俺は今、谷口の家に来ている。
なんでかって?今日はSOS団の活動が休みだからだ。理由は知らん。
部活がないと早く帰れるから家でゴロゴロしようと思ったのだが
帰り道で話が盛り上がってしまい谷口の家で雑談をすることになったのだ。
ちなみにいるのは谷口、国木田、古泉、俺だ。
そして今何の話をしているかと言うと・・・・
「俺が思うにやっぱ胸は大きい方がいいと思うんだ!!」
「いや、そんなことないです。大きさより形の方が重要ですよ」
「僕も古泉君に同意するね」
好みの胸の話だ。
思春期の男だからな。こういう話をしたっていいじゃないか。
そして今、最もくだらなく熱い闘いをしているわけだ。
「なんでだよ!!男だったら巨乳を愛せよ!な、キョン?」
「あぁ、そうだな。夢が大きい方がいいように
胸だって大きいほうがいいに決まってる」
「よく分からない例えをするのが好きですね。貴方は」
会話からも分かるように俺と谷口は巨乳派で、美乳派が古泉と国木田だ。
くだらないか?俺もそう思う。
でもこういうことを真剣に議論することはけっこう楽しいのだ。
「手ブラしたときに手から胸がこぼれそうなのがいいじゃないか!!
それに胸が大きいと視覚的にもおいしいだろ!?」
「視覚的においしいと言ったらやっぱり美乳でしょう。
いくら大きくても垂れていたら勃つものも勃ちませんよ」
・・・・さっきから谷口と古泉は言い争いしぱなっしだ。
それにしても古泉が乳について熱くなるなんて女子は想像出来ないだろうに。
 
「おい、キョンも何か言えよ」
「・・・・・俺はな女の子が屈んだ時にうっかり服から覗く谷間が好きなんだ。」
「その気持ちは分からなくもないです」
「そうだろ?それで谷間っていうのは胸が大きいほうが魅力的なんだよ。
大きい方が谷間がはっきりするだろ?そんな谷間を見ると思わないか?
あそこに顔を埋めたい。あの谷に落ちてしまいたいって。
そんな思いをさせてくれるのは巨乳であるからこそなんだ」
俺は自分の思いを素直にぶちまけた。
隣で谷口は力強く頷いている。
古泉は一理ありますね・・・みたいな顔をしている。
今、俺はいいことを言った。
そう思った時に国木田は俺と谷口にザラキを唱えやがった。
「…二人の話聞いてて思ったんだけど、二人とも童貞だよね」
笑顔でなんてこと言いやがる。ていうかお前はどうなんだよ。
「それとこれと何が関係あるんだよ!!」
否定出来ずに黙っている俺の横で谷口が喚いた。
「だってさー、なんか言ってることがあんまり現実的じゃないんだもん。
知ってる?巨乳ってリスクが大きいんだよ。巨乳に限らず胸はね。」
俺と谷口は国木田の話に聞き入った
「見てみれば分かると思うんだけど割りと垂れてる人とか
乳輪とか乳首とか変に大きい人か多いんだよ。
だからやっぱり美乳のほうがいいんだよ。
僕の経験上では小さいほがわりと美乳が多いんだよね」
・・・なんていうことだ。こいつ今あっさり脱童貞宣言したぞ。
「つーかお前童貞じゃないのかよ!!??」
驚いたように谷口が叫んだ。
「うん。捨てたのは中三の秋くらいかな?」
なんだと!!秋なんて言ったら高校受験の真っ最中だぞ。羨ましいぞ畜生。
 
「お前はどうなんだよ!?」
谷口が古泉に話を振った。そいつに振るな。外見からして分かるだろうが!!
「僕は中二の夏ですね」
「お前等羨ましすぎるぞ!!!!」
素直だな谷口。俺もだけど。
それにしても古泉、中学の時はハルヒの精神が不安定のせいで
神人狩りで忙しかったんじゃないのか?ちゃっかり青春してるじゃねぇか。
谷口は二人の話を聞きたがっていたが俺は聞きたくなかったので話をそらした。
「話かわるけどお前らって今好きな人とかいるのか?」
「居ないけど、可愛いなって思う人は居るよ」
即座に国木田が答えた。よし、話題転換成功。
「へぇー誰だ?」
「涼宮さんかな」
「「「えっ!?」」」
俺と谷口と古泉は同時に驚いた。
確かにハルヒは顔がいい。でもあの性格だ。
割りとハルヒと関わっているであろう男からそんな言葉が出るとは普通は思わない。
「…あのハルヒのどの辺りに魅力を感じるんだ?」
「僕さ、涼宮さんみたいな気が強くて我が侭な子を見てると
こいつを服従させてーな・・・・って思うんだよ」
・・・・!!なんだって!?ハルヒお前危ないぞ!!
クラスメイトにとんでもない目で見られてるぞ!!
谷口は目を見開いて絶句し古泉は苦笑を浮かべている。
「やだなー。冗談だよ。あ、でも涼宮さんが可愛いと思うのは本当だよ?」
国木田、目がマジだったぞ。
ハルヒ、もしこいつが変な気を起こしそうになったら俺が全力で守ってやるからな
「それにしてもさーキョンはどうなの?」
「何がだ?」
「だってけっこう涼宮さんといい雰囲気じゃない?ねぇ古泉君?」
 
「そうですね。彼と涼宮さんはSOS団にいる時もいつもいい感じですよ。
さっさと付き合っちまえよって僕は思っているのですが…」
なんだと!?俺とハルヒがいい感じだと!?
…確かにそんなことがあったようなないような気がするが
俺とハルヒが付き合うなんて想像出来ん!!
それに古泉、お前微妙に言葉が汚かったぞ。
「で、どうなの?」
「で、どうなんです?」
う、なんだこいつ等。なんでこんな息ピッタリなんだよ
たいして仲良くないくせに。
と俺がすっかりまいっていると意外にも谷口が助け船を出してくれた。
「涼宮の話なんかどーでもいいだろ!?
それよりSOS団と言ったら朝比奈さんだろ!!」
よかった…こいつが空気を読めない奴で。
国木田と古泉は物凄い不満そうな顔をしているがな。
「まぁ…確かに朝比奈さんも可愛いよね。文化祭の服は本当に似合ってたよね」
「胸も大きいしな!!」
「お前朝比奈さんをそんな目で見てんのか?」
「悪いか?お前だって思うことはあるくせに」
…図星。
「しかも朝比奈さんは顔もかなり可愛いしな。毎日あのお方と同じの空間に
居られるなんてお前等贅沢者だぞ」
「そうだよね。朝比奈さんって性格も可愛いし。見てて泣かしたく・・・・
じゃなくて守ってあげたくなるよね?」
今お前おかしなこと言いかけなかったか?…聞かなかったことにしといてやるが
「あと、鶴屋さんもかなり可愛いぜ。あの元気さもひっくるめてな」
「お前、そんなに上級生が好きか?」
「そーいうわけじゃねぇよ。ただ俺の好みがたまたま上級生に集まってるだけだ」
それは違うな谷口よ。お前はアレだろ?同学年の女子に相手にされないだけだろ。
 
「そーいえば古泉君はさっきから全然喋ってないよね?」
言われてみれば静かだな。乳談義してるときはうるさかったのに。
「可愛いと思う女子とかいないの?」
「い、居ませんよ!」
この反応は不自然だ。もしかしたらこいつ…
「もしかして古泉君好きな人居るの?」
さすが国木田。容赦が無い。
「違いますよ!!」
「へぇー…話したくないならいいけど気になるなぁ」
「俺もだぜ。女子にモテモテのお前が好きになる女って興味あるなー」
「だから居ませんって!」
「そんなに話したないの?仕方ないなー…じゃあ好きなタイプくらい教えてよ」
随分大人しく引き下がるな国木田。俺としては無理矢理聞き出して欲しかったんだが。
そう思っていると古泉が自分の好みについて語りだした。
 
「背は低く小柄なほうがいいです。
それで肌は白く目は大きくて…あ、眼鏡はしていてもしていなくてもいいです。
外見は大人しそうで性格も大人しくっていうかほぼ無口でも構いません。
趣味は読書で、好きな食べ物はカレーがいいですね」
正真正銘の馬鹿だこいつ。今のは好きなやつを暴露したのと一緒だぞ。
「へー古泉君の好きな人って長門さんだったのか」
「えっ!なんで分かったんですか!?」
「だって好みがそのまま長門さんじゃない?」
「けっこう誤魔化したつもりなんですが…」
馬鹿といかアホだな。いや、馬鹿であほだな。
「意外だなーお前が長門有希を好きなんて。確かにめちゃめちゃ可愛いよな?」
「そうですよね」
古泉、お前笑顔がいつもよりでれでれしてるぞ。
「でも、長門有希ってー」
なんだお前。谷口の分際で長門にケチつける気か?
それにお前の美的ランキングだと長門はA-なんじゃないのか?
「胸小さいよな?」
結局それかよ。
「それでもいいんですよ!!!」
うぉっ。いきなり大きい声を出すな古泉。びっくりするだろうが。
 
そんな俺を無視して古泉は話始めた。
「小さい物は大きくすればいいだけの話です。
僕は長門さんの胸は今のサイズがベストだと思っていますよ?
しかし長門さんが自分の胸を大きくしたいとおっしゃるのなら
僕は手伝います。っていうか僕が大きくしてあげますよ」
「お、落ち着け古泉」
お前普段こういうキャラじゃないだろ。
国木田も驚いた顔をしている。
谷口はというと…
「お前すげーよ!!感動した!!」なんて言ってやがる。
今の話に感動要素は全くないぞ。
「あ、あと皆さんに言っておかなくてはならないことが…」
「なんだ?言ってみろ」
古泉の顔から笑顔が消えいつもよりかなり低い声でつぶやいた。
「もし、僕が長門さんに好意を抱いていることを言ったらブチ殺しますからね」
俺たち三人は息を飲んで頷いた。
すると古泉はいつもの笑顔と声に戻って
「約束ですよ?」
と言った。
俺たちは古泉に圧倒されてまた頷いた。
 
その後もくだらない話をだらだらと続けていたが俺の携帯に母親からの連絡が入り
おひらきとなった。
結局9時まで話し込んじまった。
…でも楽しかったな。意外な一面を見せたやつもいるしな。
不思議な騒動でドタバタするのもいいけど、
こういう普通の日常もいいなと思って俺は家に帰った。
 
終わり

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最終更新:2020年08月23日 02:13