面倒なバイトを片付けながらの受験勉強を何とか成功させ、一時の安息を得たのも束の間
俺は急に機関のお偉方に呼びつけられた。お偉方と直接会うのは2年ぶりになるのかな?

???「久しぶりだね一樹くん、今日呼んだのは他でもない。重大任務を伝える為だ」
呼び出された時点で予想していたが、いざ面と向かって言われると少し緊張するもんだ。
???「おお、察しが良いね。結論から言うと君には転校してもらう事になる」

古泉「転校?」
???「そうだ。君も気付いているだろう、この1週間涼宮ハルヒの精神は異常に
   落ち着いている。これまででは考えられない事だ。」

確かに最近あの灰色の妙な世界(機関が閉鎖空間と名付けた)の発生頻度は落ちている。
とくにGW前後からは小規模の物がまれに発生する程度だ。

古泉「彼女の情緒も高校生になり落ち着いたのではないですか?」
???「我々も始めはそう考えたのだが、監視員の報告によると違うらしいのだよ」

なるほど、監視員からの報告というのは彼女の精神が安定しだしたのは
クラスメイトの男と親しくなり始めてからだという。なるほど、恋が彼女を変えたのだ。
素晴らしいね、これで俺もお役御免だ。という訳にはいかないらしい。
どうも、精神はこの上なく安定しだしているが、彼女の世界を破壊創造する力は
そっくりそのまま残っているらしい。このままでは、いつ力が暴走するか分からんって事だ。

古泉「それでより彼女を監視できるよう俺が転校するわけですね」
???「うむ、君の第一任務は涼宮ハルヒを監視、異常があれば即報告することだ」

仕方ないこれも世界を守る為か……んっ!?第一?第二以降もあるって事か?

???「そうだ、第二任務は他勢力への牽制だ。彼女の学校には既に幾つかの勢力が
   潜り込んでいる」

ちょっ、マジッすか!?他勢力の中には宇宙人とかもいるらしいのに、俺が牽制するんすか?
そんな当たり前みたいな顔でサラッと言っても聞き逃さんぞおいっ!!

???「心配ない、他勢力も表では大っぴらな事は出来ない。君が同じ学校にいる
   という事で十分な牽制になる。場合によっては接触してもらう事もあるが…」
古泉「この任務、断る事は出来るんですか?」
???「勿論だよ、強制はしない。ただ君の代わりに長岡さんにやってもらう事になるがね」

この狸親父、俺の長岡に対する気持ちを利用してやがる。長岡ならこの任務受けるだろう。
しかし、俺の代わりにこんな危険な任務につかせる訳にはいかない。

???「どうやら引き受けてくれるようだね」
古泉「で、いつから転校なんですか?」
???「ハハハ、やる気マンマンだねぇ。でも転校前に幾つかの諸注意があるよ」

諸注意とは俺の転校先での振舞いについてだった。
涼宮ハルヒは中学の頃から転校生に対して異常な興味を示していた。
しかし、期待を外れると毎回大規模な閉鎖空間を発生させていたのだ。
今回はそれを避ける為、俺が演技をしなければならんらしい。
偉大なる先人(といっても彼らは涼宮ハルヒに期待され勝手に失望された気の毒な方達だが)
の教えにより俺は彼女の望む転校生を演じるのだ。

まず、言葉使いに特徴がある事(方言を使う転校生の教え)
次に、常に笑顔(彼女の我が侭をずっと笑顔で聞いていた転校生の教え)
そして、好きな物が異常に下手である事(カラオケ好き音痴の転校性の教え)
他にも幾つかあるが主にはこんな感じだ。

古泉「分かりました。この条件を全てクリアした転校生を演じましょう」
???「頼むよ、一樹くん。我々も全力でサポートするからね」
古泉「やってみますよ。それで転校は何時になりますか?」
???「ハハハ、実は明日からなんだよ。心配しないでも手続きは全て終わってるからね」
古泉「なっ、最初から決定してんじゃねぇか。このタヌキ親父がぁ!!」
???「ハハハ」



「おいっ、古泉、古泉っ」
古泉「あぁ、もう僕の番ですか?」
キョン「どうしたんだ、ボッーとして」
古泉「いやぁ、ちょっと昔を思い出して感慨にふけってたんですよ」
キョン「へー、そういやお前って昔からそんな丁寧口調だったのか?」
古泉「ハハハ、どうでしょうね?」
キョン「まぁ、どうでもいいがな。そらっ、王手っ」
古泉「また負けちゃいましたね」
キョン「お前、ゲーム好きなのに本当に弱いよな。しかも、負けても笑ってるし何でだ?」
古泉「う~ん、何ででしょうね」
キョン「喰えん奴だ」
古泉「でも、こういうのも悪くないかなと最近は思えますよ」
キョン「???」

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最終更新:2007年01月14日 22:48