北国人+整備の神様+妖精の父親+天使の整備士
継承アイドレス | 整備の神様、北国人 |
要点を満たすべきアイドレス | 天使の整備士+妖精の父親 |
要点 | 機体,寝袋,寝てる,妖精,笑顔、たくさんの天使、整備士 |
周辺環境 | 整備場 |
妖精を見守る父親とそれを見守る天使
俗に妖精と呼称される人物がいる。彼女ら(主に女性のためこう呼ぶ)は人並みはずれた感性を持ち、それがゆえに独特の雰囲気を身にまとっているのだ。妖精は飛ぶがゆえに妖精だ。これを押さえつけてしまえば、その力は発揮されることはないだろう。
だから、その羽に力を与える者がいる。そして、彼らの中には類まれなる発想力を持ち、皆に笑顔をもたらすそんな整備士がいる。
だから、その羽に力を与える者がいる。そして、彼らの中には類まれなる発想力を持ち、皆に笑顔をもたらすそんな整備士がいる。
彼らを人はこう呼ぶ――妖精の父親と。
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油の匂いが漂う薄暗い整備場の片隅にある格納庫、そのまた端っこで、もぞもぞと動く芋虫みたいな物体がころがっている。
調整を受けている機体が林立し、分解されている機体もあれば、もはやほとんどすぐにでも実戦に出せるような機体まで揃っていた。
調整を受けている機体が林立し、分解されている機体もあれば、もはやほとんどすぐにでも実戦に出せるような機体まで揃っていた。
ごろん。ごろん。
あ、また芋虫は動いた。辛うじて明り取りの窓より降り注ぐ月明かりがその物体を照らし出すというには頼りなげな光で闇の中に浮かび上がらせた。芋虫みたいだと思ったそれは寝袋である。この整備工場には良く見られる光景であった。
『そうね。まだステップからの立ち上がりの反応が悪いわ。』
彼女らには見えてる世界が違うのかもしれないと思うこともある。
夢の中でも娘達の注文をつける声が聞こえる。まあ、最高のものは用意するがそこから先を切り開くのは娘達自身だ。しがない父親としてはその羽を羽ばたかせる力に変えられるように調整するしかないのだろう。
夢の中でも娘達の注文をつける声が聞こえる。まあ、最高のものは用意するがそこから先を切り開くのは娘達自身だ。しがない父親としてはその羽を羽ばたかせる力に変えられるように調整するしかないのだろう。
娘(妖精)達のうまく行った時のその満足げな顔を見るのが楽しくて寝泊りしてまで調整に費やしているのかもしれない。寝袋の部分から除く整備士の眠っている顔はなんとなくだらしがない。
「ありがとう。この子の調整、間に合ったのね。」
寝袋で寝る整備士に起こさないように白銀のような髪の少女は呟くと、コクピットに搭乗した。
寝袋で寝る整備士に起こさないように白銀のような髪の少女は呟くと、コクピットに搭乗した。
一般的に妖精用のチューニングは得てしてピーキーであることが多い。
それぐらいでなければ勤まらないのが妖精の相棒なのかもしれないが。
それぐらいでなければ勤まらないのが妖精の相棒なのかもしれないが。
天使が降りてきた。
決定的な転換点をひらめく者がいる。そのひらめいた瞬間を俗に天使が降りてきたという。言ってしまえば、ひらめいたときに頭の上で電球が光っているイメージを持つのと一緒である。
妖精の父親の中にはそんな者達が多い。娘達の要求に応えるために発想の転換がとても重要になることが多い。ただでさえ機体の最高性能を引き出そうとしているのだ、ともすれば思いつきだけでそれを超えてしまう娘達の相手ができるような機体を作ろうと思えば、たくさんの天使に降りてきてもらうしかないことは想像に難くないだろう。
妖精の父親の中にはそんな者達が多い。娘達の要求に応えるために発想の転換がとても重要になることが多い。ただでさえ機体の最高性能を引き出そうとしているのだ、ともすれば思いつきだけでそれを超えてしまう娘達の相手ができるような機体を作ろうと思えば、たくさんの天使に降りてきてもらうしかないことは想像に難くないだろう。
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ただ娘のためだけに作っていればいいかといえば、否。
娘のために思いついた技術であれ、それを一般にフィードバックできれば全体の技術力の向上につながる。もちろん最先端や最高峰なんかは習熟が必要であったり、簡易化をする必要がある以上、難しいところも多々あるだろうが、一般的な技術のベースアップは娘の命を守ることにもつながる。
娘のために思いついた技術であれ、それを一般にフィードバックできれば全体の技術力の向上につながる。もちろん最先端や最高峰なんかは習熟が必要であったり、簡易化をする必要がある以上、難しいところも多々あるだろうが、一般的な技術のベースアップは娘の命を守ることにもつながる。
この国だけでなく、様々な国に娘達はいる。
であるならば、その力を存分に振るい、その思いを羽にして飛べるようにするためには必要に応じて技術を伝えることもするだろう。
様々な場所で様々な技術が失われてきた。
だが、それを取り戻すのも類まれなる発想であるのかもしれない。