン「な、長門・・・まさかオレを引きとめに?」
 
彼女はゆっくりと首をふると、ロッカーのあたりを指差した。
 
長門「あなたの私物・・・片付けといて」
キョン「うわぁーーーん!!!バカバカバカバカバカーーー!!!!」
 
キョンは泣きながら部室を出ていった。





 
エピローグ  
 
キョン君はそれから2年後に死んだ。
あの野球大会から4年たった今じゃ思い出す回数もずいぶんと減った。
みんなとは卒業してからはなかなか会えていない。
最後に会ったのはもう1年も前かな。
 
涼宮さんはオカルト知識を買われてムー編集部に 入った。
北高初の編集部員だ。
早くも鬼編集部員とか呼ばれて来年は主任決定らしい。
谷口は大阪で浪人生やってる。行きたい大学があるそうだ。
生徒会長は卒業後パパになっちまってオメデトウというか
なんというか‥‥がんばれ。
 
朝比奈さんは東京で学生さんだ。
今でも僕と絶賛文通中、遠距離恋愛というやつだ。
五通に一通は返事を返してくれるカワイイ悪魔だ。
鶴屋さんは家業を継いだらしい。
朝比奈さん(大)は別の時間軸で活動してる。まだ独身だ。
 
岡部は大阪の東通りという所でホストをやっている。
ハンドボールバカのくせに生意気だが大都会でぜひ一旗揚げてほしい。
朝倉は刑務所ん中だ。
まああの殺人鬼ならそう珍しいことでもねえ。
多丸兄弟はトラックころがしてる。
新川さんはコンビニの店長になって時々賞味期限切れの弁当を
ゆずってくれる使えるヤツだ。
それともう一人コンピ研部長‥‥‥は知らん。
 
そして僕は今‥‥
いろいろあってまだ高校生やってる。
北高にはまたSOS団ができた。
僕にあこがれるのはわかるがちょっとうっとおしい。
僕はあれから不思議探しはやっていない。
‥‥でもよ、キョン君。僕は最近思うんだ‥‥
マッガーレ‥
 
 おわり

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最終更新:2020年05月17日 17:31