「明日の9時に駅前に集合よ!!15分前にはちゃんと来ておきなさい。
来ないと死刑だから!」
お前のせいで俺の1週間の内の貴重な2日間の休みがなくなるんだよ!!
とは言えるわけもなく俺は青菜に1kgぐらいの塩をかけた状態で家に戻った
どうせなら俺と朝比奈さんその他の憂鬱として小説を出してほしいものだ
翌朝、煩くも目覚まし時計のベルが鳴った と同時に妹がニードロップ
毎度騒がしい妹だ 時計を見ると8時40分 やべぇ寝過ぎた!!
俺は闇討ちに遭った坂本竜馬のように焦りながら自転車を漕いだ
と同時に不可解な違和感を覚えた とそんなことより急がねば!
駅前に着くと驚愕した 他人が俺の顔を見ればツチノコを見つけた1農民の顔に見えただろう
「遅いじゃない!罰金!」聞き慣れただろう声のトーンが異常に高い
ちっさいハルヒがそこにいた

「やぁ、おはようございます」不機嫌な俺をさらに不快にさせる声が聞・・・
古泉もやけに小さかった 何か[禁則事項]の黒ずくめの男にでも薬を飲まされたのか?おい
「おはようございます、キョンくん」
砂漠で水があれば自分より先に飲ませるであろう人物の声を聞き振り返りまた驚いた
大人みくるがそこにいた
朝から感じていた違和感はまさにこれで ざっと周りを見渡してしたくもないが現状を把握した
大人は子供に 子供は大人になっているようだ しかも高校生以上が子供で中学生以下が大人になっているようだ
今すぐにでも現実逃避したい それと1つだけ疑問に思った なぜみくるさんだけ大人なんだ ロリか!この世の陰謀か!!
と嘆いてる時に下腹部に弱い衝撃が走った ハルヒ(小)が俺にドロップキックをしたからだ
「もう!何ごちゃごちゃ言ってるの!さっさと行くわよ」
はいはいと答えた刹那に何故小さいこいつの尻にしかれなきゃならんのだということを心の中で叫び駅を後にした

さてこの状況を見た人にどう説明しようか
一見すると美少女にどう見てもかっこいいとは言えない普通の俺―(自分で言っちまった・・・)―の凸凹カップルと
その娘2人と息子1人だ っと・・・その前に影みたいな存在のこいつの状況も教えんとな・・・
いたって普通だ 昨日見かけた姿となんら変わりない さすが宇宙人と言うべきか 言わないほうがいいだろうな
それよりなんで俺とお前が普通なんだ?またハルヒの迷惑この上ない願いか?
「・・・違う」ではなんだ?まさかお前の力か?
「・・・そう」俺は頭を抱えた まさか黒幕がこいつだったとは・・・
じゃ・・・なんでこのような世界にお前は変えたんだ?何か不満でもあったのか?ハルヒに
「違う」はっきりと断った 「はっきりといえば私ではない 私はこの状態に食い止めてるだけ」
は?と首を捻る フェルマーの最終定理を解いてる学者の姿が想像できたね まぁ俺にはsinθもわからんがな
今日の俺は自虐傾向のようだ もし夢ならば覚めてくれ

「朝倉の来襲」俺は耳を疑った 朝倉はお前が消したんじゃないのか?
「詳しく言えば朝倉馨の力によりこの世界は捻じ曲げられてしまった」
ぷっと吹き出しかけたがこいつの顔を見ると欠伸もできない
いや・・・こいつはいつも無表情なんだがな
宇宙人でも新人さんがいるんだな が、俺が命を狙われることもなさそうだ
「そしてあなたの命を狙っている」緩んでいた俺の顔が空気を一気に抜いたペットボトルみたいに強張った
おいおい冗談だろ・・・なんでまた俺が狙われなければならんのだ もしかして妹さんとかそういうことじゃないだろうな
「当たり」躊躇なく答えやがった まったく・・・ 神様よ もうちっと普通なところへ命を授けてくださらなかったのか もちろん人間で
つうかこんなので当たったって嬉しくとも何ともねぇよ っていうかなんでハルヒや古泉は小さくされてしまったんだ?
「4年前の涼宮ハルヒには世界を改変する力がなかった だからそこに目をつけた 古泉一樹も同じ」
あぁなるほど・・・って納得できるかぁ!!今俺の不満は休日を削られたことからそちらに向けられた やれやれ貧乏くじ引かされてしまった・・・
「世界を元に戻すにはあなたを狙って相手が姿を現した時に迎撃する そして世界を元通りに改変する」
つまり俺はお前に守られてるから命を落とすことは無いんだな?
「保障はできない」 おい!

「何してるの?早く来なさい!」ったく小さくなっても気は大きいままなんだな こいつはよぉ!!
「ははは まぁそこも魅力の1つでしょう」こいつの笑顔の気持ち悪さも同じだな っていうか顔近い!あと2mmしかねぇじゃねぇか
「なんか 朝起きたらいつもの服着れなくて・・・成長期でしょうか」恐らくあなたは成熟期でしょう というより今は究極体の方があってますよ
とまぁハルヒと古泉が小さくなり朝比奈さんが大きくなった以外は変わることもなく・・・とは言い切れないが奇妙な1日が終わった
「明日は休みにするわよ!とりあえず自主活動で謎を探してくること!!解散!」
と今日の憂鬱感の70%を占める原因となった奴の声を聞き俺は帰路についた 長門込みで
「明日駅前に来て」またか・・・んで何時なんだ?「1時」1時かえらい遅いもんだ それならぐっすり寝させてもらうぜ
「朝1時 駅前に来て 恐らくこの現象の渦中の人物が来る それを仕留める」
俺の週末は恐らくBAD ENDで飾られるであろう 予感が的中した

仕方ないなと思い今日は早めに寝た
時計のアラームが鳴りもう少しと考えているうちに1時を指そうとしていた
デジャヴだな・・・ってゆっくりしてる暇はねぇ
急いで着替え歯を磨き自転車で飛ばしていった
すると途中で「やっほ~キョンくん どうしたのこんな時間に?まさか気になるあの子のところへ?」
貴方はいつでも明るいですね 周りは暗いのに それよりその質問の答えはNOです あながちハズレでもないが
「ははは嘘嘘 やっぱりキョンくんはおもしろいね~」どこが面白かったんだろう この人の笑いのツボが知りたい
それよりあなたこそなんでここにいるんですか?「まずはキョンくんから言ってよぉ」
不安を覚えながら体がなまってはいけないのでサイクリングと答えた ハルヒのせいでなまることはないがな
「わたしもちょっとジョギングだよ 体がなまってはいけないからね ははは」
なんだ同じ理由ですか 奇遇ですね やっぱり運動に勝るもの無しですね あぁそれより急いでますので また明日会いましょう
とお辞儀するとヒュッと首元を何かがかすった 手で触ると血が出てる 何故?
そして次の瞬間安堵が絶望へと変わった「そしてあなたを殺しにきたの」

俺はイマイチ理解できなかった さっきまでフレンドリーな鶴屋さんがこんどは刃物を持って襲って来ただと?
えぇっとこの場合某RPGではコマンドが出るんだったな・・・よし「ガンガンいこうぜ」・・・と
って俺は何を考えてんだ!! あまりの出来事に気が動転しているようだ 
恐らく鶴屋さんではないだろうが念のため聞いてみるか お前は誰なんだ?鶴屋さんではないな?
「あら?この顔の主は『鶴屋』っていうの?今日貴方を探しているときに公園にいたから真似してみたの どう?上手い?」
えぇ上手かったですよ 恐らく将来は主演女優賞をもらえるでしょう その時は俺も招いてくださ・・・って何を考えてるんだ・・・
いかん!いかん! 本当に俺は頭が混乱しているようだ 誰か一発叩いてくれ あとで100円なら払ってやる
って眼前の鶴屋さんであっただろう物体しかいないが
「申し遅れました 私朝倉涼子の妹朝倉馨です 実は姉があなたを殺し損ねたそうなので私が代わりに来ました
これから殺す相手に目的を告げるのは面倒くさいけど一応私のポリシーです」
これはこれは行儀よく ってまた命を狙われるのか俺・・・ 頼むから誰か来てくれ 谷口でもいいから
お前の好きだった朝倉涼子によく似た妹さんがいるんだぞ ル●ンダイブしてでもいいから飛んできてくれ
いや実際使えないなあいつは 恐らく縮こまってるだけだろうな 来るな谷口! 脳内から消えろ谷口!
「決心ついた?」

消去法だ・・・ハルヒは駄目だ小さいからな ってか来たって何もできないしな
古泉は使えないな ハルヒ同様小さいし閉鎖なんとかでしか能力を発揮できない 一緒にいるのも嫌だしな
朝比奈さんは恐らく大人でも無理だろう あいつをどこかに飛ばすことはできるだろう でもそのあとは?
最後の綱は長門だが1km以上離れているここはわかるのか? 前みたいに登場はしてくれるのか?
俺はライオンににらまれた猫みたいに震えながら後退りしつつ長門の登場を待った
ドンッ 背中が無き壁にぶつかった え? 「ちょっとこの空間だけを切り取ったから逃げ出そうとしたって無駄よ」
今の俺の脳内では長門の顔と谷口の顔が浮き沈みしている えぇぃ谷口!!何故お前は俺にそんなに固執するんだ!!いい加減消えてくれ!
「空間の切り口があまりにも粗雑すぎる 切り屑も消去できていない あまりにも幼稚 だから私に気付かれる」
待ち望んでいた声が聞こえた 空耳じゃないよな? そこには長門がいた やっと来てくれたか長門
それにしてもかなり離れているぞ長門 間に合うのか?「だ」・・・?「いじょうぶ」
うわっいきなり現れるな長門 びっくりするじゃねぇか まぁつべこべ言える立場じゃないんだがな
「あら?こんにちは あなたのことは姉から聞きました あなたに邪魔されたそうですね」
「朝倉涼子は優秀でありながらも穴がありすぎた だからそこを突いた」
「では復讐としてあなたと対峙してもよろしいのでしょうか」「いい ただし勝つのは私」
なぁ俺帰っていいよなぁ もう目的は果たしたんだし・・・今日学校あ・・・今日日曜日だったな 口実にならないようだ
とりあえず寝させてくれ・・・俺普通の人間じゃないか ってかなんで俺こんなに弱気なんだ 睡眠不足のせいか よし寝させてくれ 睡眠に勝るもの
「離れないで」俺の愚痴は中断された



「もうっなんでこんなに小さくなってんの?いくら医学が進歩したからってこんな薬なんてありえない・・・
なんでキョンと有希だけ変わってないの?みくるちゃんは大きくなってるし もういいわ明日になれば原因不明の薬も消えるでしょ
効く薬でも効力はいずれは消えるわけだし
明日起きたらキョンに聞いてみなきゃ 何故あんたと有希だけ変わってないの?ってね そしてキョンを脅して元に戻してもらうの
この体じゃ駅まで行くのにも一苦労なんだから まぁ子供料金で電車に乗れるというメリットはあるけど
そんなに電車使わないし ごちゃごちゃ考えるのはやめ おやすみなさい」
「おやおや建物がやけに大きい思ったら僕が小さくなっていたのですね このままじゃ他人に顔向けできませんよ 寝てる間に直ってることを祈ります」
「え?誰この人?ひゃっ私?何でこんなに大きいんですか・・・これじゃ服が着れない・・・明日買いに行きましょうか・・・おやすみなさい」

後ろで何か幼き時に結構はまっていたシューティングゲームのゲーム音のような音がする 
戦況を見たい でも見たくない 俺がそんな葛藤の中で異様に谷口の顔が浮かぶのに嫌気が差した
頼むからお前がスケープゴートになってくれ谷口・・・
ちらっと戦況を目にしてみる さすがに俺1人を抱えて戦うのは無理があったのだろう
朝倉妹相手に苦戦しているようだった
なぁ俺を帰らせてくれないか?俺がいても足手まといだろう
「この空間を一時的に元の空間に戻す際 一瞬の隙を作ってしまう そして負ける
そうならないためにも帰すわけにはいかない」変な誘拐犯に捕まった気分だぜ 俺を殺そうとしてるのは第三者だがな
「それに・・・」長門が言葉を紡いだ「あなたがいれば戦闘に集中できる」おいおい逆じゃないのか?
その問いには答えなかった

俺の後ろで破裂音がした 振り返ってみると朝倉妹が倒れている
「あなたは朝倉涼子より優秀 しかし勝ちを急ぎすぎた それが敗因」
長門は朝倉妹に対し冷静な口調でそう言った
某ゲームのファンファーレが俺の頭でエンドレスに流れている そろそろ眠気こらえるのも限界かもな
朝倉妹より長門のほうが相当痛手を負っている 俺にしてみりゃ長門が負けのように思える
大丈夫、このくらい平気と言い放ち体を再生させた ほんとに便利な奴だよな まったく
人間なんざ指切っただけでギャーギャーわめき、ちょっと頭打っただけで集中治療もんだ
宇宙人になれると広告が貼ってあるならば土曜日と日曜日どっちを休みにしてどっちを探索にするかと訊かれるぐらい迷うな
そんときゃ人間を捨てるだろうな いかん思考回路がショートし始めた とりあえず寝させてくれ 頼む
「まだ世界の修復が終わっていない」あっさり断られたようだ
「やっぱり姉が敵わないのに私が敵うわけないよね 姉の言いつけも果たせなかったし」
そういい残すとこれまた姉と同様に砂になって消えていった 透明になるとかそういう消え方を望んだんだが
時計の短針は5時を指そうとしている 早く修復してくれ長門
「かなり複雑 でも半時間あれば修復できる」あと半時間も待たなければいけないのかよ
「待たなければ帰れない」そうだったここは隔絶された場所だった 選択肢は1つしかなかったのだ もういっそのことここで寝るか?
半時間かかるとはよく言ったもんで半時間を10分オーバーして世界が元に戻った
すぐにでもベッドインしたかったが命の恩人を置いていくのも気に食わんので長門を後ろに乗せて自転車を漕いだ
すまなかったな長門 お前には頭が上がらないぜ「いい」と言って本を読み始めた 眠くないのか?長門
とりあえず長門の住んでいるマンションの前に着くと長門を下ろしてやった
顔の筋肉をミクロ単位で動かし「ありがとう」と言う長門を後にして俺は帰宅した
もう6時か 長くて2時間ぐらいだろうな あとは人間目覚しによって布団を剥ぎ取られるだろうな
シャミセン お前が羨ましいぜ そういい残し俺は安眠を得た

起きる もう朝か ってか寝るときも朝だったが 時計を見る11時を指そうとしている
いけねっ寝過ごした!!何故こんな肝心なときにあいつは起こしに来ないんだよ くそっ!
急いで自転車をこぐ ちくしょう 家の鍵をどこかで落とした方がよっぽどマシだぜ
駅へ着くと誰もいなかった そうだよな やっぱりみんな怒ってるだろうな 
古泉なら待たせても何も感じないが朝比奈さんを待たせることはできないな ハルヒもだ 別の意味で
しばらくすると眠い目をこすりながら朝比奈さんが来る あれ?どうしたんですか?
「あれ?キョンくん いつもより早いですね 12時集合なのに」 12時?俺は9時と聞いていたはずだが?
「へっ?私の間違いかしら やだぁ また怒られる」と真珠のような涙を浮かべてる
それより確かに修復されたようで昨日のような大人な朝比奈さんではないようだ
俺としてはもうちょっと大人みくるでいてほしかったがな
そう泣きじゃくってる朝比奈さんをなだめていると
古泉が早朝にもかかわらず他の人が見れば爽快ともいえる微笑みを振りまきながら
駅前へ歩を進めている もう元に戻りやがったのか 小さいほうがハルヒが落ち込んでる日よりも気分が良かったぜ
こっちはいろいろあってろくに寝てねぇのになんでお前は寝起きなのにそんなに機嫌がよさそうなんだ
「おはようございます おぉ珍しくキョンくんがいるじゃないですか」いて悪いのかよ
(昨日のことは機関の方でも騒がれていました なので僕もそんなに寝ていません)
なんでそんなに平気にいられるのかを訊こうとしたが長門到着で訊くのをやめた もともと聞きたくもなかったがな
長門?お前の仕業か?時計の針を早めたのか?「ちがう」じゃぁなんだってんだ?
「みんなが覚えている涼宮ハルヒの決めた集合時間を3時間ずらしただけ」
そうだよな お前も眠かったんだよな 宇宙人でも睡眠時間は必要だもんな
と一人で考え込んでいると今日限定食事の幹事兼団長さんがお出ましだ もう小さい姿じゃないらしい
一泡吹いただろうと言いたかったがそんなことを言った2秒後には絞められて逆に吹かされているだろう
「あれ?キョンもめずらしく早めに来てるじゃない ちゃんと昼飯は摂ったわね皆」
そんなの聞いてねぇぞ お前がおごりじゃなかったのかよ「・・・そういうことにした」おい!
「何言ってるの?あたしちゃんと言ったわよみんなに まさか食べてないって訳じゃないでしょうね」
ああ まったくそうだよ「ははぁんつまりあんた今お腹空いてるわけか・・・」
何を企んでいるんだよお前は「ってことで今日はキョンの奢りね あたしたちデザート欲しくなっちゃったから」
勝手に話すりかえんなよ お前の言ったことだろう でなんで朝比奈さんも了承してるんですか
長門そんな目で俺を見るな いくらでも奢るから 財布にあった重量感が消えそうだ 今の俺にとって 平凡な日常はこんなのかも知れない


  -fin-

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最終更新:2007年01月15日 07:38